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第2章 アイドル同好会!
初日だ! 放課後だ! 部活勧誘だ!
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佑香と美空と亜紀は、その後の教室移動や昼休みも一緒に行動するようになった。
初日の授業が全て終わって放課後になる頃には、すっかり三人は仲良くなっていた。
「初日の授業全部終わったね」
美空の話しかけに対して亜紀が答える
「まあ、今日は全部の授業が自己紹介で終わったみたいなもんやったしな」
「でも疲れたよー。英語の授業とか英語で自己紹介してくださいとか言われるんだもん」
佑香が伸びをしながら話す。
「わたしなんかいきなり当てられるから『ハロー、マイネームイズユウカカキノキ』って。小学生以下だよあれじゃ」
とほほ、と肩をすくめる佑香。一転してくるりと美空の方を見ると目を輝かせて言う。
「でもみそらちゃんの英語すごかったね! 先生も褒めてたし。恥ずかしながらわたし全然聞き取れませんでした……」
「安心せいゆかっち、ウチもや。みそらっち何て言ってたん?」
「え、私は葛西美空です。はじめての南女での授業で緊張していますがこれからよろしくお願いします、ってそんな感じだったかな」
美空の言葉に二人そろっておー、と感嘆の言葉を漏らす佑香と亜紀。
「みそらちゃんの得意教科って言ってたのやっぱり英語?」
「うん、海外で試合することが多かったから、自然と自主的に勉強していたかな」
「おー、やっぱり世界水準の女はちがうで!」
「もお、やめてってば」
そんな会話を続けながらカバンに荷物を入れ終わった亜紀が話題を変える。
「そういえばゆかっちとみそらっちは部活どうするん?」
「部活……、あ、そっか。今日から新入生の部活勧誘が始まるんだっけ」
亜紀の問いかけに佑香が反応する。
「佑香ちゃんはバドミントン?」
そう聞く美空に、佑香は困ったような顔をして答える。
「うーん、バド部には入らないかな。南女のバド部って全道ベスト四の強豪だから。私みたいな普通の成績だった人間だとついていくので精一杯でレギュラーとか無理そうだし」
「体育会系ってやっぱりレギュラーとか大事なん?」
「やっぱり大会に出るのを目標にしてやるわけだからね。三年生になって一年生にレギュラー取られましたじゃちょっとつらいかなぁ」
佑香があまりこの話をしたくなさそうだったので、美空が話題を変える。
「亜紀ちゃんは音楽だと吹奏楽部とか?」
「あー、うちのやってる音楽ってそういうのとはちょっと違うんや」
「ちょっと違う?」
佑香の疑問に亜紀が答える。
「DTMって言葉知っとるか?」
「でぃーてぃーえむ? どこかで聞いたことがあるような」
「私は聞いたことないよ」
佑香と美空の反応を見てから、亜紀が言葉を続ける。
「デスクトップミュージック、の略称や。要するに、パソコン一つで作曲することを言うんや。ウチは自分で楽器を演奏するんやなくて作曲する方。だから帰宅部の予定や」
「パソコンで作曲かー。なんかかっこいい!」
「あれ、じゃ帰宅部って決まってるんなら亜紀ちゃんは勧誘見ていかないの?」
美空の問いかけに亜紀はすまし顔で答える。
「それとこれとは別や。勧誘なんてにぎやかで楽しそうなもん見ないわけにはいかないやん!」
「あはは、あきちゃんらしいや」
そう言って笑う佑香。
「みそらちゃんはどうする?」
「うん、午前中にも話したけど、高校で新しいことを始めたいから、一通りの部活を見て回ろうかな。せっかく部活の盛んな学校だからどこにも入らないのは勿体無いし」
「じゃわたしもみそらちゃんと一緒に回ろうかな。わたしもバドミントンじゃない新しい部活を始めたいから」
「ウチは二人にくっついていくで」
そうして三人は教室を出た。
教室の外では、体育会系、文化系と織り交ざった各部活がプラカードを提げて熱心に新入生の勧誘を行っていた。中には「昨年全国大会出場」のようにプラカードに実績を書いてアピールしている部活もある。
「バスケ部も全道ベスト四かぁ。みそらちゃんどう? ジャンプ力あるんならバスケとか向いてるんじゃない?」
「いくらジャンプ力があっても私身長百五十だよ。バスケとかバレーはちょっと厳しいと思う」
「小柄でも運動神経を活かして、か。体操部はないんだねうちの高校」
「ああ、体操あったらやってみたかったかも。中学の体育のときに私やったよ、あのバック転でグルグル回っていくやつ」
「えー、すごい! わたし前方宙がえりはできたけどバック転はできなかったなぁ」
佑香と美空の会話に亜紀が交じる。
「なんや二人ともハイレベルな会話しとるなぁ。ウチは運動神経ゼロだからでんぐり返しもできへんかったわ」
「やー、みそらちゃんは凄いけどわたしは普通よりちょっとはましなくらいだよ」
佑香が謙遜する。実際、「なんでも七十点」な自分の運動神経ではジャンプの大会で優勝するような美空には敵わないという思いが佑香にはあった。その後も世間話をしながら歩いていると、今度は文化系の部活の前に来る。
「逆に私は美術とか全然だめだからなぁ」
美術部のプラカードを見ながら言う美空に、佑香は自分が絵を描いていることを話そうか迷ったが、結局話さないことにした。
「音楽系は吹奏楽部だけだったよね……、あれ? 『軽音楽同好会』?」
佑香の視線の先には、ギターをぶらさげながら軽音楽同好会というプラカードを持った生徒がいた。私服可な南女の中でも派手目なガールズバンド風の服を着ている。
「『入学のしおり』に載っていたんは正式な部活動だけで、同好会は別にあるみたいやな」
亜紀が軽音楽以外にも並んでいる同好会のプラカードを見ながら言う。
「亜紀ちゃん軽音楽とかはどうなの? こういうバンドって自分で曲作ったりするんじゃないの?」
「うーん、うちのはどっちかというとテクノポップ系が多いからバンド系はあんまり……」
美空と亜紀のやりとりが聞こえたのか、軽音楽同好会の会長と思われる生徒が三人に近寄ってくる。
「キミたち軽音に興味あるの?」
服装は怖めだが優しそうな先輩だなと佑香は思った。
「あ、いやちょっと作曲をやってるもんで。ここはオリジナルをやるんですか?」
「あー、ゴメン。うちはガールズバンドのカバーがメインなんだ。でも入ってくれるんならオリジナルも始めるよ! ぜひぜひ!」
「あ、えーっと、スンマセン、ちょっともう少し色々回ってきますわ」
そう言って離れる亜紀。
「やっぱり音楽作るんなら自分のやりたい音楽やりたいさかいな」
「ふーん、そういうものなんだ。軽音楽同好会の会長さんいい人そうだったけど」
そう言いながら歩き始める佑香の視界に、珍しい文字が入ってきた。
『アイドル同好会』
いくら自由な校風な南女とはいえ、アイドル同好会という単語に驚く佑香。
「ねえみそらちゃんあきちゃん、アイドル同好会だって」
「へえ、いくら自由な校風っていっても珍しいね」
自分と同じ感想を述べる美空に対し、亜紀はそのアイドル同好会のプラカードを提げた生徒の前へ近寄っていった。
「すんまへん」
「はい、アイドル同好会に興味がありますか?」
おっとりした感じの眼鏡をかけたアイドル同好会会長と思われる生徒が亜紀の呼びかけに答える。
「アイドル同好会って、アイドルに曲を提供できますか?」
その質問に、アイドル同好会会長、及川紗夜香(おいかわさやか)は目を丸くした。
初日の授業が全て終わって放課後になる頃には、すっかり三人は仲良くなっていた。
「初日の授業全部終わったね」
美空の話しかけに対して亜紀が答える
「まあ、今日は全部の授業が自己紹介で終わったみたいなもんやったしな」
「でも疲れたよー。英語の授業とか英語で自己紹介してくださいとか言われるんだもん」
佑香が伸びをしながら話す。
「わたしなんかいきなり当てられるから『ハロー、マイネームイズユウカカキノキ』って。小学生以下だよあれじゃ」
とほほ、と肩をすくめる佑香。一転してくるりと美空の方を見ると目を輝かせて言う。
「でもみそらちゃんの英語すごかったね! 先生も褒めてたし。恥ずかしながらわたし全然聞き取れませんでした……」
「安心せいゆかっち、ウチもや。みそらっち何て言ってたん?」
「え、私は葛西美空です。はじめての南女での授業で緊張していますがこれからよろしくお願いします、ってそんな感じだったかな」
美空の言葉に二人そろっておー、と感嘆の言葉を漏らす佑香と亜紀。
「みそらちゃんの得意教科って言ってたのやっぱり英語?」
「うん、海外で試合することが多かったから、自然と自主的に勉強していたかな」
「おー、やっぱり世界水準の女はちがうで!」
「もお、やめてってば」
そんな会話を続けながらカバンに荷物を入れ終わった亜紀が話題を変える。
「そういえばゆかっちとみそらっちは部活どうするん?」
「部活……、あ、そっか。今日から新入生の部活勧誘が始まるんだっけ」
亜紀の問いかけに佑香が反応する。
「佑香ちゃんはバドミントン?」
そう聞く美空に、佑香は困ったような顔をして答える。
「うーん、バド部には入らないかな。南女のバド部って全道ベスト四の強豪だから。私みたいな普通の成績だった人間だとついていくので精一杯でレギュラーとか無理そうだし」
「体育会系ってやっぱりレギュラーとか大事なん?」
「やっぱり大会に出るのを目標にしてやるわけだからね。三年生になって一年生にレギュラー取られましたじゃちょっとつらいかなぁ」
佑香があまりこの話をしたくなさそうだったので、美空が話題を変える。
「亜紀ちゃんは音楽だと吹奏楽部とか?」
「あー、うちのやってる音楽ってそういうのとはちょっと違うんや」
「ちょっと違う?」
佑香の疑問に亜紀が答える。
「DTMって言葉知っとるか?」
「でぃーてぃーえむ? どこかで聞いたことがあるような」
「私は聞いたことないよ」
佑香と美空の反応を見てから、亜紀が言葉を続ける。
「デスクトップミュージック、の略称や。要するに、パソコン一つで作曲することを言うんや。ウチは自分で楽器を演奏するんやなくて作曲する方。だから帰宅部の予定や」
「パソコンで作曲かー。なんかかっこいい!」
「あれ、じゃ帰宅部って決まってるんなら亜紀ちゃんは勧誘見ていかないの?」
美空の問いかけに亜紀はすまし顔で答える。
「それとこれとは別や。勧誘なんてにぎやかで楽しそうなもん見ないわけにはいかないやん!」
「あはは、あきちゃんらしいや」
そう言って笑う佑香。
「みそらちゃんはどうする?」
「うん、午前中にも話したけど、高校で新しいことを始めたいから、一通りの部活を見て回ろうかな。せっかく部活の盛んな学校だからどこにも入らないのは勿体無いし」
「じゃわたしもみそらちゃんと一緒に回ろうかな。わたしもバドミントンじゃない新しい部活を始めたいから」
「ウチは二人にくっついていくで」
そうして三人は教室を出た。
教室の外では、体育会系、文化系と織り交ざった各部活がプラカードを提げて熱心に新入生の勧誘を行っていた。中には「昨年全国大会出場」のようにプラカードに実績を書いてアピールしている部活もある。
「バスケ部も全道ベスト四かぁ。みそらちゃんどう? ジャンプ力あるんならバスケとか向いてるんじゃない?」
「いくらジャンプ力があっても私身長百五十だよ。バスケとかバレーはちょっと厳しいと思う」
「小柄でも運動神経を活かして、か。体操部はないんだねうちの高校」
「ああ、体操あったらやってみたかったかも。中学の体育のときに私やったよ、あのバック転でグルグル回っていくやつ」
「えー、すごい! わたし前方宙がえりはできたけどバック転はできなかったなぁ」
佑香と美空の会話に亜紀が交じる。
「なんや二人ともハイレベルな会話しとるなぁ。ウチは運動神経ゼロだからでんぐり返しもできへんかったわ」
「やー、みそらちゃんは凄いけどわたしは普通よりちょっとはましなくらいだよ」
佑香が謙遜する。実際、「なんでも七十点」な自分の運動神経ではジャンプの大会で優勝するような美空には敵わないという思いが佑香にはあった。その後も世間話をしながら歩いていると、今度は文化系の部活の前に来る。
「逆に私は美術とか全然だめだからなぁ」
美術部のプラカードを見ながら言う美空に、佑香は自分が絵を描いていることを話そうか迷ったが、結局話さないことにした。
「音楽系は吹奏楽部だけだったよね……、あれ? 『軽音楽同好会』?」
佑香の視線の先には、ギターをぶらさげながら軽音楽同好会というプラカードを持った生徒がいた。私服可な南女の中でも派手目なガールズバンド風の服を着ている。
「『入学のしおり』に載っていたんは正式な部活動だけで、同好会は別にあるみたいやな」
亜紀が軽音楽以外にも並んでいる同好会のプラカードを見ながら言う。
「亜紀ちゃん軽音楽とかはどうなの? こういうバンドって自分で曲作ったりするんじゃないの?」
「うーん、うちのはどっちかというとテクノポップ系が多いからバンド系はあんまり……」
美空と亜紀のやりとりが聞こえたのか、軽音楽同好会の会長と思われる生徒が三人に近寄ってくる。
「キミたち軽音に興味あるの?」
服装は怖めだが優しそうな先輩だなと佑香は思った。
「あ、いやちょっと作曲をやってるもんで。ここはオリジナルをやるんですか?」
「あー、ゴメン。うちはガールズバンドのカバーがメインなんだ。でも入ってくれるんならオリジナルも始めるよ! ぜひぜひ!」
「あ、えーっと、スンマセン、ちょっともう少し色々回ってきますわ」
そう言って離れる亜紀。
「やっぱり音楽作るんなら自分のやりたい音楽やりたいさかいな」
「ふーん、そういうものなんだ。軽音楽同好会の会長さんいい人そうだったけど」
そう言いながら歩き始める佑香の視界に、珍しい文字が入ってきた。
『アイドル同好会』
いくら自由な校風な南女とはいえ、アイドル同好会という単語に驚く佑香。
「ねえみそらちゃんあきちゃん、アイドル同好会だって」
「へえ、いくら自由な校風っていっても珍しいね」
自分と同じ感想を述べる美空に対し、亜紀はそのアイドル同好会のプラカードを提げた生徒の前へ近寄っていった。
「すんまへん」
「はい、アイドル同好会に興味がありますか?」
おっとりした感じの眼鏡をかけたアイドル同好会会長と思われる生徒が亜紀の呼びかけに答える。
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