異世界召喚されたら時の神子になりました

森崎優嘉

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第一章 2代目時の神子 ユーリ

メイリラルド歴662年

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「今日ラトルクから手紙が来たのだけど、もうすぐで旅から帰ってくるそうよ」
「…そうなのか?」
「エリンが妊娠したそうよ…それを機に悠久の剣も活動停止、アイルのご両親に挨拶してから帰るって書いてあったわ」
「ラトが旅を始めて52年ぐらいか?あっという間だったな」

旅のきっかけは魔王復活だったのよね、それを元々旅に出たいと考えていたラトルクには丁度いい提案だと思ったし研究開発していた魔法具の事もあって本当にいいタイミングだったのよね。

「帰ってきたらたくさん話しが聞けそうね」

楽しみになってきたわ。



   *   *   *



「おかえりなさい、ラトルク」
「おかえり」
「…ただいま帰りました、母上、父上」

久しぶりに見たラトルクは背も伸びて立派な姿になっていた。

「旅はどうだった?」
「楽しかった…辛い事もあったけど、いい経験になった」
「そう、それはよかったわ」

私はそう言いながら息子を抱きしめた、本当に…成長したのね。身長なんて私よりも高くなったもの。

「無事に帰ってきてよかったよ…今回の旅でいろんなものを得られたようだしな」
「父上」
「大事な恋人はどうしたんだい?」
「ち、父上っ」

あらあら顔を赤くして…こんなにも表情豊かになって…ふふ。

「…アイルの家の方には了承は得たんだ、後はこっちのほうが落ち着き次第…迎えに行く」
「私達は何時でも歓迎だから、後は魔法具の結果報告のレポートと各地での歪みの報告書を書いてもらわないとだけど」
「わかってる」

…ふふ。

「今日中にアランシスの元に行く?明日でもいいのだけど」
「行ってくる」
「そう、分かったわ。私達は先に帰ってるわね」

私の言葉に頷いて部屋から出たラトルクに私とルドはお互い見合わせて笑った。

「子供の成長は早いものね」
「そうだね」

さて、早く帰って準備をしないとね。



   *   *   *



「お帰りなさいませユーリ様、ルドレイク様」
「ただいまメリア、準備はどう?」
「バッチリでございます、招待した皆様もあと数分で到着なさるかと」
「そう、後はアランシスがラトルクを連れてくるのを待つだけね」

準備というのはラトルクお帰りなさいパーティーである。招待したのはライド様にレイフィア、お義父様にお義母様、レイルス兄様にケイル兄様、アランシス、和樹、里奈、真人、恵理とラックスとエリックの13人。
エリックは元騎士団長ラックスの息子でアランシスの戴冠式と同時に新騎士団長に就任した。ラックスはラトルクと同い年でアランシスを含めてこの3人はよく一緒にいた。

「皆様が到着いたしました」
「分かったわ」

玄関に向かうと私に気付いた里奈が手を降ってきた。

「優莉ー!久しぶりー!!」
「相変わらず元気ね、里奈」
「お招きありがとう優莉」
「来てくれてありがとう、恵理…メリア、案内お願い」
「はい、皆様こちらへどうぞ」

後は主役を待つだけね。

「お?話をすれば主役のご到着かな」

ライド様の声に振り向くとアランシスと共にラトルクが会場に入ってきた。

「…何事?」
「お前が無事に帰ってきたからそのパーティーだ」
「僕の?」
「そうだ、ほらっ主人公は真ん中だぞ」

そう言ってアランシスに背中を押されてラトルクが真ん中に来た。

その後はまぁラトルクから話を聞いたり私たちもラトルクがいない間起きた出来事などを話してお開きとなった。



   *   *   *



「アランシスとはちゃんと話したの?随分来るのが早かったけど」
「十分話しましたよ母上」
「そう、ならいいけど」

手紙でやり取りをしていたようだし…そんなものなのね。
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