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第2章 アイドル同好会!
アイドル同好会へようこそ
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少し驚きながらも、亜紀の質問に答える紗夜香。笑顔で、極力歓迎の雰囲気を出そうとする。
「ええ、もちろん。作曲してくれる子は大募集よ」
「アイドル同好会ってアイドルのライブを見に行ったりするんですか?」
亜紀の後ろを付いて行った佑香が素朴な疑問を口にする。美空もどんな部活動なのか見当もつかないので、佑香の言葉を黙って聞いている。
「そういうこともするけど、メインの活動は自分達でアイドルになってライブをすることよ」
「アイドルになる!?」
てっきりアイドル同好会とはアイドルについて話をしたりライブを見に行ったりというファンの側での会だと思っていたので、自分達がアイドル側になるとは佑香は思ってもみなかった。
「どうかしら、興味があるなら部室に来てお話していかない?」
紗夜香の提案に、顔を見合わせる三人。
「なんか面白そうやない?」
「うん、ちょっと興味あるかも」
「私は二人が行くなら一緒に行くよ」
その三人の声を聞いて、紗夜香がにっこりと笑う。
「ではアイドル同好会の部室へどうぞ」
★
三人が案内されたアイドル同好会の部室は、ちょっと狭いながらもきちんと片付けられていた。左側にある書棚には、アイドルの雑誌やCD、DVDなどが綺麗に並べられている。
「紅茶苦手な人はいないかしら?」
紗夜香の問いかけに対し、三人とも大丈夫ですと返事をする。
「えっと、会長さん……」
「あ、名乗ってなかったわね。私は及川紗夜香。三年生でこのアイドル同好会の会長よ」
佑香の声に、紗夜香が自己紹介をする。
「及川先輩は、アイドルをやっているんですか?」
「いいえ、私は裏方。衣装作りが担当なの」
紗夜香の答えに佑香が納得する。綺麗な人だが、人前で歌ったり踊ったりするような感じには見えなかったからだ。
「ということは、他にアイドルをやっている部員の人がいるんですか?」
美空の問いに対し、紗夜香が寂しそうな笑みを見せる。
「それがね、アイドルをやっていた先輩方がみんな卒業しちゃって、現在部員は私だけ」
紗夜香が、紅茶を持ってくる。
「ねえ、みんなの名前を聞いてもいいかしら?」
「あ、はい。わたしは柿木佑香です」
「葛西美空です」
「菊川亜紀いいます」
「柿木さんに葛西さんに菊川さんね。あらためましてアイドル同好会へようこそ。あ、別に入部を強制しているわけではないからリラックスしてね」
三人へ紅茶を配った紗夜香が、自分も席に座る。
「ねえ、みんなはアイドルが好き?」
急な問いかけに、誰から話せばいいか戸惑う三人。最初に紗夜香と目が合った美空が口を開く。
「実は、テレビやネットはあまり見ないのでアイドルはほとんどわからないです」
「あら、そうなのね。柿木さんは?」
話を振られた佑香が、話していいのか少し悩みながら口を開く。
「えっと、本物のアイドルはあまり見ないんですが、アニメの『ライブマスター』みたいなアイドルものなら……」
「あら、ライマス見ているのね! どのキャラが好き?」
「あ、はい。わたしはミキちゃんが好きです」
「あ、ミキちゃんかっこいいわよね。私もミキちゃん好きよ。私は一番好きなのは明日香かしら」
本物のアイドルじゃないアニメの話で怒られないか心配していた佑香だったが、紗夜香はアイドルアニメにも詳しいようだった。
「ウチはアイドル本人はあまり知りまへんけど、オリコンに載るようなアイドルの楽曲は全部チェックしとります」
「菊川さんはさすが作曲志望ね。アイドルソングも作るの?」
「いえ、今まで音声合成ソフトの楽曲しか作ったことがなかったんで、せやから生のアイドルに歌ってもらえるいうのに興味がわきました」
その亜紀の話に、最初に話しかけてきてくれた理由がわかって納得する紗夜香。書棚からDVDをひとつ取り出してPCにセットする。再生ボタンをクリックすると、体育館のステージのような風景が映し出される。よくよく見ると、昨日入学式を行った第一体育館のようだった。
「見て、これが去年の文化祭のアイドル同好会のステージよ」
紗夜香がそう言うと、ステージ上にカラフルな衣装を着た三人の少女が駆けながら出てくる。
音楽に合わせて踊り始める三人。
「わあ、衣装とか本格的なんですね」
「ふふ、ありがとう、あの衣装を作ったのは私よ」
佑香の感想に礼を言う紗夜香。画面を見つめる三人の顔を見ながら、紗夜香が話し始める。
「このアイドルの先輩達もね、みんなステージを下りると普通の南女の生徒なの。そんな普通の人が、ステージ上で光り輝く存在になれる、それがアイドル同好会の魅力。そして、私はもっともっとたくさんの人にアイドルになってほしい」
話しすぎたか、三人の視線が画面ではなく自分の方に向いてしまっているのを感じて、紗夜香は軽く一息つくと動画の再生を止めた。
「今日こうして出会えたのも何かの縁だし、みんな気軽にここへ遊びに来てね。ここにあるCDやDVDなら自由に見てもらって構わないから」
そう話す紗夜香に対し、佑香が声を掛ける。
「あの、及川先輩」
「なにかしら?」
「わたし、ライマスとか他のアイドルアニメとかを見てて、ステージ上で光り輝くアイドルって画面の向こう側の話だと思っていました。でも、自分もライマスのキャラのようになれるなら……。あの、仮入部という形でもいいでしょうか?」
思いがけぬ発言に紗夜香が笑顔で答える。
「ええ、もちろん大歓迎よ」
それを聞いた美空が続く
「えっと、私は他に入りたい部活とかもないし、正式に入部ということでお願いします」
「え、みそらちゃん入部なのにわたしだけ仮入部じゃ悪いよ~」
「そんな気を使わないでいいよ佑香ちゃん。ただ私は性格的に仮入部だと落ち着かないだけで」
そんな二人のやりとりを見ていた紗夜香が横から入る。
「ふふ、そんなに急がなくても二人とも仮入部でいいわよ。正式な入部はいつだってできるんだし」
「あ、じゃウチも仮入部でお願いしますわ。ここのCDとか借りてってもいいですか?」
「ええ、一応貸し出し簿を作ってあるから、そこに記入さえしてくれればいくらでもどうぞ」
紗夜香と書棚のCDの話を始めた亜紀を横目に、佑香が美空に話し掛ける。
「本当にみそらちゃん良かった? アイドルあまり興味ないみたいだったけど」
「興味ないというより知らなかっただけ。だからこれからちょっと楽しみかな」
そう言って佑香に笑いかける美空。
バタンッ
そのとき、部室のドアが開いた。
「ええ、もちろん。作曲してくれる子は大募集よ」
「アイドル同好会ってアイドルのライブを見に行ったりするんですか?」
亜紀の後ろを付いて行った佑香が素朴な疑問を口にする。美空もどんな部活動なのか見当もつかないので、佑香の言葉を黙って聞いている。
「そういうこともするけど、メインの活動は自分達でアイドルになってライブをすることよ」
「アイドルになる!?」
てっきりアイドル同好会とはアイドルについて話をしたりライブを見に行ったりというファンの側での会だと思っていたので、自分達がアイドル側になるとは佑香は思ってもみなかった。
「どうかしら、興味があるなら部室に来てお話していかない?」
紗夜香の提案に、顔を見合わせる三人。
「なんか面白そうやない?」
「うん、ちょっと興味あるかも」
「私は二人が行くなら一緒に行くよ」
その三人の声を聞いて、紗夜香がにっこりと笑う。
「ではアイドル同好会の部室へどうぞ」
★
三人が案内されたアイドル同好会の部室は、ちょっと狭いながらもきちんと片付けられていた。左側にある書棚には、アイドルの雑誌やCD、DVDなどが綺麗に並べられている。
「紅茶苦手な人はいないかしら?」
紗夜香の問いかけに対し、三人とも大丈夫ですと返事をする。
「えっと、会長さん……」
「あ、名乗ってなかったわね。私は及川紗夜香。三年生でこのアイドル同好会の会長よ」
佑香の声に、紗夜香が自己紹介をする。
「及川先輩は、アイドルをやっているんですか?」
「いいえ、私は裏方。衣装作りが担当なの」
紗夜香の答えに佑香が納得する。綺麗な人だが、人前で歌ったり踊ったりするような感じには見えなかったからだ。
「ということは、他にアイドルをやっている部員の人がいるんですか?」
美空の問いに対し、紗夜香が寂しそうな笑みを見せる。
「それがね、アイドルをやっていた先輩方がみんな卒業しちゃって、現在部員は私だけ」
紗夜香が、紅茶を持ってくる。
「ねえ、みんなの名前を聞いてもいいかしら?」
「あ、はい。わたしは柿木佑香です」
「葛西美空です」
「菊川亜紀いいます」
「柿木さんに葛西さんに菊川さんね。あらためましてアイドル同好会へようこそ。あ、別に入部を強制しているわけではないからリラックスしてね」
三人へ紅茶を配った紗夜香が、自分も席に座る。
「ねえ、みんなはアイドルが好き?」
急な問いかけに、誰から話せばいいか戸惑う三人。最初に紗夜香と目が合った美空が口を開く。
「実は、テレビやネットはあまり見ないのでアイドルはほとんどわからないです」
「あら、そうなのね。柿木さんは?」
話を振られた佑香が、話していいのか少し悩みながら口を開く。
「えっと、本物のアイドルはあまり見ないんですが、アニメの『ライブマスター』みたいなアイドルものなら……」
「あら、ライマス見ているのね! どのキャラが好き?」
「あ、はい。わたしはミキちゃんが好きです」
「あ、ミキちゃんかっこいいわよね。私もミキちゃん好きよ。私は一番好きなのは明日香かしら」
本物のアイドルじゃないアニメの話で怒られないか心配していた佑香だったが、紗夜香はアイドルアニメにも詳しいようだった。
「ウチはアイドル本人はあまり知りまへんけど、オリコンに載るようなアイドルの楽曲は全部チェックしとります」
「菊川さんはさすが作曲志望ね。アイドルソングも作るの?」
「いえ、今まで音声合成ソフトの楽曲しか作ったことがなかったんで、せやから生のアイドルに歌ってもらえるいうのに興味がわきました」
その亜紀の話に、最初に話しかけてきてくれた理由がわかって納得する紗夜香。書棚からDVDをひとつ取り出してPCにセットする。再生ボタンをクリックすると、体育館のステージのような風景が映し出される。よくよく見ると、昨日入学式を行った第一体育館のようだった。
「見て、これが去年の文化祭のアイドル同好会のステージよ」
紗夜香がそう言うと、ステージ上にカラフルな衣装を着た三人の少女が駆けながら出てくる。
音楽に合わせて踊り始める三人。
「わあ、衣装とか本格的なんですね」
「ふふ、ありがとう、あの衣装を作ったのは私よ」
佑香の感想に礼を言う紗夜香。画面を見つめる三人の顔を見ながら、紗夜香が話し始める。
「このアイドルの先輩達もね、みんなステージを下りると普通の南女の生徒なの。そんな普通の人が、ステージ上で光り輝く存在になれる、それがアイドル同好会の魅力。そして、私はもっともっとたくさんの人にアイドルになってほしい」
話しすぎたか、三人の視線が画面ではなく自分の方に向いてしまっているのを感じて、紗夜香は軽く一息つくと動画の再生を止めた。
「今日こうして出会えたのも何かの縁だし、みんな気軽にここへ遊びに来てね。ここにあるCDやDVDなら自由に見てもらって構わないから」
そう話す紗夜香に対し、佑香が声を掛ける。
「あの、及川先輩」
「なにかしら?」
「わたし、ライマスとか他のアイドルアニメとかを見てて、ステージ上で光り輝くアイドルって画面の向こう側の話だと思っていました。でも、自分もライマスのキャラのようになれるなら……。あの、仮入部という形でもいいでしょうか?」
思いがけぬ発言に紗夜香が笑顔で答える。
「ええ、もちろん大歓迎よ」
それを聞いた美空が続く
「えっと、私は他に入りたい部活とかもないし、正式に入部ということでお願いします」
「え、みそらちゃん入部なのにわたしだけ仮入部じゃ悪いよ~」
「そんな気を使わないでいいよ佑香ちゃん。ただ私は性格的に仮入部だと落ち着かないだけで」
そんな二人のやりとりを見ていた紗夜香が横から入る。
「ふふ、そんなに急がなくても二人とも仮入部でいいわよ。正式な入部はいつだってできるんだし」
「あ、じゃウチも仮入部でお願いしますわ。ここのCDとか借りてってもいいですか?」
「ええ、一応貸し出し簿を作ってあるから、そこに記入さえしてくれればいくらでもどうぞ」
紗夜香と書棚のCDの話を始めた亜紀を横目に、佑香が美空に話し掛ける。
「本当にみそらちゃん良かった? アイドルあまり興味ないみたいだったけど」
「興味ないというより知らなかっただけ。だからこれからちょっと楽しみかな」
そう言って佑香に笑いかける美空。
バタンッ
そのとき、部室のドアが開いた。
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