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大怪獣決戦 ②
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その日の夜にはボルネオール領から、ケイト・F・ボルネオール侯爵令嬢が勇者シルバーを伴って、学園に転移魔法陣を使って移動し、そこからサイド家の三男の運転する魔道車で救援に駆けつけてくれた。
結界があり、王都には直接入れないので仕方ないそうだ。
【ピンクドラゴン】(仮)が居るのとは反対側にある門の近くに一時的に結界に穴を開け、もはやどこかの防衛部隊の指令室と化した、王太子である私の執務室に到着した。
車酔いが酷くてグロッキー状態のケイト嬢を、親友だというサイド家のターク嬢が介抱する中、《どうやってあの【ピンクドラゴン】(仮)を倒すのか?》という会議が続いている。
流石に私の執務室では手狭になって来たので先程、作戦指令本部(笑)を王国会議場に移した。
因みに私は国王代理だ。
王都周辺の地域の避難は既に終わっている。
王都自体は聖人にして勇者でもある我が弟…セイマによる猫神憑きによってエータ神様が御降臨され、結界が敷かれているが、流石に王城の上階は危険だと思う。
いつまでも結界を張り続ける事は出来ないので、早急に【ピンクドラゴン】(仮)を倒さねばならない。
打開策が見つからないまま、時刻は天辺を越えこのままここに居ても仕方ないので、一旦会議は中断となった。
もちろん【ピンクドラゴン】(仮)の監視を続ける、数名のモニター係りを残して。
翌日、夜も明けきらぬ中、ついに【ピンクギドラ】が王都に向かって動き出した!
(もう【ピンクドラゴン】(仮)とか、面倒だし良いよな!)
そして、私の予想通り【ピンクギドラ】はビームの吐いた。
セイマの結界が無ければ、一溜りも無く王都は一瞬で無くなっていたところだろう。
結界が有ってもかなり衝撃が有ったが……
コレを何度も喰らっては流石に保たないのではないか?
と思っていたところ、サイド伯爵家次男にして、我が親友リョウ・F・サイドが白衣を靡かせながら、私の前に膝まずき
「「アラン殿下!ご安心ください!!
こんな事もあろうかと、あの魔法を跳ね返し、更に攻撃出来る魔道具を開発しておきました!」」
「流石は博士!頼むぞ!!」
「「お任せください!!」」
ついノリと勢いで【博士】とか言ってしまったじゃないか!
何故かリョウの妹のターク嬢まで、同じ格好とポーズを決めながら、いつの間にか増えていたモニター前にいる、魔道具研究所の職員であろう者達に、何やら指示を出した。
「「対熱光線反射飛行装置、起動!」」
「「「「「了解!」」」」」
良い返事と共に、本当にいつから準備してたんだと、思いたいぐらいに実に手際良く、王都近郊にある元ユイナーダ草原の地下から、5機の中華鍋の様な物を抱えた、巨大なドローンモドキの機体が飛びたった。
私と魔道具研究所の職員達以外の者達は、驚愕している。
横に立っている副官は、一見動揺していない様に見える、私を尊敬の眼差しで見ている。
幼い時、まだ自分が転生者だという自覚が無く、大好きだった特撮ヒーローや映画、モン◯ンの話しを遊び相手兼側近候補の、リョウに話し聞かせたが、こんな物まで作っていたとは……
私は顔を痙攣らせながら、モニターを眺めていた。
「ところで…アレはどうやって動かしているんだね?」
いち早く正気に戻った第三騎士団の団長が、リョウに質問した。
そこは私も知りたい。
「「もちろん、風の魔石ですが。」」
「なるほど…確かに飛ぶ為には当然だな。」
あぁ…そこはやっぱり魔法なんだな。
「しかし、ここからでは魔力が届かないのではないか?」
これは今朝から復帰した、オスカーのセリフ。
確かにここからでは遠すぎるな……
まさかとは思うが、有人機じゃないよな?
不安になって彼らの方を見ると二人共、自信満々に目を輝かせて
「「ご安心ください!新開発のリモコンを搭載しております!
アレが有ればここからでも自由自在に、動かしてご覧にいれます!」」
と答えた。
いや、なんでさっきから二人でハモってるんだ?
それに昨日はしていなかった、その態とらしい牛乳瓶底メガネ!
お前達、国防の危機に何をやっているんだ!?
5機のドローンモドキは頑張った。
しかし流石に反射五回目を過ぎると、ガタが来て、1機…また1機と撃墜されていく……
その度に少しずつ、【ピンクギドラ】は王都に近づいて来る。
もう打つ手はないのか?
その時、急に【ピンクギドラ】が向きを変え、王都から離れて行ったのだ!
「むっ!?王太子!
ここを見てください人が居ます!」
あっ!?本当だ!!
よく見ると四人いるな……
何処の所属だ?
どうやら【ピンクギドラ】の気を引き、進行方向を変えさせたのは、あの者達の様だな。
「あの者達は何処の所属だ?」
第三騎士団長に聞いてみたが、心当たりは無いようだ。
「第一騎士団の者でも無い!冒険者かもしれんぞ?」
うむ…確かにその可能性はある。
もし戦いが終わったら褒美をやらねばならないな。
我々が無事、だったらの話しだが……
とにかく彼らが囮りになり【ピンクギドラ】を、人の居ない方へ導いてくれている間に次の対策を考えなけば!!
すると突然、議長席の机の上がライトアップされ、下からせり上がる様にやけにふくよかなグレーのハチワレ猫が現れた!
もちろん机にそんな仕掛けは無い……
な…なんだ?この猫は?やけに神々しいが……
えっと…君は神様の使徒か何かかい?
突然現れた神々しいふくよかな猫は今まで、ケイト嬢の膝の上で寝ていた、勇者シルバーを起こし、何やら話し?をした後、何処から取り出したのか、巻物を渡していた。
それを受け取った勇者シルバーが、会議室を出たがったので、扉の近くに居た衛士に命じて開けてやると、巻物を咥えたまま外へ出て行った。
え~とアレはパターン的に、変身アイテムか何かかな?
それから数分後…いったいどうやって抜け出したのか、結界の外に勇者シルバーの姿があった。
そして…神々しいふくよかな猫は何故か私の膝に乗っている。
私用に用意されたモニターを見るには最適なポジションだ。
その所為で私が少々見づらいのだが……
それよりも問題なのが…いったい何kgあるんだこの神々しいふくよかなお猫様は!?
重い!!
結界があり、王都には直接入れないので仕方ないそうだ。
【ピンクドラゴン】(仮)が居るのとは反対側にある門の近くに一時的に結界に穴を開け、もはやどこかの防衛部隊の指令室と化した、王太子である私の執務室に到着した。
車酔いが酷くてグロッキー状態のケイト嬢を、親友だというサイド家のターク嬢が介抱する中、《どうやってあの【ピンクドラゴン】(仮)を倒すのか?》という会議が続いている。
流石に私の執務室では手狭になって来たので先程、作戦指令本部(笑)を王国会議場に移した。
因みに私は国王代理だ。
王都周辺の地域の避難は既に終わっている。
王都自体は聖人にして勇者でもある我が弟…セイマによる猫神憑きによってエータ神様が御降臨され、結界が敷かれているが、流石に王城の上階は危険だと思う。
いつまでも結界を張り続ける事は出来ないので、早急に【ピンクドラゴン】(仮)を倒さねばならない。
打開策が見つからないまま、時刻は天辺を越えこのままここに居ても仕方ないので、一旦会議は中断となった。
もちろん【ピンクドラゴン】(仮)の監視を続ける、数名のモニター係りを残して。
翌日、夜も明けきらぬ中、ついに【ピンクギドラ】が王都に向かって動き出した!
(もう【ピンクドラゴン】(仮)とか、面倒だし良いよな!)
そして、私の予想通り【ピンクギドラ】はビームの吐いた。
セイマの結界が無ければ、一溜りも無く王都は一瞬で無くなっていたところだろう。
結界が有ってもかなり衝撃が有ったが……
コレを何度も喰らっては流石に保たないのではないか?
と思っていたところ、サイド伯爵家次男にして、我が親友リョウ・F・サイドが白衣を靡かせながら、私の前に膝まずき
「「アラン殿下!ご安心ください!!
こんな事もあろうかと、あの魔法を跳ね返し、更に攻撃出来る魔道具を開発しておきました!」」
「流石は博士!頼むぞ!!」
「「お任せください!!」」
ついノリと勢いで【博士】とか言ってしまったじゃないか!
何故かリョウの妹のターク嬢まで、同じ格好とポーズを決めながら、いつの間にか増えていたモニター前にいる、魔道具研究所の職員であろう者達に、何やら指示を出した。
「「対熱光線反射飛行装置、起動!」」
「「「「「了解!」」」」」
良い返事と共に、本当にいつから準備してたんだと、思いたいぐらいに実に手際良く、王都近郊にある元ユイナーダ草原の地下から、5機の中華鍋の様な物を抱えた、巨大なドローンモドキの機体が飛びたった。
私と魔道具研究所の職員達以外の者達は、驚愕している。
横に立っている副官は、一見動揺していない様に見える、私を尊敬の眼差しで見ている。
幼い時、まだ自分が転生者だという自覚が無く、大好きだった特撮ヒーローや映画、モン◯ンの話しを遊び相手兼側近候補の、リョウに話し聞かせたが、こんな物まで作っていたとは……
私は顔を痙攣らせながら、モニターを眺めていた。
「ところで…アレはどうやって動かしているんだね?」
いち早く正気に戻った第三騎士団の団長が、リョウに質問した。
そこは私も知りたい。
「「もちろん、風の魔石ですが。」」
「なるほど…確かに飛ぶ為には当然だな。」
あぁ…そこはやっぱり魔法なんだな。
「しかし、ここからでは魔力が届かないのではないか?」
これは今朝から復帰した、オスカーのセリフ。
確かにここからでは遠すぎるな……
まさかとは思うが、有人機じゃないよな?
不安になって彼らの方を見ると二人共、自信満々に目を輝かせて
「「ご安心ください!新開発のリモコンを搭載しております!
アレが有ればここからでも自由自在に、動かしてご覧にいれます!」」
と答えた。
いや、なんでさっきから二人でハモってるんだ?
それに昨日はしていなかった、その態とらしい牛乳瓶底メガネ!
お前達、国防の危機に何をやっているんだ!?
5機のドローンモドキは頑張った。
しかし流石に反射五回目を過ぎると、ガタが来て、1機…また1機と撃墜されていく……
その度に少しずつ、【ピンクギドラ】は王都に近づいて来る。
もう打つ手はないのか?
その時、急に【ピンクギドラ】が向きを変え、王都から離れて行ったのだ!
「むっ!?王太子!
ここを見てください人が居ます!」
あっ!?本当だ!!
よく見ると四人いるな……
何処の所属だ?
どうやら【ピンクギドラ】の気を引き、進行方向を変えさせたのは、あの者達の様だな。
「あの者達は何処の所属だ?」
第三騎士団長に聞いてみたが、心当たりは無いようだ。
「第一騎士団の者でも無い!冒険者かもしれんぞ?」
うむ…確かにその可能性はある。
もし戦いが終わったら褒美をやらねばならないな。
我々が無事、だったらの話しだが……
とにかく彼らが囮りになり【ピンクギドラ】を、人の居ない方へ導いてくれている間に次の対策を考えなけば!!
すると突然、議長席の机の上がライトアップされ、下からせり上がる様にやけにふくよかなグレーのハチワレ猫が現れた!
もちろん机にそんな仕掛けは無い……
な…なんだ?この猫は?やけに神々しいが……
えっと…君は神様の使徒か何かかい?
突然現れた神々しいふくよかな猫は今まで、ケイト嬢の膝の上で寝ていた、勇者シルバーを起こし、何やら話し?をした後、何処から取り出したのか、巻物を渡していた。
それを受け取った勇者シルバーが、会議室を出たがったので、扉の近くに居た衛士に命じて開けてやると、巻物を咥えたまま外へ出て行った。
え~とアレはパターン的に、変身アイテムか何かかな?
それから数分後…いったいどうやって抜け出したのか、結界の外に勇者シルバーの姿があった。
そして…神々しいふくよかな猫は何故か私の膝に乗っている。
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