誰かのヒーローになりたい俺の第一歩

よーじろー

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第四章

第四十三話

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 話を聞いた俺は言葉を発することが出来なかった。
 同時に後悔した。
 そんなことがあることなど露知らず、俺はあかりに酷いことをしてしまった。
 あかりがどんな気持ちで朱雀と一緒にいるかを考えることもせず、無神経なことを言ってしまった。
 そんな思いが俺の中を巡り充満する。
 あかりは最愛の父親がいなくなった。
 俺も父親を失っておりあかりが助けてくれなくては母親も危なかった。
 親を失うことがどれだけ辛いことなのか、あかりも俺もよく知っている。
 だからこそ自分のせいで朱雀から母親を奪ってしまったとあかりは強い自責の念に囚われている。
 それを一生背負う覚悟をして朱雀の奴隷となる道を行こうとしている。
 それは自明の理だった。
 百歩譲ってその選択をすることは仕方のないことなのかもしれない。
 しかし、それはあかりが自分を殺していい理由にはならない。
 不幸になっていい理由には絶対にならない。
 いや、してはならないのだ。

「真冬さん、ありがとうございました」
「どういたしまして」

 真冬が開いていたノートパソコンを閉じる。

「で、これからどっすんの?」

 座っていた椅子を器用に回転させこちらを向く。椅子の背に顎をつけ不適に微笑むその姿に少しドキッとしてしまったのは内緒である。

「あかりさんと朱雀さんのことについて、俺なりにもう少し調べようと思います」
「ふーん。なるなる」

 興味なさそうにポケットから出したチュッパチャップスを舐める。あかりもそうだが、普段の姿を見ているとこの人が俺よりも三つも年上であるとは到底思えない。

「それ、僕が教えてあげよっか?」

 白い棒をくるくると回転させながら言う。
 正直、願ってもない申し出である。おそらく真冬であれば大抵のことは把握しているだろう。素人である俺が下手に調べるより余程効率は良い。

「ありがとうございます」

 今一度、真冬に礼を言い、言葉を継ぐ。

「でも、ここから先は自分で調べて知らないといけないと思うんです。自分でもよく分からないんですが……そうしないと、本当の意味で明楽さんの力になれないような、そんな気がするんです」

 俺の本心だった。

「……そっか」

 真冬が両の口角を上げる。

「うんうん。それがいいかもね。起こった事は教えてあげれても、その人たちの気持ちまで教えることは出来ないからね」

 そう言いくるくると椅子を回転させる。俺であれば一発で目が回りそうな速度だが、真冬はその中でも笑顔を絶やさない。

「じゃ、頑張って」

 真冬がデスクトップのパソコンに向かう。
 感情の籠っていないその言葉が妙に心地よかった。
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