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狼牙の力
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亜子は陰陽師を倒す決意をして、音子の炎が消えるのを待った。もう一度狼牙と狐太郎を見ると、狼牙の様子がおかしかった。何かをブツブツ呟いていた。
「あいつら、コタいじめた。俺、コタいじめるやつ、許さない。俺、コタ守る」
狼牙の小さな身体がムクムク大きくなった。また巨大狼になると思ったのだが、狼牙の短い手足がグングン伸び始めた。狼牙の着ていたパーカーはビリビリに破れ、腰に引っかかった。
幼い狼牙は、二十代くらいのたくましい男性の姿になった。狼牙は人間のまま、大きく遠吠えをあげた。地面が震えるような音だった。
青年狼牙は、陰陽師たちをにらむと、地面を強くけった。狼牙は一人目の陰陽師の前に立ちはだかると、男の顔面に鋭いこぶしをぶち込んだ。陰陽師は顔面の顔が変わるくらい殴られて吹っ飛んだ。
もう一人の陰陽師が慌てて術を発動させようとした。だが狼牙はそのすきを与えず、男の腹に重いこぶしをめり込ませた。その一撃で陰陽師の男は気絶してしまったようだ。
亜子はホッとした。二人の陰陽師を倒したのだ。これで亜子たちの安全は保障される。だが狼牙の様子がおかしかった。気絶して動かない陰陽師の男の首を絞めあげている。
「お前、コタいじめた。俺、許さない」
狼牙は怒りで我を忘れてしまっているようだ。狼牙を止めなければ、狼牙は男を殺してしまう。だが亜子はそこで困ってしまった。
カミナリの術を狼牙に落とせば、狼牙は気絶してくれるかもしれない。だがそれだと、一緒にいる陰陽師を巻き込んでしまう。亜子が動けないでいると、狐太郎の悲痛な叫び声が聞こえた。
「だめだ狼牙!人間を殺してはいけない!」
亜子は狐太郎に振り向いた。狐太郎は両手で身体を起こして叫んでいた。亜子と音子は狐太郎の側に駆け寄り、狐太郎を助け起こした。狐太郎は亜子の手をギュッとつかむと、こんがんするように言った。
「亜子!俺を扇で狼牙の所まで飛ばしてくれ!」
狐太郎の悲痛な声に、亜子はうなずいた。音子に支えられた狐太郎の背後に回った。亜子は思いっきり扇をあおいだ。狐太郎は風を受けて跳躍すると、今にも人間を絞め殺そうとしている狼牙の首に抱きついて叫んだ。
「止めろ!狼牙!」
「・・・。コタ?」
怒りに我を忘れていた狼牙の顔に、いつもの穏やかな表情が浮かんだ。
「ああ、俺は無事だ。狼牙が守ってくれたからな」
「コタ、良かった」
狼牙はニッコリ笑うと、身体がぐんぐんちぢんでいった。狐太郎は小さくなった狼牙をギュッと抱きしめた。
亜子はその場にしゃがみこんでしまった。倒れそうになった亜子の背中を、音子が支えてくれた。亜子がありがとうと言って、音子に振り向くと、音子の顔がほんのり赤かった。音子はひとり言のように言った。
「ワイルド系イケメン。やだ、狼牙くん超タイプ」
亜子は身体の力がぐったり抜けてしまった。どうやら音子は青年の姿になった狼牙に惚れてしまったようだ。
いくら身体は青年になれても、心は幼児ではまずいのではないかと思う亜子だった。
「あいつら、コタいじめた。俺、コタいじめるやつ、許さない。俺、コタ守る」
狼牙の小さな身体がムクムク大きくなった。また巨大狼になると思ったのだが、狼牙の短い手足がグングン伸び始めた。狼牙の着ていたパーカーはビリビリに破れ、腰に引っかかった。
幼い狼牙は、二十代くらいのたくましい男性の姿になった。狼牙は人間のまま、大きく遠吠えをあげた。地面が震えるような音だった。
青年狼牙は、陰陽師たちをにらむと、地面を強くけった。狼牙は一人目の陰陽師の前に立ちはだかると、男の顔面に鋭いこぶしをぶち込んだ。陰陽師は顔面の顔が変わるくらい殴られて吹っ飛んだ。
もう一人の陰陽師が慌てて術を発動させようとした。だが狼牙はそのすきを与えず、男の腹に重いこぶしをめり込ませた。その一撃で陰陽師の男は気絶してしまったようだ。
亜子はホッとした。二人の陰陽師を倒したのだ。これで亜子たちの安全は保障される。だが狼牙の様子がおかしかった。気絶して動かない陰陽師の男の首を絞めあげている。
「お前、コタいじめた。俺、許さない」
狼牙は怒りで我を忘れてしまっているようだ。狼牙を止めなければ、狼牙は男を殺してしまう。だが亜子はそこで困ってしまった。
カミナリの術を狼牙に落とせば、狼牙は気絶してくれるかもしれない。だがそれだと、一緒にいる陰陽師を巻き込んでしまう。亜子が動けないでいると、狐太郎の悲痛な叫び声が聞こえた。
「だめだ狼牙!人間を殺してはいけない!」
亜子は狐太郎に振り向いた。狐太郎は両手で身体を起こして叫んでいた。亜子と音子は狐太郎の側に駆け寄り、狐太郎を助け起こした。狐太郎は亜子の手をギュッとつかむと、こんがんするように言った。
「亜子!俺を扇で狼牙の所まで飛ばしてくれ!」
狐太郎の悲痛な声に、亜子はうなずいた。音子に支えられた狐太郎の背後に回った。亜子は思いっきり扇をあおいだ。狐太郎は風を受けて跳躍すると、今にも人間を絞め殺そうとしている狼牙の首に抱きついて叫んだ。
「止めろ!狼牙!」
「・・・。コタ?」
怒りに我を忘れていた狼牙の顔に、いつもの穏やかな表情が浮かんだ。
「ああ、俺は無事だ。狼牙が守ってくれたからな」
「コタ、良かった」
狼牙はニッコリ笑うと、身体がぐんぐんちぢんでいった。狐太郎は小さくなった狼牙をギュッと抱きしめた。
亜子はその場にしゃがみこんでしまった。倒れそうになった亜子の背中を、音子が支えてくれた。亜子がありがとうと言って、音子に振り向くと、音子の顔がほんのり赤かった。音子はひとり言のように言った。
「ワイルド系イケメン。やだ、狼牙くん超タイプ」
亜子は身体の力がぐったり抜けてしまった。どうやら音子は青年の姿になった狼牙に惚れてしまったようだ。
いくら身体は青年になれても、心は幼児ではまずいのではないかと思う亜子だった。
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