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第1章 アルバイト始めました
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「満月!!なんで、ちゃんとドア閉めとかんかったんじゃ!」
「そがぁな事を言うても、結界を張るんは徳の番じゃったろうが!」
「そうじゃったか?」
「ボケたか?ジジィ!?」
「なんじゃと?ワシがジジィならお前もジジィじゃないか!!」
「ワシの方が若い!」
「幾日も変わらんじゃろうが!」
うるさい…人が寝てる枕元で、何騒いでるのよ?
て、アレ?私…いつ寝たっけ?
あっそうだ!タヌキ!!
慌てて起きあがろうとしたら、止められた。
「あ、お嬢!気が付いたんか?
もうちょっと寝とった方がええぞ。」
「今、助けを呼んだからの。」
そう言って今までケンカをしていたタヌキが、神妙な顔?をして近づいて来て私の顔を覗き込んできた。
「う…うん……じゃなくて!
なんで、タヌキが徳さんと満月の声でしゃべってるのよ!?」
「そりゃあ本人達だからなぁ…… 」
アレ?今度は六?
そうか…これは、夢だ……
もう1回寝れば、目が覚めて現実に……
「お~い!理子、お前頭の中で考えてるつもりみたいだけど、全部声に出てるぞ。
後、コレは夢じゃなくて現実だからな!」
「えっ!?ウソ?なんで、六がここにいるの?」
「ああ、そりゃあ徳さんからメールで呼び出されたからな。
まったく…2人共、油断し過ぎだろ。」
「「そがぁな事を坊に言われとうないわ!」」
あ、そう言えばさっき『助けを呼んだ!』って言ってたわね……
えっ?つまり六ってばコイツらの正体知ってたって事?
私は今度こそ起き上がり、説明を求めた。
「ちょっと、どういう事か説明してよ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私の前に座った2匹のタヌキを、改めて六が紹介してくれた。
「こっちの白っぽいのが徳さんで、こっちの黒っぽいのが満月。
徳さんは昔から徳行寺の本堂の縁の下に住んでて、俺も小さい頃から世話になってる。
H大に受かったのも、徳さんのおかげなんだよ。」
まさか!?豆狸の神通力で不正を?
と、一瞬疑いの目を向けると、六は慌てて否定してきた。
「受験勉強を教えてもらったんだよ。
だいたい豆狸に、そんなだいそれた事出来ないから!」
「ふ~ん…そうなんだ。
アレ?それじゃあ満月もウチの縁の下に住んでるの?」
「ワシは祠の下から巣穴を掘っとる。」
「ならいいけど……
もし私の部屋の縁の下なんかに住んでたら、ただじゃおかないんだからね!」
「…… 。」
良かった~。私の部屋の縁の下になんかに居なくて……
居たらいろいろとバレちゃうじゃない!
というか、ただのタヌキだと思って、いろいろと相談したりしてたわ!
つまり、徳さんと満月は私の黒歴史を全部知ってる訳じゃないの!
ヤバい…ヤバすぎる!!
「そ、そう言えば、あんた達どうしてウチでバイトしてるの?」
「店でバイトする事になったきっかけか……
そりゃあのぅ…かくかくしかじか…と言う訳なんじゃ。」
「つまりウチの両親が忙しいのを見かねて手伝い始めたのがきっかけで、そのままずっとバイトしてるって事?」
「そうなんじゃ。ワシらもお金が必要じゃったし、Win Winの関係じゃったからちょうど良かったんじゃ。」
Win Winなんて、今時の言葉まで使うなんて、タヌキのクセに生意気な!
「それで、なんでお金がいるのよ?
タヌキの生活に必要無いでしょ?」
「普通なら要らんのじゃけど、ワシらどうしても欲しいもんが有ってのぅ……
昔は葉っぱのお金で買えたんじゃが、今はそういう訳にはいかんけん。」
私の質問に物凄く真剣?な表情で答える徳タヌキ。
「どうしても欲しいもの?」
「それはの…… 」
「それは?」
豆狸がバイトして、お金を払ってでも欲しい物っていったい?
「「酒じゃ!!」」
そう力説する豆狸達。
えっ?お酒?バイトしてまで欲しい物がお酒?
あ…そう言えば、この町の豆狸ってお酒好きで有名だったわ……
「あのさ…皆んなそろそろ仕事に戻らないと、ヤバくない?
今、店に誰もいないんだけど?」
六に言われて私達は、ようやく店の事を思い出した。
「そう言えば、今何時じゃ?」
と満月タヌキが言うと徳タヌキがどこからかスマホを取り出して、時間を確認している。
なんて器用な……
「マズい…アレから30分も経っちょる!」
「そりゃあマズいのぅ!早よう戻らんといけん!」
「じゃがその前にお嬢…悪いが今、見た事や聞いた話は忘れてくれ!」
「えっ?忘れる??」
徳タヌキと満月タヌキが真剣な表情?で私に詰め寄って来た。
「そう…ワシらの事は、当然内緒じゃ。」
そりゃそうよねー。昔話でも正体がバレたら姿を消すのは定番だもの。
仕方ないか……
ウチから出て行かれても困るし。
というか、消してもらった方が精神衛生的に良くない?
「お…お願いします。」
緊張しながら言うと、満月タヌキは済まなそうに……
「すまんのぅ…コレは決まりなんでな……
《忘却の術》!せぃやー!!」
… 。
… 。
なんとも無い……
「ありゃ?おかしぃのぅ?もう一度…《忘却の術》!せぃやー!!」
物凄く真剣な表情で、《忘却の術》というのをかけ続ける満月タヌキを見ていると、なんか可哀想になってきた。
ここは、かかったフリをしてあげた方がいいんだろうか?
「う…うぅーーん…… 」
かかったフリ、かかったフリ……
「あ…そう言やぁ、お嬢にはもう《忘却の術》は、通用せんわ…… 」
徳タヌキの突然のセリフに、私達はこう言うしかなかった……
「「「はい?」」」
「そがぁな事を言うても、結界を張るんは徳の番じゃったろうが!」
「そうじゃったか?」
「ボケたか?ジジィ!?」
「なんじゃと?ワシがジジィならお前もジジィじゃないか!!」
「ワシの方が若い!」
「幾日も変わらんじゃろうが!」
うるさい…人が寝てる枕元で、何騒いでるのよ?
て、アレ?私…いつ寝たっけ?
あっそうだ!タヌキ!!
慌てて起きあがろうとしたら、止められた。
「あ、お嬢!気が付いたんか?
もうちょっと寝とった方がええぞ。」
「今、助けを呼んだからの。」
そう言って今までケンカをしていたタヌキが、神妙な顔?をして近づいて来て私の顔を覗き込んできた。
「う…うん……じゃなくて!
なんで、タヌキが徳さんと満月の声でしゃべってるのよ!?」
「そりゃあ本人達だからなぁ…… 」
アレ?今度は六?
そうか…これは、夢だ……
もう1回寝れば、目が覚めて現実に……
「お~い!理子、お前頭の中で考えてるつもりみたいだけど、全部声に出てるぞ。
後、コレは夢じゃなくて現実だからな!」
「えっ!?ウソ?なんで、六がここにいるの?」
「ああ、そりゃあ徳さんからメールで呼び出されたからな。
まったく…2人共、油断し過ぎだろ。」
「「そがぁな事を坊に言われとうないわ!」」
あ、そう言えばさっき『助けを呼んだ!』って言ってたわね……
えっ?つまり六ってばコイツらの正体知ってたって事?
私は今度こそ起き上がり、説明を求めた。
「ちょっと、どういう事か説明してよ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私の前に座った2匹のタヌキを、改めて六が紹介してくれた。
「こっちの白っぽいのが徳さんで、こっちの黒っぽいのが満月。
徳さんは昔から徳行寺の本堂の縁の下に住んでて、俺も小さい頃から世話になってる。
H大に受かったのも、徳さんのおかげなんだよ。」
まさか!?豆狸の神通力で不正を?
と、一瞬疑いの目を向けると、六は慌てて否定してきた。
「受験勉強を教えてもらったんだよ。
だいたい豆狸に、そんなだいそれた事出来ないから!」
「ふ~ん…そうなんだ。
アレ?それじゃあ満月もウチの縁の下に住んでるの?」
「ワシは祠の下から巣穴を掘っとる。」
「ならいいけど……
もし私の部屋の縁の下なんかに住んでたら、ただじゃおかないんだからね!」
「…… 。」
良かった~。私の部屋の縁の下になんかに居なくて……
居たらいろいろとバレちゃうじゃない!
というか、ただのタヌキだと思って、いろいろと相談したりしてたわ!
つまり、徳さんと満月は私の黒歴史を全部知ってる訳じゃないの!
ヤバい…ヤバすぎる!!
「そ、そう言えば、あんた達どうしてウチでバイトしてるの?」
「店でバイトする事になったきっかけか……
そりゃあのぅ…かくかくしかじか…と言う訳なんじゃ。」
「つまりウチの両親が忙しいのを見かねて手伝い始めたのがきっかけで、そのままずっとバイトしてるって事?」
「そうなんじゃ。ワシらもお金が必要じゃったし、Win Winの関係じゃったからちょうど良かったんじゃ。」
Win Winなんて、今時の言葉まで使うなんて、タヌキのクセに生意気な!
「それで、なんでお金がいるのよ?
タヌキの生活に必要無いでしょ?」
「普通なら要らんのじゃけど、ワシらどうしても欲しいもんが有ってのぅ……
昔は葉っぱのお金で買えたんじゃが、今はそういう訳にはいかんけん。」
私の質問に物凄く真剣?な表情で答える徳タヌキ。
「どうしても欲しいもの?」
「それはの…… 」
「それは?」
豆狸がバイトして、お金を払ってでも欲しい物っていったい?
「「酒じゃ!!」」
そう力説する豆狸達。
えっ?お酒?バイトしてまで欲しい物がお酒?
あ…そう言えば、この町の豆狸ってお酒好きで有名だったわ……
「あのさ…皆んなそろそろ仕事に戻らないと、ヤバくない?
今、店に誰もいないんだけど?」
六に言われて私達は、ようやく店の事を思い出した。
「そう言えば、今何時じゃ?」
と満月タヌキが言うと徳タヌキがどこからかスマホを取り出して、時間を確認している。
なんて器用な……
「マズい…アレから30分も経っちょる!」
「そりゃあマズいのぅ!早よう戻らんといけん!」
「じゃがその前にお嬢…悪いが今、見た事や聞いた話は忘れてくれ!」
「えっ?忘れる??」
徳タヌキと満月タヌキが真剣な表情?で私に詰め寄って来た。
「そう…ワシらの事は、当然内緒じゃ。」
そりゃそうよねー。昔話でも正体がバレたら姿を消すのは定番だもの。
仕方ないか……
ウチから出て行かれても困るし。
というか、消してもらった方が精神衛生的に良くない?
「お…お願いします。」
緊張しながら言うと、満月タヌキは済まなそうに……
「すまんのぅ…コレは決まりなんでな……
《忘却の術》!せぃやー!!」
… 。
… 。
なんとも無い……
「ありゃ?おかしぃのぅ?もう一度…《忘却の術》!せぃやー!!」
物凄く真剣な表情で、《忘却の術》というのをかけ続ける満月タヌキを見ていると、なんか可哀想になってきた。
ここは、かかったフリをしてあげた方がいいんだろうか?
「う…うぅーーん…… 」
かかったフリ、かかったフリ……
「あ…そう言やぁ、お嬢にはもう《忘却の術》は、通用せんわ…… 」
徳タヌキの突然のセリフに、私達はこう言うしかなかった……
「「「はい?」」」
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