恐竜世界に転移した俺に懐いたちっちゃ可愛いドラゴンたちが最強だった

盛平

文字の大きさ
40 / 45

夜の団らん

しおりを挟む
 スカーの特訓が終わった頃、さすがにケロンとジュエルにも疲れが見えてきた。

『あれぇ、おかしいな。ボク力が出ない』
『変ねぇ。アタシも飛ぶのがおっくうだわ』
「ケロンとジュエルは、たくさん魔法を使ったから、魔力切れを起こしたんだ」

 俺の言葉にケロンとジュエルはぼんやりとうなずいた。

 俺はケロンを自分の胸ポケットに入れ、ジュエルを自分の肩にとまらせた。

「さぁ。今日はここで野宿しよう」

 俺は野宿の準備を始めた。森で枯れ木を集め焚き火をたく。ショルダーバッグからナベとまな板とナイフを出して、トップが作ってくれたニンジンとジャガイモを切る。

 水魔法でナベの中に水を満たし、焚き火の横に置く。湯がわいたら切った野菜を煮る。野菜に火が通ったら干し肉をちぎって入れ、塩コショウで味付けをする。スープの完成だ。

 俺のやる事を、ケロンとジュエルは不思議そうにながめていた。

『エイジの食べるものはボクたちとちがうね』
『ヒト族って食べ物に火を入れるのよね。アタシには考えられない』
「ヒト族は食べ物を消化する機能が強くないからね。食べ物を柔らかく煮て食べないといけないんだ」

 俺はショルダーバッグから皆の食べ物を取り出す。スカーは肉のかたまり。ケロンは魚とイカ。トップは自分で作ったたくさんの野菜と果物。

 俺は肩にとまっているジュエルに聞いた。

「なぁ、ジュエルの好物は何だ?」
『アタシはとってもグルメなのよ。丸々太ったゴキブリが大好物だわ!』
「!。そ、そうなんだ」

 ゴキブリ。見る事は平気だが、それを食べているのを想像すると、ゾッときてしまう。俺はジュエルが気を悪くしないように何も言わないでいると、トップが大声で言った。

『ええ!ジュエルの姉ちゃん、ゴキブリ食べるの?!変なの!』
『ゴキブリ食うなんて正気の沙汰じゃねぇな』

 失礼な発言をするトップに続いて、失礼なスカーが続く。

 俺の胸ポケットから顔を出しているケロンが首をかしげる。

『ゴキブリって何?』
「森にいる昆虫だよ」
『コンチュウって何?』
「足が六本ある生物の事だよ」
『海サソリみたい?』
「うーん。海サソリは足がたくさんある節足動物だからなぁ。でもそんな感じ」

 ケロンは納得したらく俺の胸ポケットの中でふんふんうなずいている。今度本物を見せてやろう。

 俺の肩にとまっているジュエルが顔をくもらせて言った。

『ゴキブリを食べるのは変な事かしら。アルテミシアも、アタシがゴキブリを食べてる時はどっかに行っていたわ。もしかしたら嫌だったのかも』

 アルテミシアは女性だから、ゴキブリが苦手な可能が高い。俺はジュエルの美しい羽毛を撫でて言った。

「そんな事ないよ。アルテミシアはジュエルの事をとても愛しているから。俺はヒト族だし、ジュエルたちはリュウ族だけど、皆種族が違うだろ?だから好きな食べ物も違って当然なんだ。だけどこれからゴキブリを探しに行くのは大変だから、ジュエルの他の好物も教えてくれるか?』
『アタシ、果物も好きよ。でも大きいままじゃダメよ。小さく上品にカットしてちょうだい』
「はい、お姫さま。おおせのままに」

 俺はうなずいて、トップが作ってくれたリンゴとオレンジ、モモ、を小さくカットした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...