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第2章 アイドル同好会!
河川敷練習、スタート!
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翌日。
部室へ行く準備を終えた三人が玲に声を掛ける。
「れいちゃん、今日はどうする? わたしたちは今から部室行くけど」
「うん、アタシも行く」
内心、声を掛けてもらえるか、昨日のことは夢だったんじゃないかと心配していた玲は、誘いを受けたことにほっとする。
四人で部室へ向かう。さすがに廊下での勧誘の人数も減ってきていた。軽音同好会の姿もなかった。新入部員は見つかったのだろうか。
部屋に入るとほどなくして紗夜香もやってきた。
「紗夜香先輩、今日はジャージを持ってきました」
「ふふ、早速ね。じゃ今日は河川敷でのランニングと、せっかくだから軽くダンス練習もしましょうか」
「はいっ。ダンス練習楽しみです!」
佑香の返事に笑顔で返す紗夜香。あとの二人にも声を掛ける。
「亜紀ちゃんはどうする?」
「あー、ウチは運動系全般ダメなんで、タオルとドリンクもってマネージャーやりますわ」
「ふふ、たまには一緒に走ると気持ちいいかもしれないわよ。成瀬さんはどうする? 私と一緒に見学する?」
話を振られた玲が、必死に自分の意思を伝えようとする。
「あの、アタシもジャージ、持ってきた、ので。一緒に練習、します……」
「わかったわ。じゃ三人は更衣室で着替えてきて。私と亜紀ちゃんは用意をして正門前で待っているから」
「わかりました」
更衣室へ向かいながら、佑香が玲に話し掛ける。
「れいちゃんもジャージ持って来てたんだね」
「うん。昨日そういう話、してたから」
少し照れながら答える玲。美空が話を続ける。
「ダンス練ってどんなことやるんだろう。楽しみだね」
「ワンツースリーフォー、ってやつじゃないかな。なんか本物のアイドルっぽいかも」
佑香がそれっぽい動きをしながら答える。
「うん。本物のアイドルみたい……」
「じゃ早く着替えてさやか先輩のところへ行こう!」
着替えた三人は、自転車のかごにCDラジカセを積んだ紗夜香、亜紀と合流し、歩いて数分の豊平川の川沿いまで出た。
「じゃ私達はここを下りた所で待ってるわね」
「わかりました、さやか先輩」
紗夜香と亜紀が河川敷へ下りていくのを見て、三人が走る準備を始める。川沿いの歩道は、他の部活動の生徒もランニングをしていた。背中に学校名の入った部活独自のジャージに交じって走っている学ジャーの生徒は各部の新入生だろう。
「あの……」
準備運動をしている二人に向かって玲が口を開く。
「アタシ、運動苦手だから。遅れたら二人で先に走って……」
「大丈夫だよ。わたしも短距離は得意だけど長距離全然ダメでランニングとか苦手だったから」
「うん。私も瞬発力系ばかり鍛えてたからランニングとか持久力系は苦手かな」
そう佑香と美空に言われて少し安心する玲。
「それじゃ向こうの橋まで走って橋を渡って向こう岸を走ってここの橋を渡って一周しよう」
佑香の言葉を合図に走り始める。三人で横に並ぶと歩行者の邪魔になるので、くの字型に佑香、美空、玲の順番で並んで走る。
橋と橋の間は約五百メートル、橋の長さが約二百五十メートルあるため、一周するとおよそ千五百メートルというコースとなる。一周がちょうどよい距離なので、南女の体育会系部活ではよく利用されているコースである。
★
「あ、あれ私の中学だよ」
「へえ、本当にすぐ近くなんだね」
ゆっくりと走りながら佑香が右側を指差し、それに美空が答える。二人ともランニングが苦手ということで、ジョギング程度の速さで時折話しながら走っていた。
その二人を見ながら、玲が必死の形相で離れないようにしていた。
「(二人ともランニング苦手って言っていたのに……。運動部の人と自分だとこんなにも基礎体力が違うの?)」
自分が運動を苦手なのは百も承知な玲だったが、それでも二人がランニングは苦手と言っていたので少しはついていけるかと淡い期待を持っていた。だが走り出してみると、二人との体力の差は歴然としていた。
その後もなんとか食らいつこうとしていた玲だったが、橋の緩やかな上り坂で二人から遅れてしまう。
玲が遅れだしたのに気付いた美空が歩を止める。
「ごめん玲ちゃん、速かった?」
「ハァ、……ハァ、ハァ。……置いてってくれて、ハァ、良かったのに……」
肩で息をしながら玲が答える。
「そんなわけにいかないよ。ちょうど半分だし、少し休んでから、後半はもうちょっとゆっくり走ろう」
「そうだね」
佑香の提案に、美空が同意する。玲は、自分のせいで二人に迷惑を掛けているという思いが強くなった。
休憩後、前半よりもさらにゆっくりと走るようにする三人。玲もなんとか付いていけるようになったが、気持ちはどんどんと沈んでいた。
「(やっぱり自分がアイドルなんて無理なんじゃ……)」
そこに、佑香の明るい声が掛けられる。
「さあ玲ちゃん、この橋を渡ったらゴールだよ。最後もうひと頑張りいこう!」
「うん……」
佑香の笑顔に励まされ、なんとかゴールする玲。ほどなくして、河川敷から紗夜香と亜紀がドリンクを持って上がってきた。
「はい、三人ともお疲れ様でした。スポーツドリンク飲んで」
「ありがとうございます」
紗夜香からスポーツドリンクを受け取る佑香と美空。
「成瀬さんもお疲れ様。まだ見学で良かったのよ?」
「いえ……、みんなと一緒に、やりたかったから……」
「ん、わかったわ。このあと河川敷でダンス練習と歌練習をするわ。せっかくだから良かったら見ていってね」
そう言ってジャージの上着を玲に掛ける紗夜香。四月の札幌はまだ寒い、運動を急にやめると汗で身体が冷えきってしまう。
「昨日の、練習したんでしょ? 良かったら参加してね」
「え……、はい」
紗夜香の言葉に、どきりとする玲。そんな玲の動揺に気付いたのかどうか、紗夜香は再び二人の方へ向かって行った。
「さあ、河川敷でダンス練習を始めましょうか」
部室へ行く準備を終えた三人が玲に声を掛ける。
「れいちゃん、今日はどうする? わたしたちは今から部室行くけど」
「うん、アタシも行く」
内心、声を掛けてもらえるか、昨日のことは夢だったんじゃないかと心配していた玲は、誘いを受けたことにほっとする。
四人で部室へ向かう。さすがに廊下での勧誘の人数も減ってきていた。軽音同好会の姿もなかった。新入部員は見つかったのだろうか。
部屋に入るとほどなくして紗夜香もやってきた。
「紗夜香先輩、今日はジャージを持ってきました」
「ふふ、早速ね。じゃ今日は河川敷でのランニングと、せっかくだから軽くダンス練習もしましょうか」
「はいっ。ダンス練習楽しみです!」
佑香の返事に笑顔で返す紗夜香。あとの二人にも声を掛ける。
「亜紀ちゃんはどうする?」
「あー、ウチは運動系全般ダメなんで、タオルとドリンクもってマネージャーやりますわ」
「ふふ、たまには一緒に走ると気持ちいいかもしれないわよ。成瀬さんはどうする? 私と一緒に見学する?」
話を振られた玲が、必死に自分の意思を伝えようとする。
「あの、アタシもジャージ、持ってきた、ので。一緒に練習、します……」
「わかったわ。じゃ三人は更衣室で着替えてきて。私と亜紀ちゃんは用意をして正門前で待っているから」
「わかりました」
更衣室へ向かいながら、佑香が玲に話し掛ける。
「れいちゃんもジャージ持って来てたんだね」
「うん。昨日そういう話、してたから」
少し照れながら答える玲。美空が話を続ける。
「ダンス練ってどんなことやるんだろう。楽しみだね」
「ワンツースリーフォー、ってやつじゃないかな。なんか本物のアイドルっぽいかも」
佑香がそれっぽい動きをしながら答える。
「うん。本物のアイドルみたい……」
「じゃ早く着替えてさやか先輩のところへ行こう!」
着替えた三人は、自転車のかごにCDラジカセを積んだ紗夜香、亜紀と合流し、歩いて数分の豊平川の川沿いまで出た。
「じゃ私達はここを下りた所で待ってるわね」
「わかりました、さやか先輩」
紗夜香と亜紀が河川敷へ下りていくのを見て、三人が走る準備を始める。川沿いの歩道は、他の部活動の生徒もランニングをしていた。背中に学校名の入った部活独自のジャージに交じって走っている学ジャーの生徒は各部の新入生だろう。
「あの……」
準備運動をしている二人に向かって玲が口を開く。
「アタシ、運動苦手だから。遅れたら二人で先に走って……」
「大丈夫だよ。わたしも短距離は得意だけど長距離全然ダメでランニングとか苦手だったから」
「うん。私も瞬発力系ばかり鍛えてたからランニングとか持久力系は苦手かな」
そう佑香と美空に言われて少し安心する玲。
「それじゃ向こうの橋まで走って橋を渡って向こう岸を走ってここの橋を渡って一周しよう」
佑香の言葉を合図に走り始める。三人で横に並ぶと歩行者の邪魔になるので、くの字型に佑香、美空、玲の順番で並んで走る。
橋と橋の間は約五百メートル、橋の長さが約二百五十メートルあるため、一周するとおよそ千五百メートルというコースとなる。一周がちょうどよい距離なので、南女の体育会系部活ではよく利用されているコースである。
★
「あ、あれ私の中学だよ」
「へえ、本当にすぐ近くなんだね」
ゆっくりと走りながら佑香が右側を指差し、それに美空が答える。二人ともランニングが苦手ということで、ジョギング程度の速さで時折話しながら走っていた。
その二人を見ながら、玲が必死の形相で離れないようにしていた。
「(二人ともランニング苦手って言っていたのに……。運動部の人と自分だとこんなにも基礎体力が違うの?)」
自分が運動を苦手なのは百も承知な玲だったが、それでも二人がランニングは苦手と言っていたので少しはついていけるかと淡い期待を持っていた。だが走り出してみると、二人との体力の差は歴然としていた。
その後もなんとか食らいつこうとしていた玲だったが、橋の緩やかな上り坂で二人から遅れてしまう。
玲が遅れだしたのに気付いた美空が歩を止める。
「ごめん玲ちゃん、速かった?」
「ハァ、……ハァ、ハァ。……置いてってくれて、ハァ、良かったのに……」
肩で息をしながら玲が答える。
「そんなわけにいかないよ。ちょうど半分だし、少し休んでから、後半はもうちょっとゆっくり走ろう」
「そうだね」
佑香の提案に、美空が同意する。玲は、自分のせいで二人に迷惑を掛けているという思いが強くなった。
休憩後、前半よりもさらにゆっくりと走るようにする三人。玲もなんとか付いていけるようになったが、気持ちはどんどんと沈んでいた。
「(やっぱり自分がアイドルなんて無理なんじゃ……)」
そこに、佑香の明るい声が掛けられる。
「さあ玲ちゃん、この橋を渡ったらゴールだよ。最後もうひと頑張りいこう!」
「うん……」
佑香の笑顔に励まされ、なんとかゴールする玲。ほどなくして、河川敷から紗夜香と亜紀がドリンクを持って上がってきた。
「はい、三人ともお疲れ様でした。スポーツドリンク飲んで」
「ありがとうございます」
紗夜香からスポーツドリンクを受け取る佑香と美空。
「成瀬さんもお疲れ様。まだ見学で良かったのよ?」
「いえ……、みんなと一緒に、やりたかったから……」
「ん、わかったわ。このあと河川敷でダンス練習と歌練習をするわ。せっかくだから良かったら見ていってね」
そう言ってジャージの上着を玲に掛ける紗夜香。四月の札幌はまだ寒い、運動を急にやめると汗で身体が冷えきってしまう。
「昨日の、練習したんでしょ? 良かったら参加してね」
「え……、はい」
紗夜香の言葉に、どきりとする玲。そんな玲の動揺に気付いたのかどうか、紗夜香は再び二人の方へ向かって行った。
「さあ、河川敷でダンス練習を始めましょうか」
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