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結
殿の戯言
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「此度のことでは、宮井にも随分世話になったな」
吉宗が雑司ヶ谷の杢右衛門宅を訪れていた。むろん、お忍びである。
「いえ、むしろ私ども鷹役人の気の緩みが、あのような不正を招いたのでございまする」
杢右衛門は深く頭を下げた。
「いや、それは若年寄の責務じゃ。お主ら紀伊の鷹匠どもはよくやってくれた。だが、わしが詫びたいのは、宗次郎のことだ」
はて、何のことだろう――と、杢右衛門は不思議に思った。
名古屋城にて通温が蟄居の身となったという報告があったのは水無月も終わりに近づいた頃だった。
その後、しばらくは宗次郎の顔を見る暇もなかったのだが、夏が往く頃には、宗次郎は新たな不正の種を追っていた。
あの一連の事件を始末した後、交々の迷いをすっぱりと断ち切ったようで、今や宗次郎は将軍の手足となり、隠密として素晴らしい働きをしていると、御広敷伊賀者頭の川村から聞かされていた。
しかし宗次郎の成長の陰に何があったのかについて、川村も村垣もわかってはいない。だが、殿自ら、宗次郎のことで杢右衛門に詫びるようなことなど、何も思いつかない。むしろ、宗次郎をうまく使ってくれていることを誇りに思うくらいである。
どう答えて良いものか思案する杢右衛門に対し、吉宗はさもありなんと言いたげな、ややもすれば、ばつの悪そうな表情にも見えかねない顔の口元を、半分広げた扇子で隠した。
「昔……交代で和歌山に帰った時、それこそ二十年も前のことじゃ」
突然、吉宗が昔話を始めた。扇子の陰から顔を上げ、思い出を共有しようと同意を求める。
「ほれ、わしが粉河の屋敷に泊って鷹狩に出ようとした折に、お主が『空が崩れる』とか言うて、止めさせようとしたこと、憶えておるかえ?」
「はて……」
どうせ止めたとて、この殿様が鷹狩を中止したことなどなかったように思うが……と、昔の記憶を引っ張り出そうとしたが、杢右衛門はどうにも思い出せそうになかった。
「しっかりお主の言うた通りになってのう、お鷹狩はとりやめ。むしゃくしゃしたわしは、市場村まで出かけたのじゃ」
市場村は紀ノ川沿いの宿場町である。
「また、何のために」
殿が自分たちの目を盗んで出掛けたことすら、気付いていなかった。だが、これもまた珍しいことではない。
「気を晴らすためじゃ」
当然じゃ、とでも言うように鼻で嗤われた。
「その時、村の旅籠で、若い飯売女(宿場女郎)と出逢ってのう、明くる日もまた次の日も、雨を良いことに、その娘に会いに行ったのじゃ。淡い色の目の儚げな見目であったが、気は強く賢い娘だった」
懐かしそうに目を細め、障子の外を見ている。庭の緑を眺めながらつぶやく。
「ついぞ忘れていたが、あの目の色……宗次郎はあの娘に瓜二つだ」
杢右衛門が息を呑む。これが殿の戯言でないとすれば、宗次郎は……!
粉河寺の門前に捨てられたという十吉。赤子を包んでいたという産着は、捨て子にはあまりにも豪奢な生地であったと、育ての在郷餌差から聞いていた。
沈黙が流れた。
口にする言葉を少しばかり逡巡した後、杢右衛門はきっぱりと申し上げ、頭を下げた。
「もう、確かめようのないことでございます。殿の胸の内にだけ、お納めくだされ」
◇◇
昼下がり。
宗次郎は独り、冷めた茶を片手に、とらやの縁台から鬼子母神参りに向かう人々を見ていた。
「暑いでしょ。影に入ればいいのに」
おふみが宗次郎の隣に団子を置いた。
「いいんだ。ここの眺めが好きだから」
おふみが少し離れて、同じように腰を下ろす。
「それにしても、斎藤さんったら、どうしたんだろ。全然顔を見せてくれなくなったね」
おふみは半平太が死んだことを知らない。
梅雨が過ぎ、夏が往き、残暑の候になっても顔を見せない半平太を、おふみはひっそりと待っていた。
「やっぱり、からかわれてたのかな」
少し唇を尖らせて、泣きそうな顔で首を傾けた。
茶屋の娘を嫁にするだなんて戯言を、誰も信じていなかっただろうが、おふみも半平太もそれなりに本気で考えていたのだ。
だから半平太は金が欲しかった。上司が薦めた女ではなく、自分が選んだ娘を嫁にするために。そのために、頭の言いなりにもなったのだと、宗次郎にはわかっていた。
「半平太さんは別の役に変わってしまったのですよ。少しずつ餌差役は町人に任せる方向で進んでいますから」
「そうなの?」
「ええ。幕臣ってのは、色々としがらみだらけですからね。仕方ないんです。もう、こちらには来れないかもしれないと言っていました」
ずっと嘘を吐き続けようと思う。おふみのために。半平太のためにも。
「そっか、そうだよね。お武家さんだもんね、仕方ないよね」
自分に納得させるように、おふみは何度もうんうんと、肯く。
これほど器量も良く、気立ての良い娘だから、きっとすぐに良い縁に巡り合うに違いない。今は寂しいかもしれないけれど。
空を見上げると、若い燕が数羽、競い合うように泳いでいた。季節が変わり空が高くなるころ、彼らは海の向こうへと旅に出る。
「おーい、宗次郎!」
聞き覚えのある声に目を向けると、笠を脇に抱えた求馬が駆けて来る。
たった一人で供侍も連れず、相変わらず彼は自由だ。
宗次郎はそれに応えるように、大きく手を振った。
この三年後の享保七年。
公儀餌差という役は廃止となった。将軍の御鷹のための餌鳥は、全て、町方の鳥問屋が調達を担うようになったのである。
将軍だけの公儀餌差――隠密殺生人だけが、その後も密かに暗躍したという。
*了*
吉宗が雑司ヶ谷の杢右衛門宅を訪れていた。むろん、お忍びである。
「いえ、むしろ私ども鷹役人の気の緩みが、あのような不正を招いたのでございまする」
杢右衛門は深く頭を下げた。
「いや、それは若年寄の責務じゃ。お主ら紀伊の鷹匠どもはよくやってくれた。だが、わしが詫びたいのは、宗次郎のことだ」
はて、何のことだろう――と、杢右衛門は不思議に思った。
名古屋城にて通温が蟄居の身となったという報告があったのは水無月も終わりに近づいた頃だった。
その後、しばらくは宗次郎の顔を見る暇もなかったのだが、夏が往く頃には、宗次郎は新たな不正の種を追っていた。
あの一連の事件を始末した後、交々の迷いをすっぱりと断ち切ったようで、今や宗次郎は将軍の手足となり、隠密として素晴らしい働きをしていると、御広敷伊賀者頭の川村から聞かされていた。
しかし宗次郎の成長の陰に何があったのかについて、川村も村垣もわかってはいない。だが、殿自ら、宗次郎のことで杢右衛門に詫びるようなことなど、何も思いつかない。むしろ、宗次郎をうまく使ってくれていることを誇りに思うくらいである。
どう答えて良いものか思案する杢右衛門に対し、吉宗はさもありなんと言いたげな、ややもすれば、ばつの悪そうな表情にも見えかねない顔の口元を、半分広げた扇子で隠した。
「昔……交代で和歌山に帰った時、それこそ二十年も前のことじゃ」
突然、吉宗が昔話を始めた。扇子の陰から顔を上げ、思い出を共有しようと同意を求める。
「ほれ、わしが粉河の屋敷に泊って鷹狩に出ようとした折に、お主が『空が崩れる』とか言うて、止めさせようとしたこと、憶えておるかえ?」
「はて……」
どうせ止めたとて、この殿様が鷹狩を中止したことなどなかったように思うが……と、昔の記憶を引っ張り出そうとしたが、杢右衛門はどうにも思い出せそうになかった。
「しっかりお主の言うた通りになってのう、お鷹狩はとりやめ。むしゃくしゃしたわしは、市場村まで出かけたのじゃ」
市場村は紀ノ川沿いの宿場町である。
「また、何のために」
殿が自分たちの目を盗んで出掛けたことすら、気付いていなかった。だが、これもまた珍しいことではない。
「気を晴らすためじゃ」
当然じゃ、とでも言うように鼻で嗤われた。
「その時、村の旅籠で、若い飯売女(宿場女郎)と出逢ってのう、明くる日もまた次の日も、雨を良いことに、その娘に会いに行ったのじゃ。淡い色の目の儚げな見目であったが、気は強く賢い娘だった」
懐かしそうに目を細め、障子の外を見ている。庭の緑を眺めながらつぶやく。
「ついぞ忘れていたが、あの目の色……宗次郎はあの娘に瓜二つだ」
杢右衛門が息を呑む。これが殿の戯言でないとすれば、宗次郎は……!
粉河寺の門前に捨てられたという十吉。赤子を包んでいたという産着は、捨て子にはあまりにも豪奢な生地であったと、育ての在郷餌差から聞いていた。
沈黙が流れた。
口にする言葉を少しばかり逡巡した後、杢右衛門はきっぱりと申し上げ、頭を下げた。
「もう、確かめようのないことでございます。殿の胸の内にだけ、お納めくだされ」
◇◇
昼下がり。
宗次郎は独り、冷めた茶を片手に、とらやの縁台から鬼子母神参りに向かう人々を見ていた。
「暑いでしょ。影に入ればいいのに」
おふみが宗次郎の隣に団子を置いた。
「いいんだ。ここの眺めが好きだから」
おふみが少し離れて、同じように腰を下ろす。
「それにしても、斎藤さんったら、どうしたんだろ。全然顔を見せてくれなくなったね」
おふみは半平太が死んだことを知らない。
梅雨が過ぎ、夏が往き、残暑の候になっても顔を見せない半平太を、おふみはひっそりと待っていた。
「やっぱり、からかわれてたのかな」
少し唇を尖らせて、泣きそうな顔で首を傾けた。
茶屋の娘を嫁にするだなんて戯言を、誰も信じていなかっただろうが、おふみも半平太もそれなりに本気で考えていたのだ。
だから半平太は金が欲しかった。上司が薦めた女ではなく、自分が選んだ娘を嫁にするために。そのために、頭の言いなりにもなったのだと、宗次郎にはわかっていた。
「半平太さんは別の役に変わってしまったのですよ。少しずつ餌差役は町人に任せる方向で進んでいますから」
「そうなの?」
「ええ。幕臣ってのは、色々としがらみだらけですからね。仕方ないんです。もう、こちらには来れないかもしれないと言っていました」
ずっと嘘を吐き続けようと思う。おふみのために。半平太のためにも。
「そっか、そうだよね。お武家さんだもんね、仕方ないよね」
自分に納得させるように、おふみは何度もうんうんと、肯く。
これほど器量も良く、気立ての良い娘だから、きっとすぐに良い縁に巡り合うに違いない。今は寂しいかもしれないけれど。
空を見上げると、若い燕が数羽、競い合うように泳いでいた。季節が変わり空が高くなるころ、彼らは海の向こうへと旅に出る。
「おーい、宗次郎!」
聞き覚えのある声に目を向けると、笠を脇に抱えた求馬が駆けて来る。
たった一人で供侍も連れず、相変わらず彼は自由だ。
宗次郎はそれに応えるように、大きく手を振った。
この三年後の享保七年。
公儀餌差という役は廃止となった。将軍の御鷹のための餌鳥は、全て、町方の鳥問屋が調達を担うようになったのである。
将軍だけの公儀餌差――隠密殺生人だけが、その後も密かに暗躍したという。
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