彼女に6回浮気されて婚約破棄になるまでの実話(社会人編)

つむじ

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第一章 リラクゼーションの男

別のカタチで

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浅草へ向かう車中は、さっきまでのことが嘘のように明るかった。
僕も考えないようにしていたし、彼女もきっと同じだった。
幼馴染も明るく振る舞ってくれていた。

浅草に到着すると、浅草寺はライトアップされていて、既にお祭りムードだった。
浅草寺の参拝の列が仲見世を埋め尽くしていて、僕たちはとても並ぶ気にはならなかった。

「すごい列だな。」

幼馴染が呆気にとられながら言った。

「あっち屋台出てるよ!」

彼女が楽しそうに指差すと、みんなで屋台に向かった。
焼きそばやたこ焼き、ステーキ串にじゃがバタ。
色々な屋台が出ていた。

「私、りんご飴食べたい。」

彼女は無邪気な笑顔でそう言うと、僕におねだりしてきた。

「俺はステーキ串食べようかな。」

幼馴染も楽しそうだった。

結局、彼女はりんご飴、幼馴染はステーキ串、僕はたこ焼きを買った。

「いただきます!」

3人で手を合わせると、それぞれの戦利品を食べ始めた。

幸せな時間だった。
夢のように楽しかった。

気付けばカウントダウンが始まっていた。

10!9!8!7!
自然と周りの人達が他人同士で声を揃えて叫んでいる。

僕たちも一緒に声を上げた。

6!5!4!3!2!1!
ハッピーニューイヤー!

歓声と拍手が上がる。
お酒を飲む人。はしゃいでいる人。新年の挨拶をする人。あけおめメールを送る人。
色々な人がいた。

「あけおめ!」

僕らは3人で挨拶をし合った。
それから、"カラオケでも行くか。"
ということになり、カラオケ屋を目指して移動した。
しかし、近辺のカラオケ屋はすでに満室で入れなかった。

「仕方ないから漫喫行ってみる?個室空いてるかもよ。」

僕がそう言うと、2人も"そうだね。"とついてきた。

漫画喫茶は意外とすいていて、個室も空いていた。
僕らは個室に入り、3人でゲームをすることにした。

それから、夜が明けるまで漫画喫茶で過ごした。

帰りの車内で、彼女は寝ていた。
幼馴染も眠そうだったが、僕に気を遣ってか起きてくれていた。

「またね。おやすみ。」

「おやすみ。」

幼馴染を家まで送り届け、僕は彼女の家へ向かった。

彼女の家へ着く頃には、彼女も目を覚ましていた。

「3日、おばさん家行くでしょ?」

彼女が聞いてきた。
毎年1月3日は、彼女のおばさんの家で新年会をしていた。
高校生の時から、僕もその会に毎年お邪魔させてもらっていた。

「あぁ。うん。行く。」

僕は忘れかけていたが、そう返事をした。

「じゃあ、また3日ね。」

彼女はそう言うと、車から降りた。

僕が車を走らせると、バックミラー越しに彼女が手を振っているのが見えた。

"元の日常が戻ってきた。"

そう思った。


1月3日。
おばさんの家へ向かう為、僕は自転車に跨った。
"私は先に行ってるからね。"
彼女からは、そうメールが入っていた。

おばさん家に着くと、子供たちとシーズーが出迎えてくれた。

「あけましておめでとうございます。」

僕は子供たちとシーズーに挨拶をすると、おばさん家のリビングへ入った。

「あ、いらっしゃい!」

おばさんはキッチンで支度をしながら、僕に言った。

「お邪魔します。あけましておめでとうございます。」

僕はおばさんに挨拶をすると、彼女の横に座った。
それから、おばさんの旦那さん。彼女のお母さん。彼女のおじいちゃんに挨拶をした。

「何飲む?ビール?」

旦那さんがそう言うと、おばさんが間髪入れずに突っ込んだ。

「ダメに決まってるでしょ!まだ19歳なんだから!」

"さすが夫婦だ。息ぴったり。"
そう思いながら僕は烏龍茶をもらった。

それから、おばさんの作った美味しい料理を食べながら、楽しい時間を過ごした。

僕がふと、彼女のほうに目をやると彼女の携帯が鳴っていることに気付いた。

「携帯ずっと鳴ってるよ。」

僕がそう言うと彼女は少し苦い顔をしながら言った。

「実は、石原さんから連絡が止まらなくて。私はずっと無視してるんだけど。」

僕は驚いて、彼女の携帯を見せてもらった。
そこには、石原さんからの何通ものメールと着信履歴があった。

"会いたい。"
"無視しないでよ。"
"今日も会いたくて、君の家の前まで来てしまいました。どこにいるの?"

僕は鳥肌が立ち、空いた口が塞がらなかった。

「これ、もはやストーカーだよね?」

僕が聞くと彼女は不安そうな顔で答えた。

「やっぱり。そうだよね?」

僕はこのままではまずいと思った。
彼女の身に何かあってからでは遅い。

「もう1回、石原さんと会おう!」

僕がそう言うと彼女は戸惑っているようだった。

「石原さんの中で不完全燃焼なんじゃないかな?もう1度3人で会って話そう。何かあってからじゃ遅い。」

僕は彼女を説得した。
すると彼女は渋々納得し、石原さんにメールを送った。

"もう1回3人でちゃんと話そう。"

そして、2日後に石原さんともう1度会うことになったのだった。
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