国立ユイナーダ学園高等部⑦〜どうやら私の目に狂いはなかったようですね

砂月ちゃん

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9話 小さな名探偵

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【錬金科研究室兼探偵同好会部室(事務所)】


「実は、今ある男の事で相談を受けていてね。」


狭い、すっごく狭い。


エリーと2人だった時はさほど狭さを感じなかったのに、もう1人依頼人が入って来ただけで、ただでさえ狭い部屋がもっと狭く感じる!
(凄く失礼)

「あの話し聞いてもらえてるかい?」

「す、すいません……先輩。
出来れば場所移してもいいですか?」



「構わないよ……やっぱり私がこの部屋に居たら狭いよね?」

今回の依頼人は【淑女科の王子様】こと淑女科三年のキイナ先輩だ。



研究室兼事務所として使っている部屋は、元々階段下のデッドスペースを無理矢理部屋に改造して、窓を付けた部屋で、元より狭い。(いわゆるウナギの寝床型)



そこへ僕(142㎝)エリー(168㎝)キイナ先輩(183㎝)は無理がある。

僕は机の上。

エリーは壁に変な格好で、貼り付いている。

先輩に至っては、天井に支えてしまう為床に直接膝を抱えて座っている。



この部屋、高い所で天井まで160㎝しかないんだよね。

だからかなり重要な話しが無いと、エリーでさえ部屋の中には入って来ない。



今更だけど、もしかして誰も同好会に入ってくれないのって、この部屋の所為なのかな?
あれ?だからこの部屋だけ空いてたの?



だ、騙された……



兄さんが熱心に勧めてくる物件だから、信用してたのに!
もう騙されないんだから!
この後僕らは、仕方なくバーン先生に頼み、錬金科準備室を借りて、改めて先輩の相談を受けた。



翌日、兄さんがニコニコしながら近づいて来た。
そんな笑顔で近づいて来たって許さないんだから!
「あっ!ターク♪
バーン先生から新婚旅行のお土産でチョコレート貰ったんだが食べるか?」
「食べる♪♪」



(隣で見ていたエリー)
『チョロい。チョロ過ぎますタークちゃん……
でもそこが可愛いのですわ♪』



僕らは、キイナ先輩に依頼された、サンソンクズについて調査を始めた。
(『どうやらお仕置きしてほしいようですね』前編参照)
エリーはその広い人脈で、被害状況の確認。
僕は出没エリアの特定と、資金源の調査。



エリーの方の被害状況の確認は、やはり難航しているみたいだ。
アイツの被害に合ったとは、女性の方から言い難いからだろう。



出没エリアの特定は、比較的早く終わった。
エリーのツテで、学園街の人達の協力を得られたからだ。
問題は、アイツの資金源。
実家は地方郷士だし、三男で勘当寸前。
当然仕送りなどほとんどないだろうし……



そんな時、意外な方向から手掛かりが見つかったのだ!
きっかけはバーン先生からの依頼だった。

******************

【錬金科準備室】



テーブルの上には、大量のクッキーと紅茶がある。
クッキーは、奥さんの手作りだそうだ。



「家の奥さんの実家の質屋に、最近同じアクセサリーを大量に持ち込む男がいるんだって。
それがどうも学園うちの生徒らしいんだよね。
それだけで犯罪になるわけじゃないけどさ。
何か有ってからじゃ遅いし。
向こうには、話し通しとくよ。
忙しいところゴメンねー。」



いつも無口なバーン先生が饒舌だ。



「あ、良かったら君も食べる?凄く美味しいよ♪
美味しいのに太らないんだよ♪」

美味しいのに太らない?

「頂きます。」 

サクッ

!!

一口食べて気が付いた、そうかこのクッキー『おからクッキー』だ。
確かにこれなら太らないかもしれない、
食べすぎなければ……。



奥さんバーン先生の健康の為に頑張っているんだね。



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