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第3話 新しい世界への入り口
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今野大介は雲ひとつない晴天の青空を眺めながら考えていた。
(どうやってこの場を切り抜けようかな……)
いつもと変わらず朝7時に起き、いつもと変わらず8chの朝のニュース番組の占いをみてからいつもと変わらず8時10分に家を出た。
しかし目の前には訳のわからない事を言っている女の子がいて、足元には色の変わるおかしな本がある。
めんどくさいそう....
彼の本能が告げている。絶対に関わらないほうがいいと。
普段の生活から外れて良い結果になった事など彼の人生では無かった。
大介は目の前にいる少女に視点を戻した。
真っ赤な長い髪を両サイドで結んだ人形のような顔立ちの少女。
身につけている服は、袖の中途半端な黒いカーディガンのようなものと黒いスカート。
150センチ程の小柄な女の子は少し微笑みながら先程からずっとこちらをみている。
大介はしばらく悩んだあと、足元の黒くなった本を拾い上げ少女の横を無言で通り抜けることにした。
きっと自分は暑さでまいってるだけで、
周りから見れば1人立ち尽くす不思議な少年なんだ
とりあえずクーラーのきいたあの本屋でゆっくり休もう
そんなことを考えながら歩き出す
すれ違う間際に少女の声がかすかに聞こえた。
「逃げられないよ。」
その言葉で全身の毛穴から汗が吹き出す。気づいたら走り出していた、登りきる頃には肩で大きく呼吸をしながら1度後ろを振り返ってみる。
しかし先程まで少女がいた坂の中腹付近にはもはや誰の人影もなくなっていた。
忘れよう。嫌なことは忘れよう。
気持ちを切り替え歩き出そうとすると、右足首に何かがまとわりつく感触が伝わる。
下をみてみると先程の赤髪の女の子が大介の影の中から上半身をだし、左手で足首を掴んでいた。
「え!!」
驚きの声をあげると同時に、大介は自分の影の中へと引きずり込まれてしまった。
(どうやってこの場を切り抜けようかな……)
いつもと変わらず朝7時に起き、いつもと変わらず8chの朝のニュース番組の占いをみてからいつもと変わらず8時10分に家を出た。
しかし目の前には訳のわからない事を言っている女の子がいて、足元には色の変わるおかしな本がある。
めんどくさいそう....
彼の本能が告げている。絶対に関わらないほうがいいと。
普段の生活から外れて良い結果になった事など彼の人生では無かった。
大介は目の前にいる少女に視点を戻した。
真っ赤な長い髪を両サイドで結んだ人形のような顔立ちの少女。
身につけている服は、袖の中途半端な黒いカーディガンのようなものと黒いスカート。
150センチ程の小柄な女の子は少し微笑みながら先程からずっとこちらをみている。
大介はしばらく悩んだあと、足元の黒くなった本を拾い上げ少女の横を無言で通り抜けることにした。
きっと自分は暑さでまいってるだけで、
周りから見れば1人立ち尽くす不思議な少年なんだ
とりあえずクーラーのきいたあの本屋でゆっくり休もう
そんなことを考えながら歩き出す
すれ違う間際に少女の声がかすかに聞こえた。
「逃げられないよ。」
その言葉で全身の毛穴から汗が吹き出す。気づいたら走り出していた、登りきる頃には肩で大きく呼吸をしながら1度後ろを振り返ってみる。
しかし先程まで少女がいた坂の中腹付近にはもはや誰の人影もなくなっていた。
忘れよう。嫌なことは忘れよう。
気持ちを切り替え歩き出そうとすると、右足首に何かがまとわりつく感触が伝わる。
下をみてみると先程の赤髪の女の子が大介の影の中から上半身をだし、左手で足首を掴んでいた。
「え!!」
驚きの声をあげると同時に、大介は自分の影の中へと引きずり込まれてしまった。
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