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いさかいの始まり
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トーマスとエッラは二人だけで結婚の約束をした。トーマスの銀細工の技術が上がったら、エッラの父親であるトーノマ族の族長に結婚の許しをもらいに行こうと決めた。
だがエッラは、父親の前に許嫁であるモンスには最初に伝えたかった。モンスはエッラを小さい頃から守り助けてくれた人だったからだ。
モンスに婚約を解消してほしいと切り出すと、彼はそれまで見た事のない恐ろしい顔になってエッラの頬をひっぱたいた。小柄なエッラはふっとんでしまった。
エッラはそれまで族長の娘として大切に育てられた。それまで他人に暴力を受けた事がなかったのだ。エッラはぼう然と怒り狂うモンスを見上げていた。エッラはモンスをとても傷つけてしまったのだ。
モンスから族長にすみやかに、エッラとトーマスの話しが伝わった。エッラはその日のうちに自宅の部屋に監禁されてしまったのだ。
エッラは自室のベッドに顔をうずめて毎日のように泣き続けた。ある時、エッラの部屋の窓を叩く者がいた。エッラが顔をあげると、弟のドーグと会いたくて仕方なかったトーマスだった。
ドーグがトーマスを連れて来てくれたのだ。ドーグはこのままエッラとトーマスに駆け落ちするように進めてくれた。だがエッラとトーマスは見つめ合うと、固い決意で首をふった。
エッラとトーマスは、自分たちの結婚をトーノマ族の人々にも、ガンドル国の領民たちにも祝福してもらいたかったのだ。
かたくなな姉に、弟のドーグは鎮痛な面持ちで話し出した。
「姉ちゃんとトーマスが約束した婚約を解消しなければ、トーノマ族の皆が領主の館に乗り込む事になってる。このままだとトーマスが危ないよ」
ドーグの言葉にエッラはとたんに不安になった。自分は叩かれても、部屋に監禁されてもかまわない。だがトーマスを傷つけられる事だけはさけたかった。
エッラが悩んでいると、トーマスが口を開いた。
「エッラ、僕の事は心配ないよ?父上が心配して冒険者を雇ってくれたんだ。もし僕が危害をくわえられそうだったら、彼らが守ってくれる。もちろん冒険者たちには、トーノマの人たちを傷つけないように言ってある」
トーマスは安心しろというが、エッラはますます不安になった。これではトーノマ族とガンドル国の人たちの大きな争いになってしまうのではないか。
エッラは考えたすえ、一つの案を思いついた。エッラたちも腕の立つ冒険者を雇うのだ。その冒険者に、争いの仲裁に入ってもらえないだろうか。
そう思いつくと、エッラはすぐ行動に出た。エッラの味方はトーマスとドーグだけではなかった。ドーグの乳母がエッラを助けてくれたのだ。
エッラの母は、ドーグを産んだ後すぐに亡くなってしまったので、ドーグを育てるために乳母が来てくれたのだ。彼女はドーグだけではなく、エッラの事も自分の娘のように可愛がってくれた。
エッラは、自分が家から抜け出した事を悟られないように乳母に頼んで、弟のドーグと王都に向かった。自分たちの味方になってくれる冒険者を探すためだ。
エッラは冒険者協会の前で、屈強な冒険者たちに声をかけた。だが相手にされなかった。やっとの事で話しを聞いてくれそうな二人の冒険者を見つけた。彼らはエッラを見てニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべると、エッラの腕を引っ張ってどこかに連れて行こうとしたのだ。
エッラは嫌がって暴れるが、大男はビクともしない。ドーグが大男にしがみついてエッラを助けようとしてくれたが、ドーグも全く相手にされなかった。
エッラは恐ろしくなって悲鳴をあげようとした時、大男の腕をつかむ者がいた。エッラが涙目で見上げると、そこには金髪に青い瞳の凛々しい青年が立っていた。
だがエッラは、父親の前に許嫁であるモンスには最初に伝えたかった。モンスはエッラを小さい頃から守り助けてくれた人だったからだ。
モンスに婚約を解消してほしいと切り出すと、彼はそれまで見た事のない恐ろしい顔になってエッラの頬をひっぱたいた。小柄なエッラはふっとんでしまった。
エッラはそれまで族長の娘として大切に育てられた。それまで他人に暴力を受けた事がなかったのだ。エッラはぼう然と怒り狂うモンスを見上げていた。エッラはモンスをとても傷つけてしまったのだ。
モンスから族長にすみやかに、エッラとトーマスの話しが伝わった。エッラはその日のうちに自宅の部屋に監禁されてしまったのだ。
エッラは自室のベッドに顔をうずめて毎日のように泣き続けた。ある時、エッラの部屋の窓を叩く者がいた。エッラが顔をあげると、弟のドーグと会いたくて仕方なかったトーマスだった。
ドーグがトーマスを連れて来てくれたのだ。ドーグはこのままエッラとトーマスに駆け落ちするように進めてくれた。だがエッラとトーマスは見つめ合うと、固い決意で首をふった。
エッラとトーマスは、自分たちの結婚をトーノマ族の人々にも、ガンドル国の領民たちにも祝福してもらいたかったのだ。
かたくなな姉に、弟のドーグは鎮痛な面持ちで話し出した。
「姉ちゃんとトーマスが約束した婚約を解消しなければ、トーノマ族の皆が領主の館に乗り込む事になってる。このままだとトーマスが危ないよ」
ドーグの言葉にエッラはとたんに不安になった。自分は叩かれても、部屋に監禁されてもかまわない。だがトーマスを傷つけられる事だけはさけたかった。
エッラが悩んでいると、トーマスが口を開いた。
「エッラ、僕の事は心配ないよ?父上が心配して冒険者を雇ってくれたんだ。もし僕が危害をくわえられそうだったら、彼らが守ってくれる。もちろん冒険者たちには、トーノマの人たちを傷つけないように言ってある」
トーマスは安心しろというが、エッラはますます不安になった。これではトーノマ族とガンドル国の人たちの大きな争いになってしまうのではないか。
エッラは考えたすえ、一つの案を思いついた。エッラたちも腕の立つ冒険者を雇うのだ。その冒険者に、争いの仲裁に入ってもらえないだろうか。
そう思いつくと、エッラはすぐ行動に出た。エッラの味方はトーマスとドーグだけではなかった。ドーグの乳母がエッラを助けてくれたのだ。
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エッラは嫌がって暴れるが、大男はビクともしない。ドーグが大男にしがみついてエッラを助けようとしてくれたが、ドーグも全く相手にされなかった。
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