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ジュエルの生い立ち
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ジュエルは物心ついた時からヒト族に囲まれて暮らしていたようだ。
どうやらジュエルは卵の時にヒト族のものになり、人工孵化されたようだ。
ジュエルは、その姿の美しさから、沢山のヒト族の手を渡ってきた。ジュエルは美しい生きた宝飾品としてヒト族の所有物になっていたのだ。
ジュエルは自身の美しさが誇らしいようで、自慢げに自身の生い立ちを語った。
ジュエルが幸せならば、この鳥籠の中で一生を暮らすのは、彼女にとって良い事なのかもしれない。
俺は一抹の寂しさを感じながらそう思っていると、腕に抱いたトップが叫んだ。
『そんなの変だ!ジュエルの姉ちゃんは間違ってる!おいらたちリュウ族は、自由なんだ!ヒト族に押し込められた暮らしは間違ってる!』
トップの激しい言葉に、ジュエルはギクリと身体を震わす。俺は、ゆっくりとトップとスカーをバルコニーの床に下ろし、トップの背中を優しくなでてからジュエルに向き直った。
「なぁ、ジュエル。その鳥籠から、出たいと考えた事はないかい?」
『ここから、出る?』
ジュエルは小さく呟くとそのまま黙ってしまった。俺は辛抱強く彼女の返事を待った。
『・・・。外は危険だってアルテミシアが言ってた』
「大丈夫だよ。俺たちが側にいて、君を守るよ」
『・・・。アタシ、いつも空を見上げて考えていたの。この空を自由に飛べたら、どんなに素敵だろうって、』
「できるさ!風魔法を使えるジュエルだもの!君は自由になれるよ」
『アタシ、アタシ。自由になりたい』
俺たちはジュエルの主人であるアルテミシアの屋敷の前に立った。門番が疑わしげに俺たちに詰め寄った。
「お前、この屋敷に何用だ!」
「はい。わたくしは旅の宝石商でございます。このお屋敷のあるじさまが大層な宝石の蒐集家とお聞きしまして、ぜひわたくしの宝石をお目にかけたいとはせさんじました」
俺は麻布に包んだ物を門番の手に握らせ、ポケットから金貨を二枚取り出し、彼の目の前に突き出した。つまり賄賂だ。
門番はいやらしい笑みを浮かべて、俺から金貨をむしり取った。門番は俺たちにしばらくここで待つようにと告げて屋敷の中に入った。
門番に持たせた麻布の中には二カラットのピンクダイヤモンド。ジュエルから、主人のアルテミシアは無類のダイヤモンド蒐集家と聞いていたのだ。
トップに作ってもらった宝石で、商談に持ち込もうとしているのだ。
しばらくして門番が戻ってきた。あごで入り口を示す。中に入れというのだ。
中にはピシリとした老年の執事が立っていて、俺たちを案内してくれた。
豪華な部屋に通されると、ソファにしなだれかかるように女性が座っていた。とても美しい女性だ。見たところ三十代くらい、だが女性の年齢はわからないもしかするともっと年齢は上かもしれない。おそらく彼女がジュエルの主人アルテミシアなのだろう。
「お前が、このピンクダイヤモンドの持ち主か?」
「はい、さようでございます。よろしければ他にもお見せさせていただきたい品がございます」
アルテミシアの目がキラリと光った。
どうやらジュエルは卵の時にヒト族のものになり、人工孵化されたようだ。
ジュエルは、その姿の美しさから、沢山のヒト族の手を渡ってきた。ジュエルは美しい生きた宝飾品としてヒト族の所有物になっていたのだ。
ジュエルは自身の美しさが誇らしいようで、自慢げに自身の生い立ちを語った。
ジュエルが幸せならば、この鳥籠の中で一生を暮らすのは、彼女にとって良い事なのかもしれない。
俺は一抹の寂しさを感じながらそう思っていると、腕に抱いたトップが叫んだ。
『そんなの変だ!ジュエルの姉ちゃんは間違ってる!おいらたちリュウ族は、自由なんだ!ヒト族に押し込められた暮らしは間違ってる!』
トップの激しい言葉に、ジュエルはギクリと身体を震わす。俺は、ゆっくりとトップとスカーをバルコニーの床に下ろし、トップの背中を優しくなでてからジュエルに向き直った。
「なぁ、ジュエル。その鳥籠から、出たいと考えた事はないかい?」
『ここから、出る?』
ジュエルは小さく呟くとそのまま黙ってしまった。俺は辛抱強く彼女の返事を待った。
『・・・。外は危険だってアルテミシアが言ってた』
「大丈夫だよ。俺たちが側にいて、君を守るよ」
『・・・。アタシ、いつも空を見上げて考えていたの。この空を自由に飛べたら、どんなに素敵だろうって、』
「できるさ!風魔法を使えるジュエルだもの!君は自由になれるよ」
『アタシ、アタシ。自由になりたい』
俺たちはジュエルの主人であるアルテミシアの屋敷の前に立った。門番が疑わしげに俺たちに詰め寄った。
「お前、この屋敷に何用だ!」
「はい。わたくしは旅の宝石商でございます。このお屋敷のあるじさまが大層な宝石の蒐集家とお聞きしまして、ぜひわたくしの宝石をお目にかけたいとはせさんじました」
俺は麻布に包んだ物を門番の手に握らせ、ポケットから金貨を二枚取り出し、彼の目の前に突き出した。つまり賄賂だ。
門番はいやらしい笑みを浮かべて、俺から金貨をむしり取った。門番は俺たちにしばらくここで待つようにと告げて屋敷の中に入った。
門番に持たせた麻布の中には二カラットのピンクダイヤモンド。ジュエルから、主人のアルテミシアは無類のダイヤモンド蒐集家と聞いていたのだ。
トップに作ってもらった宝石で、商談に持ち込もうとしているのだ。
しばらくして門番が戻ってきた。あごで入り口を示す。中に入れというのだ。
中にはピシリとした老年の執事が立っていて、俺たちを案内してくれた。
豪華な部屋に通されると、ソファにしなだれかかるように女性が座っていた。とても美しい女性だ。見たところ三十代くらい、だが女性の年齢はわからないもしかするともっと年齢は上かもしれない。おそらく彼女がジュエルの主人アルテミシアなのだろう。
「お前が、このピンクダイヤモンドの持ち主か?」
「はい、さようでございます。よろしければ他にもお見せさせていただきたい品がございます」
アルテミシアの目がキラリと光った。
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