10 / 29
第3章 変化
3-2 思い出
しおりを挟む
俺たちは入念に準備をした。
今までは出来なかったことを、している。
みんな、嬉しそうだった。
いろんな所へ出かけて、色んなものを食べて、
時には喧嘩もして、そして悪かったよ。と仲直りもして、仲良くなって…。
夜までみんなで遊んでいた。楽しかった。これは本心だ。
でも、それでも、冬は弱っていった。
出会った頃は走っていた。
今は歩くことすらままならない時がある。
そんな時でも、みんなは笑っていた。
俺は笑えていただろうか。
わからない。でも、笑えている気がした。
笑っていたんだ。
でも、心の中では、分かっていた。
冬の終わり。
もうすぐ年が変わる。
それが意味するのは、ひとつの生命の終わり。
いや、眠りか。
みんな分かっていた。
でも言わなかった。
言ってしまえば本当に終わる気がしたから。
こんな楽しい思い出も、時が経てば終わる。
当たり前のことだ。
だから人は、いつ終わってもいいように、その時間を全力で楽しむ。
そして終わっても、思い出として語り継がれていく。
人生とはそういうものだ。
いつか終わりが来る。
わかっている。
当たり前なんだ。
分かっているのに、なんで、苦しいんだ。
彼らと、仲間と出会って10日ほどしか経ってないはずなのに、
なぜこんなに辛いんだろう。
彼らは居る。
春、夏、秋、
彼らはこの島にいる。
冬が過ぎても彼らは居る。
でも、そこに、1人だけ、居ない。
それだけなのに。
とても心が痛い。苦しい。
やらなくては、何としても
苦しいのはみんな一緒なんだ。
みんな俺以上に苦しい。
何度もこの経験をしているはずだ。
冬が来て、出会って、春が来て、別れる。
そんな苦い経験を、彼らは何度もしている。
思い出をかみ締めて、何度も何度も冬を繰り返して、
春が来て、また、冬が来る。
焼き付けよう。一瞬を。
この瞬間を、忘れない為に。
思い出として残すんだ。例えそこにいなくたって、心に残り続けるように。
俺がまた、この島に来る保証なんてどこにもない。
家庭の事情で来れなくなるかもしれない。
これがこの島で過ごせる、最後の、冬休みかもしれない。
だから刻み込む、ひとつも忘れないように、この島での思い出を。
冬が言っていた言葉をふと思い出した。
「冬の迷い子は、春を迎えられない。」
だからここに来るのだ。
迎えれもしない。春を迎えるために。
じゃあ、
もし、
春が迎えられたら
冬は、冬の迷い子は、
どこへ行ってしまうのだろうか。
今までは出来なかったことを、している。
みんな、嬉しそうだった。
いろんな所へ出かけて、色んなものを食べて、
時には喧嘩もして、そして悪かったよ。と仲直りもして、仲良くなって…。
夜までみんなで遊んでいた。楽しかった。これは本心だ。
でも、それでも、冬は弱っていった。
出会った頃は走っていた。
今は歩くことすらままならない時がある。
そんな時でも、みんなは笑っていた。
俺は笑えていただろうか。
わからない。でも、笑えている気がした。
笑っていたんだ。
でも、心の中では、分かっていた。
冬の終わり。
もうすぐ年が変わる。
それが意味するのは、ひとつの生命の終わり。
いや、眠りか。
みんな分かっていた。
でも言わなかった。
言ってしまえば本当に終わる気がしたから。
こんな楽しい思い出も、時が経てば終わる。
当たり前のことだ。
だから人は、いつ終わってもいいように、その時間を全力で楽しむ。
そして終わっても、思い出として語り継がれていく。
人生とはそういうものだ。
いつか終わりが来る。
わかっている。
当たり前なんだ。
分かっているのに、なんで、苦しいんだ。
彼らと、仲間と出会って10日ほどしか経ってないはずなのに、
なぜこんなに辛いんだろう。
彼らは居る。
春、夏、秋、
彼らはこの島にいる。
冬が過ぎても彼らは居る。
でも、そこに、1人だけ、居ない。
それだけなのに。
とても心が痛い。苦しい。
やらなくては、何としても
苦しいのはみんな一緒なんだ。
みんな俺以上に苦しい。
何度もこの経験をしているはずだ。
冬が来て、出会って、春が来て、別れる。
そんな苦い経験を、彼らは何度もしている。
思い出をかみ締めて、何度も何度も冬を繰り返して、
春が来て、また、冬が来る。
焼き付けよう。一瞬を。
この瞬間を、忘れない為に。
思い出として残すんだ。例えそこにいなくたって、心に残り続けるように。
俺がまた、この島に来る保証なんてどこにもない。
家庭の事情で来れなくなるかもしれない。
これがこの島で過ごせる、最後の、冬休みかもしれない。
だから刻み込む、ひとつも忘れないように、この島での思い出を。
冬が言っていた言葉をふと思い出した。
「冬の迷い子は、春を迎えられない。」
だからここに来るのだ。
迎えれもしない。春を迎えるために。
じゃあ、
もし、
春が迎えられたら
冬は、冬の迷い子は、
どこへ行ってしまうのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる