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第2章 アイドル同好会!
川原でダンスだ! 歌練だ!
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川沿いを下っていった河川敷には、芝生の生えた敷地があった。川を跨いだ向こう側の敷地にはサッカーグラウンドや野球場などがあったが、ちょうどこの場所は空き地になっているようだ。
「昔、南女の校舎が建て替えられた時には、建て替え中ここで体育の授業をやったらしいわ」
そんな雑談をしながら、紗夜香がCDラジカセをセットする。
「後ろを通行する人の邪魔になるような大きな音は出せないから、みんなラジカセの近くに寄ってね」
そう紗夜香が話すそばから、競技用自転車に乗った男性が芝生の後ろのサイクリングロードを通り過ぎていった。
「では、ダンス練習をやります。といっても私が先輩達のやっていたのをそのまま真似るだけだけどね」
そう言って音楽を流し始める紗夜香。流れてきたのはアイドルの声が入った曲ではなく、リズムだけが繰り返し流れるものだった。
「おー、ダンスミュージックの定番な感じの四つ打ちですな」
亜紀が曲の感想を言う。四つ打ちとは、四拍子に合わせてドン、ドン、ドン、ドンと低音のバスドラムが四つ叩かれる、リズムから音楽を分類したときの分類の一つである。一、二、三、四と決まったリズムが叩かれるので、ダンスなどの練習によく使われる。
「じゃ最初は基本のステップをやるわね。ツーステップっていう名前なんだけど。こうやって足を右左、左右で動かして。二人も一緒にやってみて」
「はい」
紗夜香の動きを真似て、佑香と美空もステップを踏む。
「二人とも上手よ。じゃ次は腕もつけて。こうやって肘を曲げて、横にステップするときは脇を開いて、ステップが終わったら脇を締めるの」
「わー、さやか先輩本物のアイドルみたいです!」
「私のは先輩の見よう見真似だから。今度ちゃんと本やDVDを買って教えられるようにしてくるわね」
最初は紗夜香を見ながら練習していたが、紗夜香は手本で踊り続けるだけの体力はないということで、途中から二人と向かい合って手拍子を叩くようになる。
「なんかアイドルの練習っぽくて楽しいね、みそらちゃん」
「うん、アイドルらしいのがどういうのかは良くわからないけど、リズムに合わせて身体を動かすのは気持ち良いね」
元々が体育会系で体力のある佑香と美空は、時々話しながら軽快にステップをこなしていく。
「二人とも上手よ。佑香ちゃんはライマス見てるからかな、細かい動きが可愛らしいし、美空ちゃんは動きが綺麗で躍動感があるわ」
「ありがとうございます」
そんな二人の動きを、玲は亜紀と一緒に芝生に座りながら見ていた。
「(二人とも今日が初めてって言ってたのにあんなに上手にダンスができている。やっぱり自分が加わっても足を引っ張るだけじゃ……)」
ランニングの後に冷たい風を浴びて体が凍える玲の、心までもが凍えていった。
★
「じゃ一回休憩を入れるわね。休憩後は歌の練習をしましょう」
「そっか、外だと大きな声出して歌ってもいいんですね」
紗夜香の言葉に、佑香が亜紀からスポーツドリンクを受け取りながら目を輝かせる。
紗夜香は佑香へ笑って頷くと、そっと玲の下へと近寄り、耳元でささやく。
「どこからでも参加していいからね」
えっ、と顔を上げる玲に対しウィンクをする紗夜香。そのまま、ラジカセのCDを、ダンス練用のものから実際の歌のCDに入れ替える。ラジカセから、昨日部室で練習した『CANDY☆CANDY☆STORY』が流れ始める。
「「小さなキャンディ~ ポケットいっぱいに~詰め込んで~♪」」
佑香と美空が声を揃えて歌う。最初は直立不動で歌っていた二人だったが、サビの部分から自然と佑香がさきほどまでやっていた基本ステップで身体を揺らしながら歌うようになる。それを見た美空が、一緒にステップを踏みながら歌うようにする。
一番が終わって間奏に入ったところで佑香が美空に話し掛ける。
「こうやってステップしながら歌うと楽しいね」
「私はステップしようと考えると歌詞を忘れちゃう。佑香ちゃんすごいな。自然とできるようになるまで練習しないとだね」
間奏が終わり、二番が始まる。そのままステップを続けながら歌う二人。
すると、二人の後ろの方から、別の声が聞こえてくる。
「遠くてもー 手を伸ばせばきっと届くー♪」
佑香が左を向くと、そこには歌っている玲の姿があった。伸びやかな声が、透き通るような冷たい風に乗って河川敷に広がっていく。
「「「届けみんなへ 魔法のストーリー♪」」」
歌い終わると、玲の方へ駆け寄っていく佑香と美空。
「すごい! とっても歌上手だったよ、れいちゃん!」
「うん、凄い綺麗な声だった」
「あ、アタシはステップとかしないで、ただ歌ってただけだから……」
二人の賞賛の言葉に、玲が恥ずかしそうに俯いて答える。
「それにしてもいつの間に曲を覚えていたの?」
佑香の疑問に答えたのは紗夜香だった。
「昨日ね、帰り道に成瀬さんが楽譜を貸してほしい、って話しかけてくれたの」
「アタシ、運動苦手だからせめて歌だけでも……」
「プロのアイドルでも、ダンスが苦手でも歌が持ち味、っていう子はたくさんいるわ。成瀬さんの歌はこれが長所と胸を張って言えるだけのものがあるわ」
「あ、ありがとう、ございます……」
紗夜香の言葉に、照れて下を向いてしまう玲。そんな玲に佑香が話し掛ける。
「ねえ、次は玲ちゃんも並んで歌おうよ!」
「え、でもアタシ、ステップとかできない……」
「ステップやらなくても大丈夫だよ、みんなで並んで歌おう!」
「そうだね、三人で並んで歌ったらもっと気持ち良さそう」
佑香の言葉に、美空も同意する。玲は、二人に手を引かれ、ラジカセの前へと向かって行った。
★
練習からの帰り道、校舎へと向かう途中、佑香が口を開く。
「練習楽しかったね! まだ初歩の初歩だけど、アイドルになったみたいだった!」
「うん、私も身体を動かして大きな声を出せて楽しかったな」
「れいちゃんはどうだった?」
話を振られた玲が、少し俯きながら答える。
「……うん。二人と歌えて楽しかった」
その言葉に微笑む佑香と美空。つられて玲も笑顔になる。その顔を見た佑香が話す。
「うん、やっぱりれいちゃんかわいい! 普段はきれいなお姉さん、って感じだけど、笑うととってもかわいいの!」
「え、やだ、そんな……」
「うん、私も玲ちゃんは笑顔が似合うと思うよ」
美空にも追い討ちをかけられ、顔を真っ赤にする玲。
部室に荷物をしまった後、今日の練習は終了ということで解散になった。校門で四人と別れた後、玲は今日一日のアイドル同好会での活動を振り返っていた。
「(みんなと歌うのは凄い楽しかった。あとは、みんなに迷惑をかけないように体力を付けないと)」
色々とこの後の計画を立てる玲。考えながら、もう一つの言葉を思い出す。
「(ん、笑顔、で)」
口角を上げて作り笑いをしてみるが、どう考えても不自然だったのでこれは人目のある場所ではしないことに決めた。
家に着く玲。両親は共に帰りが遅いので、家には誰もいない。
玲は一人ジャージに着替えると、家の前の歩道を走り始めた。
「昔、南女の校舎が建て替えられた時には、建て替え中ここで体育の授業をやったらしいわ」
そんな雑談をしながら、紗夜香がCDラジカセをセットする。
「後ろを通行する人の邪魔になるような大きな音は出せないから、みんなラジカセの近くに寄ってね」
そう紗夜香が話すそばから、競技用自転車に乗った男性が芝生の後ろのサイクリングロードを通り過ぎていった。
「では、ダンス練習をやります。といっても私が先輩達のやっていたのをそのまま真似るだけだけどね」
そう言って音楽を流し始める紗夜香。流れてきたのはアイドルの声が入った曲ではなく、リズムだけが繰り返し流れるものだった。
「おー、ダンスミュージックの定番な感じの四つ打ちですな」
亜紀が曲の感想を言う。四つ打ちとは、四拍子に合わせてドン、ドン、ドン、ドンと低音のバスドラムが四つ叩かれる、リズムから音楽を分類したときの分類の一つである。一、二、三、四と決まったリズムが叩かれるので、ダンスなどの練習によく使われる。
「じゃ最初は基本のステップをやるわね。ツーステップっていう名前なんだけど。こうやって足を右左、左右で動かして。二人も一緒にやってみて」
「はい」
紗夜香の動きを真似て、佑香と美空もステップを踏む。
「二人とも上手よ。じゃ次は腕もつけて。こうやって肘を曲げて、横にステップするときは脇を開いて、ステップが終わったら脇を締めるの」
「わー、さやか先輩本物のアイドルみたいです!」
「私のは先輩の見よう見真似だから。今度ちゃんと本やDVDを買って教えられるようにしてくるわね」
最初は紗夜香を見ながら練習していたが、紗夜香は手本で踊り続けるだけの体力はないということで、途中から二人と向かい合って手拍子を叩くようになる。
「なんかアイドルの練習っぽくて楽しいね、みそらちゃん」
「うん、アイドルらしいのがどういうのかは良くわからないけど、リズムに合わせて身体を動かすのは気持ち良いね」
元々が体育会系で体力のある佑香と美空は、時々話しながら軽快にステップをこなしていく。
「二人とも上手よ。佑香ちゃんはライマス見てるからかな、細かい動きが可愛らしいし、美空ちゃんは動きが綺麗で躍動感があるわ」
「ありがとうございます」
そんな二人の動きを、玲は亜紀と一緒に芝生に座りながら見ていた。
「(二人とも今日が初めてって言ってたのにあんなに上手にダンスができている。やっぱり自分が加わっても足を引っ張るだけじゃ……)」
ランニングの後に冷たい風を浴びて体が凍える玲の、心までもが凍えていった。
★
「じゃ一回休憩を入れるわね。休憩後は歌の練習をしましょう」
「そっか、外だと大きな声出して歌ってもいいんですね」
紗夜香の言葉に、佑香が亜紀からスポーツドリンクを受け取りながら目を輝かせる。
紗夜香は佑香へ笑って頷くと、そっと玲の下へと近寄り、耳元でささやく。
「どこからでも参加していいからね」
えっ、と顔を上げる玲に対しウィンクをする紗夜香。そのまま、ラジカセのCDを、ダンス練用のものから実際の歌のCDに入れ替える。ラジカセから、昨日部室で練習した『CANDY☆CANDY☆STORY』が流れ始める。
「「小さなキャンディ~ ポケットいっぱいに~詰め込んで~♪」」
佑香と美空が声を揃えて歌う。最初は直立不動で歌っていた二人だったが、サビの部分から自然と佑香がさきほどまでやっていた基本ステップで身体を揺らしながら歌うようになる。それを見た美空が、一緒にステップを踏みながら歌うようにする。
一番が終わって間奏に入ったところで佑香が美空に話し掛ける。
「こうやってステップしながら歌うと楽しいね」
「私はステップしようと考えると歌詞を忘れちゃう。佑香ちゃんすごいな。自然とできるようになるまで練習しないとだね」
間奏が終わり、二番が始まる。そのままステップを続けながら歌う二人。
すると、二人の後ろの方から、別の声が聞こえてくる。
「遠くてもー 手を伸ばせばきっと届くー♪」
佑香が左を向くと、そこには歌っている玲の姿があった。伸びやかな声が、透き通るような冷たい風に乗って河川敷に広がっていく。
「「「届けみんなへ 魔法のストーリー♪」」」
歌い終わると、玲の方へ駆け寄っていく佑香と美空。
「すごい! とっても歌上手だったよ、れいちゃん!」
「うん、凄い綺麗な声だった」
「あ、アタシはステップとかしないで、ただ歌ってただけだから……」
二人の賞賛の言葉に、玲が恥ずかしそうに俯いて答える。
「それにしてもいつの間に曲を覚えていたの?」
佑香の疑問に答えたのは紗夜香だった。
「昨日ね、帰り道に成瀬さんが楽譜を貸してほしい、って話しかけてくれたの」
「アタシ、運動苦手だからせめて歌だけでも……」
「プロのアイドルでも、ダンスが苦手でも歌が持ち味、っていう子はたくさんいるわ。成瀬さんの歌はこれが長所と胸を張って言えるだけのものがあるわ」
「あ、ありがとう、ございます……」
紗夜香の言葉に、照れて下を向いてしまう玲。そんな玲に佑香が話し掛ける。
「ねえ、次は玲ちゃんも並んで歌おうよ!」
「え、でもアタシ、ステップとかできない……」
「ステップやらなくても大丈夫だよ、みんなで並んで歌おう!」
「そうだね、三人で並んで歌ったらもっと気持ち良さそう」
佑香の言葉に、美空も同意する。玲は、二人に手を引かれ、ラジカセの前へと向かって行った。
★
練習からの帰り道、校舎へと向かう途中、佑香が口を開く。
「練習楽しかったね! まだ初歩の初歩だけど、アイドルになったみたいだった!」
「うん、私も身体を動かして大きな声を出せて楽しかったな」
「れいちゃんはどうだった?」
話を振られた玲が、少し俯きながら答える。
「……うん。二人と歌えて楽しかった」
その言葉に微笑む佑香と美空。つられて玲も笑顔になる。その顔を見た佑香が話す。
「うん、やっぱりれいちゃんかわいい! 普段はきれいなお姉さん、って感じだけど、笑うととってもかわいいの!」
「え、やだ、そんな……」
「うん、私も玲ちゃんは笑顔が似合うと思うよ」
美空にも追い討ちをかけられ、顔を真っ赤にする玲。
部室に荷物をしまった後、今日の練習は終了ということで解散になった。校門で四人と別れた後、玲は今日一日のアイドル同好会での活動を振り返っていた。
「(みんなと歌うのは凄い楽しかった。あとは、みんなに迷惑をかけないように体力を付けないと)」
色々とこの後の計画を立てる玲。考えながら、もう一つの言葉を思い出す。
「(ん、笑顔、で)」
口角を上げて作り笑いをしてみるが、どう考えても不自然だったのでこれは人目のある場所ではしないことに決めた。
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