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動機と証拠
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式はチョークを置き、遠野に近づく。
「さて、残るは水瀬さんの殺害動機ですが……」
「そこが気になっています。どうして水瀬さんはこのような殺人事件を起こしたのでしょうか」
「動機については正直想像の域を出なかった。でも隼人さんにいろいろ調べてもらった結果、彼女の自宅から遺書らしきものが見つかったらしい」
式は隼人から水瀬の遺書を受け取った。
「それに水瀬さんの過去についても調べてもらいました。彼女は小中学校と友達が出来なくて、学校にもほとんど通っていませんでした。いじめられていたこともあったとか。遺書にもそのようなことが書かれています」
「そんなことが……」
「彼女に配慮して遺書の内容を全て読み上げることはしませんが、要約すると小中学校で友達が出来なかった彼女が、初めて本当の友人と言える存在を手に入れることができたのが、あの7人のグループだったんです」
「……確かに、あの子はそんなことを言っていたわね」
大きく息を一つついて、遠野はぼそぼそと語りだした。
「遠野さん、あなたは殺害してしまう前の水瀬さんの心情や言葉を聞いているはずです。彼女は一体何を言ってたんですか?」
「……君の言う通り、私は聖奈がゲームを使って健二を呼び出して殺害したんじゃないかと思って、彼女を吹奏楽部の部室に呼び出したの。私の考えが間違っていればそれでいいと思いながら。でも彼女から出た言葉は肯定だった」
遠野は当時の状況を思い出しながら語る。
『聖奈、もしかしてだけどあなたが健二をやったんじゃないの? ゲームを使えば、証拠も残さずに呼び出せるでしょ』
『……へえ、よくわかったね菜々美ちゃん。貴子ちゃんは流石ミス研って思ったけど、まさか菜々美ちゃんにまで気づかれるなんて。案外わかりやすいのかなあ』
水瀬は不敵な笑みを浮かべていた。
『せ、聖奈。なんでこんなことを……』
『ねえ菜々美ちゃん。私は小学校も中学校もろくに通ってなかったんだ。もちろん内申点も散々だから、このままだと高校に進学することもできないって状況だった。でもこの明戸高校は、そんな私を迎え入れてくれた』
淡々と語る水瀬の表情は読めない。
『それでも私は高校で友達が出来るか心配だった。そんなときに声を掛けてくれたのが井田くんだった。私の暗かった学生生活を大きく変えてくれた彼には本当に感謝しているんだ。だから一番最初に殺害したの』
『意味がわかんないよ。なんで感謝してるのに殺すの!』
『私のことを忘れてほしくないからだよ』
当然だ、と言わんばかりに水瀬が答える。
『え……?』
『このまま学校を卒業したら、皆離れ離れになっちゃうでしょ。そして新しい環境で新しい友人たちと知り合っていく。でも私は大学で新しい友達ができる自信なんてない。だって自分から友達を作ったことがないんだもん。でも皆は明るくて性格もいいから、すぐに友達が出来るよね。そしたら私また一人ぼっちになっちゃう』
『な、何を言ってるの……?』
『新しい環境で友人ができたら、皆私のことなんて忘れちゃうでしょ。私なんて大して良さもない普通の人間だから。せっかく友達が出来たのに、また一人ぼっちになりたくない。だから殺すの』
『そ、それが何で殺す理由に……』
『だって殺される瞬間って、殺してくる相手のことしか頭になくなるでしょ。死ぬ瞬間に私のことを想ってもらうんだから、永遠に忘れることなく逝けるんだよ』
ぶつぶつと語りながら水瀬は手に持っているナイフを見せつける。
『井田くんも貴子ちゃんも私のことを想いながら死んでいった。次は菜々美ちゃんだよ。二人とも思い出の場所で殺してあげたけど、菜々美ちゃんはここで殺してあげるね。大丈夫、後で剣道場に運んであげるよ』
そう言いながら水瀬は襲いかかってきた。
『ちょ、ちょっと待ってよ!』
遠野は持っていた竹刀を取り出し、応戦する。
『こ、こんなことしたって何の意味もないでしょ……』
『それは私が決めることだよ』
水瀬は遠野の説得を気にも留めない。
『なら、私はこのまま殺されたくないから、あんたを止める。私が決めたことだよ』
遠野は竹刀で水瀬のナイフを弾き落とそうとした。しかし水瀬はそれを見てナイフを振り、遠野の竹刀をたたき割る。
『なっ……』
『これで武器もなくなったね。じゃあね菜々美ちゃん。私のことを想って死んでね!』
水瀬は恐ろしい形相で遠野に迫る。遠野はそれを折れた竹刀で受け止めようとしたが、すぐに無理だと悟り振り下ろされるナイフを突きで弾き落とそうとした。
だがそれは不運にも、水瀬のナイフを弾いた後、そのままの勢いで彼女の喉を貫通してしまった。
『がっ……』
『あっ……』
水瀬の首から血があふれ出すのを見て、遠野は自分がやってしまったことを実感する。
『あ、聖奈……』
『う、こ、この傷じゃあ私も死んじゃうね……』
水瀬は自分の死を悟りながらも、冷静にナイフを拾った。
『そ、うだ。菜々美ちゃんにも、私が、感じたものを、感じてもらうよ。私は菜々美ちゃん、のことを想いながら、死んでいくね……』
そう言い残し、水瀬は力なく倒れた。
だが手に持ったナイフはしっかりと握ったまま放さなかった。
『せ、聖奈。うそでしょ、死なないでよ』
遠野は水瀬に駆け寄ったが、彼女が既に息絶えていることは一目見ただけでわかった。
『あ、ああ……』
遠野はひどく狼狽えている。彼女の頭の中は、友人を殺してしまったという事実と、今後自分がどうなってしまうのかなどが入り乱れて混乱していた。
「……聖奈を殺してしまった後は、自分でも恐ろしいと思うくらい必死で後始末をしようと考えていた。聖奈の鞄からフルートを取り出してそれを喉に突き刺し、ミス研に行って貴子の横に遺書を置いたり、他にもいろいろやった。とにかく自分が犯人にならないように証拠を隠滅しようとしていた……」
そう語る遠野の表情からは生気が抜けていた。
「ねえ最後に聞きたいんだけど、もし私が犯行を否定したら、どうしてた?」
「その場合は証拠を提示していました。俺たちが見つけた限り証拠は三つありましたから」
「三つ?」
式は一つ目の証拠を提示した。
「これは榊さんが発見したことなんですが、吉野先輩の横に置かれていた遺書が本日書かれたものだとしたら、それはこの学校で作成されたものだということです。ということはこの学校内のパソコンにログインして作ったもののはず。学校にあるパソコンをくまなく調べた結果、コンピュータ室のパソコンの一つから遠野さんのIDでログインされた後がありました」
式は続けて二つ目の証拠を提示する。
「二つ目は竹刀です。犯行に使われた凶器は折れた竹刀だということはわかっていたので、犯行に使われた竹刀をどう処分するのかを考えた結果、どこかに捨てるか自分で持ったままかが妥当だと思いました。自分で持ったままなら検査をすればいいんですが、問題はどこかに捨てた場合です。それを特定するために警察に頼んでゴミ収集所を調べてもらいましたし、言い逃れをされないためにあらかじめ遠野さんの持っている竹刀の本数をご両親と顧問の先生に聞いておきました。そしたら予備を含めて四本だと言っていました。家の中と部室を調べた結果、竹刀の本数は三本だった。あと一本はどこにやったのか、それを問いただしていましたね」
そして最後の証拠を提示する。
「三つ目はダブルクリップについていたこの紐です。俺が思うに、密室トリックを行う際に糸か何かを使用したかったが、それが見つからなかった。仕方がないから犯人はあるもので代用した。それが紐だったんです。じゃあこの紐が何なのかというと、恐らく靴紐だ。しかも言い逃れがしやすいようにするために、使用したのは体育館シューズのはず。だから体育館シューズを見せてもらえば、そこに紐がついてないか、ついてても千切れた紐がついているはずなんです。それとダブルクリップについていた紐を組み合わせれば、同じものだということが判明します」
「はは、結構うまくやったつもりだけど、穴だらけだったんだね。やっぱ私には証拠隠滅は向いてなかったか」
がっくりと項垂れて、遠野は隼人の元へ向かった。
「……私が、聖奈を殺害しました」
そう言う彼女の表情は、どこか安堵したものに見えた。
今まで人を殺害してしまったという現実を抱えていた彼女は、式に真相が暴かれたことでようやく気持ちが少し楽になったのかもしれない。
「さて、残るは水瀬さんの殺害動機ですが……」
「そこが気になっています。どうして水瀬さんはこのような殺人事件を起こしたのでしょうか」
「動機については正直想像の域を出なかった。でも隼人さんにいろいろ調べてもらった結果、彼女の自宅から遺書らしきものが見つかったらしい」
式は隼人から水瀬の遺書を受け取った。
「それに水瀬さんの過去についても調べてもらいました。彼女は小中学校と友達が出来なくて、学校にもほとんど通っていませんでした。いじめられていたこともあったとか。遺書にもそのようなことが書かれています」
「そんなことが……」
「彼女に配慮して遺書の内容を全て読み上げることはしませんが、要約すると小中学校で友達が出来なかった彼女が、初めて本当の友人と言える存在を手に入れることができたのが、あの7人のグループだったんです」
「……確かに、あの子はそんなことを言っていたわね」
大きく息を一つついて、遠野はぼそぼそと語りだした。
「遠野さん、あなたは殺害してしまう前の水瀬さんの心情や言葉を聞いているはずです。彼女は一体何を言ってたんですか?」
「……君の言う通り、私は聖奈がゲームを使って健二を呼び出して殺害したんじゃないかと思って、彼女を吹奏楽部の部室に呼び出したの。私の考えが間違っていればそれでいいと思いながら。でも彼女から出た言葉は肯定だった」
遠野は当時の状況を思い出しながら語る。
『聖奈、もしかしてだけどあなたが健二をやったんじゃないの? ゲームを使えば、証拠も残さずに呼び出せるでしょ』
『……へえ、よくわかったね菜々美ちゃん。貴子ちゃんは流石ミス研って思ったけど、まさか菜々美ちゃんにまで気づかれるなんて。案外わかりやすいのかなあ』
水瀬は不敵な笑みを浮かべていた。
『せ、聖奈。なんでこんなことを……』
『ねえ菜々美ちゃん。私は小学校も中学校もろくに通ってなかったんだ。もちろん内申点も散々だから、このままだと高校に進学することもできないって状況だった。でもこの明戸高校は、そんな私を迎え入れてくれた』
淡々と語る水瀬の表情は読めない。
『それでも私は高校で友達が出来るか心配だった。そんなときに声を掛けてくれたのが井田くんだった。私の暗かった学生生活を大きく変えてくれた彼には本当に感謝しているんだ。だから一番最初に殺害したの』
『意味がわかんないよ。なんで感謝してるのに殺すの!』
『私のことを忘れてほしくないからだよ』
当然だ、と言わんばかりに水瀬が答える。
『え……?』
『このまま学校を卒業したら、皆離れ離れになっちゃうでしょ。そして新しい環境で新しい友人たちと知り合っていく。でも私は大学で新しい友達ができる自信なんてない。だって自分から友達を作ったことがないんだもん。でも皆は明るくて性格もいいから、すぐに友達が出来るよね。そしたら私また一人ぼっちになっちゃう』
『な、何を言ってるの……?』
『新しい環境で友人ができたら、皆私のことなんて忘れちゃうでしょ。私なんて大して良さもない普通の人間だから。せっかく友達が出来たのに、また一人ぼっちになりたくない。だから殺すの』
『そ、それが何で殺す理由に……』
『だって殺される瞬間って、殺してくる相手のことしか頭になくなるでしょ。死ぬ瞬間に私のことを想ってもらうんだから、永遠に忘れることなく逝けるんだよ』
ぶつぶつと語りながら水瀬は手に持っているナイフを見せつける。
『井田くんも貴子ちゃんも私のことを想いながら死んでいった。次は菜々美ちゃんだよ。二人とも思い出の場所で殺してあげたけど、菜々美ちゃんはここで殺してあげるね。大丈夫、後で剣道場に運んであげるよ』
そう言いながら水瀬は襲いかかってきた。
『ちょ、ちょっと待ってよ!』
遠野は持っていた竹刀を取り出し、応戦する。
『こ、こんなことしたって何の意味もないでしょ……』
『それは私が決めることだよ』
水瀬は遠野の説得を気にも留めない。
『なら、私はこのまま殺されたくないから、あんたを止める。私が決めたことだよ』
遠野は竹刀で水瀬のナイフを弾き落とそうとした。しかし水瀬はそれを見てナイフを振り、遠野の竹刀をたたき割る。
『なっ……』
『これで武器もなくなったね。じゃあね菜々美ちゃん。私のことを想って死んでね!』
水瀬は恐ろしい形相で遠野に迫る。遠野はそれを折れた竹刀で受け止めようとしたが、すぐに無理だと悟り振り下ろされるナイフを突きで弾き落とそうとした。
だがそれは不運にも、水瀬のナイフを弾いた後、そのままの勢いで彼女の喉を貫通してしまった。
『がっ……』
『あっ……』
水瀬の首から血があふれ出すのを見て、遠野は自分がやってしまったことを実感する。
『あ、聖奈……』
『う、こ、この傷じゃあ私も死んじゃうね……』
水瀬は自分の死を悟りながらも、冷静にナイフを拾った。
『そ、うだ。菜々美ちゃんにも、私が、感じたものを、感じてもらうよ。私は菜々美ちゃん、のことを想いながら、死んでいくね……』
そう言い残し、水瀬は力なく倒れた。
だが手に持ったナイフはしっかりと握ったまま放さなかった。
『せ、聖奈。うそでしょ、死なないでよ』
遠野は水瀬に駆け寄ったが、彼女が既に息絶えていることは一目見ただけでわかった。
『あ、ああ……』
遠野はひどく狼狽えている。彼女の頭の中は、友人を殺してしまったという事実と、今後自分がどうなってしまうのかなどが入り乱れて混乱していた。
「……聖奈を殺してしまった後は、自分でも恐ろしいと思うくらい必死で後始末をしようと考えていた。聖奈の鞄からフルートを取り出してそれを喉に突き刺し、ミス研に行って貴子の横に遺書を置いたり、他にもいろいろやった。とにかく自分が犯人にならないように証拠を隠滅しようとしていた……」
そう語る遠野の表情からは生気が抜けていた。
「ねえ最後に聞きたいんだけど、もし私が犯行を否定したら、どうしてた?」
「その場合は証拠を提示していました。俺たちが見つけた限り証拠は三つありましたから」
「三つ?」
式は一つ目の証拠を提示した。
「これは榊さんが発見したことなんですが、吉野先輩の横に置かれていた遺書が本日書かれたものだとしたら、それはこの学校で作成されたものだということです。ということはこの学校内のパソコンにログインして作ったもののはず。学校にあるパソコンをくまなく調べた結果、コンピュータ室のパソコンの一つから遠野さんのIDでログインされた後がありました」
式は続けて二つ目の証拠を提示する。
「二つ目は竹刀です。犯行に使われた凶器は折れた竹刀だということはわかっていたので、犯行に使われた竹刀をどう処分するのかを考えた結果、どこかに捨てるか自分で持ったままかが妥当だと思いました。自分で持ったままなら検査をすればいいんですが、問題はどこかに捨てた場合です。それを特定するために警察に頼んでゴミ収集所を調べてもらいましたし、言い逃れをされないためにあらかじめ遠野さんの持っている竹刀の本数をご両親と顧問の先生に聞いておきました。そしたら予備を含めて四本だと言っていました。家の中と部室を調べた結果、竹刀の本数は三本だった。あと一本はどこにやったのか、それを問いただしていましたね」
そして最後の証拠を提示する。
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「はは、結構うまくやったつもりだけど、穴だらけだったんだね。やっぱ私には証拠隠滅は向いてなかったか」
がっくりと項垂れて、遠野は隼人の元へ向かった。
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