おチンポ小説

おチンポ谷

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おチンポ様2

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 もう人とは一生セックスしないから。どうか。

 朝。まず、昨日捧げた米と塩と水を腹に収める。米を盛る小皿と水を入れる器を清める。米と塩を小皿に盛り、器に水を注ぐ。ワンルームの部屋の隅、半畳のテーブルの上の神棚に米と塩と水を捧げる。一礼し、にじり寄り、二礼二拍。

 一礼。

 守れない約束を繰り返す三年目の朝。神棚に伏した視線の先に六指のつま先が映った。
 『何々するから何々してくれ』とはずいぶんと人間的な話で、それながら往々にして人はそれを神に押し付ける。それも相手にとって何の得にもならない条件で。お前が髪を切らなかったとして、誰に何の得があるのだろう。
 傲慢である。
 自身を霊長などと区分し、その長と思っているのだから、その傲慢さは根が深い。自分より上の存在が自分を当たり前に助けになってくれると考えるなど、傲慢を通り越して子供の癇癪だ。
 とはいえ、その程度であれば、かわいらしいで済む話なのかもしれない。小さい子供に甘えられ、頼られてもそう気分を害する大人はいない。まして相手は子供にとっての大人よりも、はるかに隔絶した存在だ。人がハムスターを思う程度の愛着はなく、羽虫と思っていたとしても捨て置いてくれるだろう。
 だが、無関心ともいえる慈悲を与えられてなお、より最悪を選ぶ者もいる。物事を神のせいにする者がいる。バチが当たったなどと、何の確証もないのにのせいにする。自分が見られているという傲慢な前提に加え、諫めてもらえるほどの関心を買っているという愚かな自負による責任転嫁は人の尺度での考えでしかないが、流石に腹に据えかねるだろう。
 そういう考えを持ちながら、目を背けていた自分を罰しに来たのだと考えるような余裕もなかった。
 目の前の存在は紛れもなく超常の存在で、頭上に感じる圧力に、脂汗を流しながら黙って平服の姿勢を保つことしか出来なかった。
 宇宙人を信じない者の前に宇宙人を連れてきても、幽霊を信じない者の前に幽霊を連れてきても何も変わらないかもしれない。しかしながら、無神論者の前に神を連れてくれば、あっさりと手のひらを返すだろうと確信をもつほどの何かがそこにあった。
 緊張のあまり、吐き気ともいえるものを感じ始めた瞬間、ふっと圧力が消えた。こわばっていた体の力が抜ける。おずおずと上体を起こす。
 目の前の神は裸の人の男の形をしていた。
 大きい足に太い足首、ふくらはぎ、ふとももは締まっているが自分の倍はある。股の間に。
 守れない約束とはいえ、努力はしていた。人との触れ合いなど半年近くしていない。目の前の男に顔が赤くなるのがわかる。立派である。視線を外すに外せないのは、その威容からだと自分に言い聞かせ、奥歯を嚙んだ。
 鼻先にぷんと何かが香る。ビターチョコレートにライム、一つまみのクローブを混ぜたような、男の匂い。人と同じように臭うのかと思う間もなく、ふと香った雄の匂いに脳の裏がカッと熱くなった。これは良くない。落ち着くために目を瞑っても、匂いはより強く香り、思考を溶かした。閉じていた目を開くと、先ほどよりも近くに男の物があるように感じた。事実、近くにあった。自分が近づいたのか、向こうが近づいたのかはわからない。気がつくと匂いの強く香る股の間に鼻先を埋めていた。柔らかな感触が鼻先を中心に広がり、唇、眉間へと続く。自分でも何故そのようになったのかわからない。ただ濃厚な香りが思考を溶かし、体がより深く匂いの源へと首を伸ばしていた。もっと、もっと。鼻息荒く匂いを嗅ぐ。鼻腔の刺激に涎が止まらず、自然と開いた口端から垂れ、床を汚す。先ほどの恐怖も畏敬も影もなく、獣が餌に群がるように求めた。
 口を自然と開く以上に開けなかったのは、なけなしの理性によるものだった。本当はすぐにでもこのすべてを口に含みたかった。右頬に触れる、自分にもあるものと同じものであると思えないほど太く、長く、垂れ下がったままでも立派なものをすべて飲み込みたい。口をこれ以上開けずに、自然と開いた隙間から舌を伸ばし触れる程度は許されるのではと葛藤する。腕を腰に絡めもっと深く、唇にかすかに触れる程度ではなく、不可抗力の内に口の中に入ってしまうほど接触したい思いを抑える。切なさに、血液が集中する股間は痛いくらい服の下で膨張していた。
 鼻鳴きする犬のような声を上げていると、左頬に何かが触れた。鼻を擦り付けられている相手の指だった。硬い指先が撫でるように動き、上を向くように誘導する。
 目が合った。
 穏やかにこちらを見ている。そこに目鼻があるというのはわかるし、整った顔をしているのもわかる。ただ像を結ばず、顔かたちは靄がかかったように認識できなかった。
 向こうからはどう見えているだろうか。
 どうしても人の尺度で考えてしまう。不快気な視線を向けているわけでは無い。しかしながら、どんな風に見えたとして、それが見える通りかはわからない。
 少しだけ冷えた頭が伸ばした首を縮め離れようとするが、頬に触れている指先が許さなかった。視線を外すことも出来ないまま、親指がいつの間にか引き結んでいた唇を割る。指の腹が歯列に押し付けられた。順当に考えれば口を開けろということなのだろう。正解の行動かの確信もないまま、口を開く。当たり前の話だが、押し当てられていた親指が隙間から口腔に滑り込んだ。
 根元まで飲み込んだ親指が舌の上に鎮座する。指紋のざらつきが味覚として伝達される。反射的に体は口をすぼめ吸い付いていた。舐る。指の皺を確かめ、関節があることを確認する。爪、その長さ、指との間。指を涎に浸されるも無抵抗のままに、変わらない目で見ている。
 赤ん坊と変わらない。行き場のないどうしようもなさを前に、与えられた慰めそのままに受け取っている。獣のような欲望を見せるよりもそのことのほうが恥ずかしく感じた。
 軽く歯を立てる。感触が伝わるか伝わらないかの甘噛みとは言え噛むということがどうなるかはわからない。抱きしめた背中に爪を立てるように、そうしなければ耐えられなかった。向けられる視線が笑みを含み始めた。
 その意味を解しようとするよりも早く、軽く肩が押された。咥えていた指はするりと抜け、本当に自分でも驚くほど簡単に後ろに倒れた。押し倒され、仰ぎ見た姿に呆然とする。人の体とはこんなにも美しくありうるものなのだろうか。巨躯の体に無駄のない筋肉の鎧。何がどこにつながっていて、それが何のためなのかが見てわかる。なぞってそれを確かめたくなる体つきに唾を飲んだ。ゆっくりと像を結ばない顔が近づいてくる。あまりにも真っすぐに見つめる瞳に、やはり目をそらすことはできなかった。見上げていた時の印象と違い、瞳の中にあどけなさを感じる。超然とすべてを受け入れる穏やかさで見下ろしていたのだと思った瞳は、子供のような好奇心に澄んでいた。今までと違う戸惑いを感じる。
 傲慢だった。勝手に思い込んでいた。神様なのだから。そう思っていた。何をしたって。
 大きな手がへその下に触れる。別に胴が細いほうではないが、広げられた手のひらは胴の幅を超えるのではと思った。滑るようにへその下から、さらに下へスライドしようとする手に、肩を掴む。思惑通り、手はそれ以上先に進まず止まった。代わりに顔がさらに近づく。逃げようにも逃げ場はない。形のいい唇にぎゅっと目をつむる。
 額に柔らかな感触を感じた瞬間、聞いたことのない音の旋律が響いた。

 約束は守らないとな。

 いつの間にかズボンも下着もはぎ取られた。いつの間にか濡れていた体の中心の先端を撫でまわされ、どんな静止の行為も無視され射精させられた。手のひらでぬめりを受け止められ、そのままに上下を始める、終わったばかりの物をしごかれ身を捩るが、すぐにおおきな体で抑えつけられた。肩においていた手は脇の下をくぐらされ中空をつかまされる。どんな声を上げても、明確に拒否の言葉を口にしても手が止まることはなかった。
 すぐに2回目の射精がされたが手は止まらない。そのころには拒否の言葉を形にすることもでぎず、与えられる過剰なまでの喜びに耐えるために歯を食いしばっていた。
 3度目、4度目、逆に抵抗するのではなく受け入れようと脱力するが、知性を感じさせない情けない声を上げるだけに終わった。初めて、潮というものを吹いたと気づいたのは、前から後ろへと手が移動してしばらくたってからだった。
 手の中に放出したぬめりを利用され、秘部をまるくなぞられる。一人遊びばかり上手になった人生で指の一本位、これくらい滑りがあれば慣らさずに入る。まして、受け入れる方にシフトした体は元のように抵抗する方向に戻すことができずにいた。
 そこを撫でられれば終わる話なのに、指先はゆっくりと大きく丸を書く。
 腰を揺らして撫でさせようとしても無駄だった。大きく。小さく。大きく。大きく。2歩進んで3歩下がるような繰り返し。さっきから匂いが強く立っている。ふとした瞬間意識をする程度で、先ほどと違い殴りかかられるような強烈さは無い。けれども、確かにそこに存在する。
 体温が高くなってるわけじゃない。脳がクラクラしてるわけじゃない。あまり物が考えられなくなっているわけじゃない。欲望を抑えられなくなっているわけじゃない。それが平常で普通な気にさせられている気がした。
 既に柔らかくなっている先端が押さえつけてくる身体に触れていて、動くと擦れて気持ちいいことに気づいた。相手が何をしているのかなど関係ない。ズリズリと相手の身体に先を擦りつけるやるせなさを解消する。ふと空いていた手が胸へと伸びてきた。触れるか触れないかの手が突起に添えられ、動くたびに軽く擦られる。快感は増えてももどかしさは増すばかりだった。
 背中に手を回し、抱きしめようとした。けれども胸と胸の間のすき間が埋まることはおろか縮まりもしない。背に回した手を握り込む。拳で背中を叩く。叩き続ける。拳をふる間も体は無意識に揺れつづけていた。叩く力はどんどん強く、速くなった。硬い筋肉に覆われた背中は叩く手の方が痛くなった。それでも、止めることも振り返って自分がしていることを考えることも出来なかった。
 自分が目を瞑っていたのにも気づかなかった。体が快楽の為に動くのを意識はしていたが、まぶたに温かく湿ったものが触れる。知らない内に頬の血管が切れるのではと思うほど瞑っていた目を開くと八の字の眉が映った。少し上がった口角。
 指一本。弾けるように声を上げた。秘部への侵入が開始され、どこをどう触られたわけでもないのに、逃しまいと体がうねる。もっと奥へと握り込んだ手を開き背中から肩へと回す。体が近づく。胸と胸が触れた。頭が肩に預けられた。目の前にあった耳に口づけをした。耳たぶの冷たさが心地よい。ぐっと中にあった指が曲げられ動きだす。喉に詰めるように声を抑えようとする。今さらな話だが、唸るような大声を耳元で聞かせてしまっている。探るような動きもなく、自分でも初めて知る場所を的確に刺激される。ゆっくりと圧迫点が移動し、絶えず動くそれに合わせて身体は反応する。同じか、よりゆっくりとした動き。少しづつコップに水が溜まるようにただ快感が高められる。
 指が増える。コップに注がれる水の量が増え、縋る手の力を強めた。与えられる快感に身体感覚が塗りつぶされ自分の体の形が意識から消える。触れらている所、抱きしめられている所だけが確かなものだった。体にかかる重量が増して、少しだけ自分の体を取り戻し安堵する。その間も中を掻き回されていた。
 2本だと思っていた指はいつの間にか3本になっていた。同じ動きをしていた指が別々に動き出す。縦に横に。さっきとは違う不規則な刺激に揺れる。溢れそうで溢れない。少しだけ考える余裕が出来たり、すぐに考えることが出来なくなったり。
 ひとつまみと言う単位がある。この話を聞くたびに、手指のサイズが違うのだからあてにはならないと思いながら、その程度の誤差はどうでもいいから使われているのだと勝手に納得していた。指3本。これに関しては逆に信用に足るのかもしれないと思った。動きを止めた指に、息を飲んで目を瞑る。
 指が引き抜かれた。





 夢でした。

 なんてこともなく、抱きつぶされた。
 途中で気絶して、一人布団の上にいた時は結局は夢だったのだと思った。しかしながら、立ち上がろうと膝立ち四つん這いになった瞬間覆いかぶさられ、再び気絶させられた。

 六指の男は不定期に目の前に現れるようになった。
 
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