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雅樹
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雅樹は日々陰陽師の依頼の采配に奔走していた。父である正勝は高齢のため、実務は長男の雅樹がつとめていた。何ゆえ明神家の長男の雅樹が実務を務めているかというと、雅樹に実務能力がある事も一つだが、何より雅樹は霊能力がそれほど強くない。
人霊はぼんやりとしか見えないし、妖力の強いあやかしに気配を消されては、確認する事もできなかった。陰陽師の修行にしても、日々の精進のわりには、あまり向上しなかった。
明神家当主であり、実父である正勝は、次第に雅樹をうとんじはじめた。だが雅樹は、心の中では安心していたのだ。正勝の実子は雅樹一人。きっと将来雅樹を明神家の長と認めてくれるだろうと。
だがとんでもない事が起こった。正勝は、妖狐の女との間に子供を作ったのだ。その子供は、人間とあやかしの子、半妖だった。
雅樹の弟となった狐太郎は、人間の霊能力が強く、あやかしの妖力も強大だった。正勝はおおいに喜び、弟の狐太郎を時期当主と宣言したのだ。
雅樹の怒りと怨みは計り知れなかった。狐太郎を明神家から追い出さなければ。さもなくば、命を奪ってしまわなければいけない。雅樹は幼い狐太郎の命を何度も殺めようとした。だがその度に獣人の子供狼牙のぼう害にあい、うまくいかなかった。
雅樹の怒りのほこ先は、尊敬していた父にも向いた。正勝が自分を認めないのならば、正勝すらも亡き者にしてしまえばいいのだ。
幸い雅樹は、独善的な父親よりも、明神家の陰陽師たちを操る事が上手かった。人間を操る事など簡単だ。相手の自尊心を刺激してやり、目の前に褒美をぶら下げてやれば、意のままに操れるのだ。
雅樹は水面下で、明神家を乗っ取る手はずを整えていた。ちょうどその頃、狐太郎が中学生になり、半妖の子供たちが通うあやかし学園に入学した。
明神家内では、父親の目が光っているので、中々狐太郎の命を狙う事に成功しなかったが、あやかし学園に入学すれば、暗殺の機会も増えるだろうと考えた。
雅樹の推察は当たり、半妖の子供たちか都会でウロウロしているのを部下が見つけ、あとをつけた。部下たちは見事あやかし学園の結界内に入る事に成功した。
だが結果的に狐太郎を殺す事はできなかった。雅樹が送り込んだ部下は気が触れた状態で戻って来た。雅樹の部下たちは狐太郎に負けてしまったのだ。
あやかし学園の方でも、雅樹たち陰陽師を警戒して、結界が強まったため、見つける事が不可能になってしまった。
だが雅樹は焦らなかった。狐太郎たちはきっとまた行動を起こすだろうと考えていた。
雅樹の書斎の居間に声をかける者がいた。狐太郎を探らせている部下だった。部下はうやうやしく雅樹に言った。
「雅樹さま。狐太郎さまたちが動き出しました」
「場所は?」
「ウィングタワーです」
「そうか、久しぶりに弟にあいさつに行こう」
雅樹は満足そうに呟いた。
人霊はぼんやりとしか見えないし、妖力の強いあやかしに気配を消されては、確認する事もできなかった。陰陽師の修行にしても、日々の精進のわりには、あまり向上しなかった。
明神家当主であり、実父である正勝は、次第に雅樹をうとんじはじめた。だが雅樹は、心の中では安心していたのだ。正勝の実子は雅樹一人。きっと将来雅樹を明神家の長と認めてくれるだろうと。
だがとんでもない事が起こった。正勝は、妖狐の女との間に子供を作ったのだ。その子供は、人間とあやかしの子、半妖だった。
雅樹の弟となった狐太郎は、人間の霊能力が強く、あやかしの妖力も強大だった。正勝はおおいに喜び、弟の狐太郎を時期当主と宣言したのだ。
雅樹の怒りと怨みは計り知れなかった。狐太郎を明神家から追い出さなければ。さもなくば、命を奪ってしまわなければいけない。雅樹は幼い狐太郎の命を何度も殺めようとした。だがその度に獣人の子供狼牙のぼう害にあい、うまくいかなかった。
雅樹の怒りのほこ先は、尊敬していた父にも向いた。正勝が自分を認めないのならば、正勝すらも亡き者にしてしまえばいいのだ。
幸い雅樹は、独善的な父親よりも、明神家の陰陽師たちを操る事が上手かった。人間を操る事など簡単だ。相手の自尊心を刺激してやり、目の前に褒美をぶら下げてやれば、意のままに操れるのだ。
雅樹は水面下で、明神家を乗っ取る手はずを整えていた。ちょうどその頃、狐太郎が中学生になり、半妖の子供たちが通うあやかし学園に入学した。
明神家内では、父親の目が光っているので、中々狐太郎の命を狙う事に成功しなかったが、あやかし学園に入学すれば、暗殺の機会も増えるだろうと考えた。
雅樹の推察は当たり、半妖の子供たちか都会でウロウロしているのを部下が見つけ、あとをつけた。部下たちは見事あやかし学園の結界内に入る事に成功した。
だが結果的に狐太郎を殺す事はできなかった。雅樹が送り込んだ部下は気が触れた状態で戻って来た。雅樹の部下たちは狐太郎に負けてしまったのだ。
あやかし学園の方でも、雅樹たち陰陽師を警戒して、結界が強まったため、見つける事が不可能になってしまった。
だが雅樹は焦らなかった。狐太郎たちはきっとまた行動を起こすだろうと考えていた。
雅樹の書斎の居間に声をかける者がいた。狐太郎を探らせている部下だった。部下はうやうやしく雅樹に言った。
「雅樹さま。狐太郎さまたちが動き出しました」
「場所は?」
「ウィングタワーです」
「そうか、久しぶりに弟にあいさつに行こう」
雅樹は満足そうに呟いた。
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