家族まるごと異世界に飛ばされた僕達のブログ

あまり理解できない言葉

ケンはまず、研究室のメンバーを紹介してくれました。

「フェステバル、ミンナヲショウカイスルヨ」とケンは言いながら向かいの部屋に私を連れていきました。

フェスティバルってなんの祭りだろうと思いながらついて行きましたが、祭りではありませんでした。
後でヒアリング力が上がってきて気がついたのですが、ケンがフェスティバルと言っているように聞こえていたのはファストオブオール(最初に)の聞き間違いでした。

隣の部屋にいた研究員のパットはメガネを掛けていて、知的な雰囲気がする五十代前半の女性でした。
パットはケンの奥さんで、ネズミを使って筋肉の研究を行っていました。
その日も机の上に白いネズミが三匹いました。パットは尻尾を掴んでゲージから取り出して見せてくれました。私は恐る恐るその光景を見ていましたが、ネズミは噛み付くことは無く臆病な性格をしていました。

その部屋の窓からは人工芝でできた大きなスタジアムの一角が見えました。
アメリカンフットボールのような競技が月に一度位開催されるそうです。この部屋からは無料で観戦が出来るそうです。

ケンの研究室には白人の女学生が一人いました。クレアと言って金髪で美しい女の子でした。彼女はスキーが得意で、この世界ではちょっとした腕前らしいです。

結局、ケンの研究室にはたった二人しかいませんでした。新しくきた私を入れて三人です。

それから、ケンの部屋に行って私のこの世界での生活について色々な条件を聞かされました。

まずは一週間は近くのホテルに泊まることが出来て、その間に自分で住む家を探さなければならない。お金はドルのような通貨で二週間に一度2000ドル位貰える。ここで行うミッションについては生活が落ち着いてから話そう。
という事を説明してくれたが、これは本当かどうかは定かではない。

何しろ私は英語が苦手な訳であるから、ケンの言うことの三割位しか理解出来ていないのです。ましてやこちらの意見なんて述べることもできません。結局最後までウンウンと頷くことしか出来ませんでした。

それからホテルの住所を教えて貰って直ぐに寝てしまいました。
実は私は異世界に着いたばかりで本当に精神的にも肉体的にも疲れはててクタクタでした。

それからしばらくして空腹で目を覚ましのは夜中の三時でした。