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織賀光希

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ひまわり

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気になる、女の子がいる。

それは、ひまわりのような女の子。



休み時間に元気よく歌い、元気よく踊る。

そして、満面の笑みを浮かべる。



彼女は、ひまわり色のゴムで、髪をひとつに纏めてから、踊り始める。

歌って踊る彼女の全身からは、目映い光が溢れ出る。



ひまわりは、【向日葵】と書く。

その漢字の通り、日に向かって咲く。

彼女も日向では、目映いくらいに光輝く。

しかし、人が現れるとそこは、一瞬にして曇りや雨に変わる。

一人の空間だけが、彼女の日向。



普段とは全く違う、一人で歌い踊る彼女を初めて見た時、心はゆらゆらと揺れ動いた。

途轍もなく明るい彼女も、人が通ると一瞬にして暗くなる。

そして、明るさの片鱗もなく、他人ぶる。



学校には、人が溢れている。

学校に、日向は限られる。

みんなが、普段見ているのは、萎れたひまわり。



僕だけが知っている。

校舎裏の林の中で、こっそりと空に向かって咲くひまわりを。
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