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第四章
第四十四話
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それからというもの俺はあかりと朱雀について調べた。
事件が起きる前後のあかりと朱雀の関係性。
そこにあかりを救い出す鍵が眠っていることは間違いない。
そう思い、あかりと朱雀が通っていた高校と大学の同級生、二人がよく行っていたという喫茶店のマスター、バイト先の店長など、色々なところに行き話を聞いた。
『あの二人ね、すごい仲良しだったよな』
『そうね、気兼ねしないって言うのかな。言いたいことは言ってたみたいだし、本当にお互いを信頼してるのね』
『もしあれが男と女だったらああいうのを理想の夫婦って言うんだろうよ、きっと』
誰に何を聞いても返ってくる言葉は、二人は仲が良いということを裏付けるような話ばかりで、俺が懸念しているようなことは一つも出てこない。
――もしかしたら全て俺の勘違いで、本当はそんなしがらみなどなく信頼し合っているのかもしれない。
その思いが俺の心を徐々に侵食してくる。
「いやー、うーん、それはどうだろうね」
しかし、そんな中、一人苦言を呈す人がいた。
それはあかりと朱雀の大学のゼミで一緒だった友人だった。
「……どういうことですか?」
「その前に、あっ、すみませーん」
男が手を挙げ店員を呼ぶ。
「このランチセット、ご飯大盛で。あと単品でカレーライスとミックスサンド。それとアイスコーヒーとプリンパフェを一つ。あ、パフェは食後ね。神田君は何にする?」
聞かれてメニューに目を通す。
「……ブレンドをお願いします」
店員は、かしこまりました、と少し怪訝な表情を浮かべ厨房へ注文を伝える。
「いやー、ごめんね。ご馳走になっちゃって」
「いえいえ。大丈夫ですよ。でも……もう少しなかったですかね?」
そう言って俺は辺りを見回すと、周りの客がちらちらとこちらに視線を送る。
そして、目が合うとあからさまに目を逸らされる。
明らかに場違いな二人に送る視線は不審者を見る目そのものであった。
「いやー、ここ一回来てみたかったんだよね。でも足が重くてさ、いやー、ありがとね」
男が屈託のない笑顔を見せる。
この人は本当に何も感じてないのかもしれない。
実に幸せな人である。
俺は今その友人、片岡貢という男と表参道のカフェに来ていた。
平日の昼下がりのお洒落なカフェにいる客といえば時間を持て余したマダム達とパソコン片手に作業をしているビジネスマンくらいしかいない。
そのため、男二人でいる俺たちが目立つのも無理はない。
それだけであればまだ耐えられた。
俺が耐えられない理由は片岡の容姿である。
伸びに伸びた髪を後ろで束ね、血色の悪い肌にこけた頬、口の周りにたっぷりの髭を生やし、背中は見事に丸まっている。
お世辞にも清潔とは言えないような風体をしており、一歩間違えればホームレスと言われそうなほどである。
心なし酸っぱい匂いがしなくもない。
これで浮かない社会であればそっちの方がどうかしている。
今も店員がちらちらとこちらの様子を伺っている。
何もしていないのになぜか罪を犯してしまったかのような気持ちになるのは俺だけじゃないだろう。
そして、話す前に付けられる口癖が気になって仕方ない。
何だろうか。
これを言わないと死んでしまう呪いか何かでもかけられているのだろうか。
まあ、いずれにせよ、出来ることならばもう二度と関わりたくない人種であることは間違いない。
事件が起きる前後のあかりと朱雀の関係性。
そこにあかりを救い出す鍵が眠っていることは間違いない。
そう思い、あかりと朱雀が通っていた高校と大学の同級生、二人がよく行っていたという喫茶店のマスター、バイト先の店長など、色々なところに行き話を聞いた。
『あの二人ね、すごい仲良しだったよな』
『そうね、気兼ねしないって言うのかな。言いたいことは言ってたみたいだし、本当にお互いを信頼してるのね』
『もしあれが男と女だったらああいうのを理想の夫婦って言うんだろうよ、きっと』
誰に何を聞いても返ってくる言葉は、二人は仲が良いということを裏付けるような話ばかりで、俺が懸念しているようなことは一つも出てこない。
――もしかしたら全て俺の勘違いで、本当はそんなしがらみなどなく信頼し合っているのかもしれない。
その思いが俺の心を徐々に侵食してくる。
「いやー、うーん、それはどうだろうね」
しかし、そんな中、一人苦言を呈す人がいた。
それはあかりと朱雀の大学のゼミで一緒だった友人だった。
「……どういうことですか?」
「その前に、あっ、すみませーん」
男が手を挙げ店員を呼ぶ。
「このランチセット、ご飯大盛で。あと単品でカレーライスとミックスサンド。それとアイスコーヒーとプリンパフェを一つ。あ、パフェは食後ね。神田君は何にする?」
聞かれてメニューに目を通す。
「……ブレンドをお願いします」
店員は、かしこまりました、と少し怪訝な表情を浮かべ厨房へ注文を伝える。
「いやー、ごめんね。ご馳走になっちゃって」
「いえいえ。大丈夫ですよ。でも……もう少しなかったですかね?」
そう言って俺は辺りを見回すと、周りの客がちらちらとこちらに視線を送る。
そして、目が合うとあからさまに目を逸らされる。
明らかに場違いな二人に送る視線は不審者を見る目そのものであった。
「いやー、ここ一回来てみたかったんだよね。でも足が重くてさ、いやー、ありがとね」
男が屈託のない笑顔を見せる。
この人は本当に何も感じてないのかもしれない。
実に幸せな人である。
俺は今その友人、片岡貢という男と表参道のカフェに来ていた。
平日の昼下がりのお洒落なカフェにいる客といえば時間を持て余したマダム達とパソコン片手に作業をしているビジネスマンくらいしかいない。
そのため、男二人でいる俺たちが目立つのも無理はない。
それだけであればまだ耐えられた。
俺が耐えられない理由は片岡の容姿である。
伸びに伸びた髪を後ろで束ね、血色の悪い肌にこけた頬、口の周りにたっぷりの髭を生やし、背中は見事に丸まっている。
お世辞にも清潔とは言えないような風体をしており、一歩間違えればホームレスと言われそうなほどである。
心なし酸っぱい匂いがしなくもない。
これで浮かない社会であればそっちの方がどうかしている。
今も店員がちらちらとこちらの様子を伺っている。
何もしていないのになぜか罪を犯してしまったかのような気持ちになるのは俺だけじゃないだろう。
そして、話す前に付けられる口癖が気になって仕方ない。
何だろうか。
これを言わないと死んでしまう呪いか何かでもかけられているのだろうか。
まあ、いずれにせよ、出来ることならばもう二度と関わりたくない人種であることは間違いない。
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