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織賀光希

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耳の中だけで、降り続く雨

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おとといは雨が降っていた、、、


昨日の朝、目覚めて窓を開けると、そこは晴れていた、、、


音が鳴っているのに、細い線が地面に突き刺さってはいなかった、、、


今日も窓を開けて外を見ているが、雨は降っていない、、、


私の中でしか、音は鳴っていない、、、


おとといの夜は、彼氏に暴言を吐かれて、心が凄く不安定になった、、、


それから、雨の音がいつまでも消えない、、、


心に降る雨が、耳にも響いているかのように、、、


雨が降り続いたおかげで、今、心に新しい芽が生まれた気がした、、、


その瞬間に、耳を覆っていた雨の音はパッと止んだ、、、


そして、ずっと見つめていた窓の外には、彼の姿があった、、、


耳の中で、人生最大の雷鳴が鳴り響いた、、、
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