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保健室で
しおりを挟む入学式の最中に倒れて動けなくなった。先生達に運ばれて保健室に連れて来られ俺は、誰よりも先に保健室の場所を知った。
ルイはついて行くと言っていたが先生に止められていた。
俺はいつもポケットに入れている薬を口にしてゆっくりと目を閉じた。
ルイ心配してるかな…
そんな事を思いながら眠りに落ちて、目を覚ますと不思議な感覚だった。
何時間寝たのか、目を閉じて瞬きするように開けただけなのかすぐには分からなかった。
フッカフカの掛け布団に見慣れない天井一瞬自分がどこにいるのか今が何時なのかさえわからなくなった。
けど窓から刺す日差しがオレンジ色がかっているのを見て時間だけは何時か大体わかった。
あまりの気持ちの良さに現実ではないかと思ったが窓と逆側に目をやると見慣れたショートカットの女の子が教室の机で寝ているように突っ伏して眠っていた。
それを見て現実だと気づきとても安心した。
無意識に口元が緩み寝ているルイの頭を撫でようとしたらガラガラと音をたて白衣ではなくピンク色のナース服のような服を着た若い先生が入ってきた。
この人が保健室の先生なんだと悟った。
俺はそれを見て慌てて撫でようとしていた手を引っ込めた。
「あら!お邪魔だったかしら?」
保健室の先生は、戯けて聞いてきた。
「そ、そ、そんなんじゃ…」
ムキになって先生に反論しようとした俺の声が大きかったのかルイが起きてしまった。
「おはよう…アキ…
…アキ!大丈夫?」
ルイが俺の横でどれくらい寝てたかわかるくらいに顔に赤い跡が付いていた。
「ルイよだれ。」
思っている事と口から出る言葉はいつも違っていじわるを言ってしまう。
それを聞いたルイは恥ずかしそうに顔を赤らめ袖急いで口元を拭いた。
「これで綺麗でしょ!」
そう言ってニコって笑うルイは保健室に射し込む陽射しのように明るく暖かかった。
「その袖汚いだろ!女の子ならハンカチくらい持てよ!」また口から。
「はいはい!もう大丈夫なんでしょ?アキ帰ろ!」けどルイはそんな事も気にしず俺の事を心配してくれて手を伸ばしてくれた。
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