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雇われた冒険者
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エッラは目の前の状況をぼう然と見ていた。金髪の青年は、あっという間に大男を倒してしまったのだ。もう一人の男が怒って殴りかかろうとした。だが男の前に少年がおどり出て、またもや男を投げ飛ばしてしまったのだ。
青年はサイラス、少年はカイルといった。二人は冒険者で、とても強かった。エッラはすがる思いで、彼らに助力を願った。二人はエッラの願いを快諾してくれた。
エッラは久しぶりに明るい気持ちになった。サイラスとカイル、レッドアイという強い味方ができたからだ。彼らがいてくれれば、争いを止められるかもしれない。
エッラはとっておきの紅茶を淹れて、ドーグと共にサイラスたちのいる部屋に足をすすめた。エッラはふと思い出し笑いをした。
サイラスとカイルの会話が面白かったからだ。サイラスは見た目は凛々しい戦士なのに、カイルに対しての話し方が小さな子供のようなのだ。年下のカイルの事を師匠と呼んで慕っているようなのだ。反対に子供のカイルの方が落ち着いた大人びた話し方をしていた。
エッラは二人の事を、まるでトーマスとドーグのようだと思った。ドーグは博識なトーマスをとても慕っていて、側で見ているとまるで兄弟のようなのだ。
トーマスと結婚できればドーグとトーマスは本当の兄弟になれる。エッラは笑顔を浮かべながら、ドーグに紅茶のセットを乗せた盆を持たせて、部屋のドアを叩こうとした。ふと、室内のサイラスとカイルの話し声が聞こえた。サイラスは驚いたような声で言った。
「何でトーマスが死ぬってわかんだよ?」
その言葉にエッラはギクリとした。カイルはサイラスに何か言葉を返していたが、小さな声なのでドアの向こうにいるエッラには聞き取れなかった。
エッラはにはある不安がもたげた。エッラがモンスに婚約解消を願い出た時、モンスがエッラに言ったのだ。トーマスを殺してやる、と。モンスは銀細工の腕はそれほどでもないが、剣の腕は立つのだ。
トーマスが殺されてしまったらどうしよう。エッラはブルブルと身体が震えた。そんなエッラをドーグは不思議そうに見上げていた。
青年はサイラス、少年はカイルといった。二人は冒険者で、とても強かった。エッラはすがる思いで、彼らに助力を願った。二人はエッラの願いを快諾してくれた。
エッラは久しぶりに明るい気持ちになった。サイラスとカイル、レッドアイという強い味方ができたからだ。彼らがいてくれれば、争いを止められるかもしれない。
エッラはとっておきの紅茶を淹れて、ドーグと共にサイラスたちのいる部屋に足をすすめた。エッラはふと思い出し笑いをした。
サイラスとカイルの会話が面白かったからだ。サイラスは見た目は凛々しい戦士なのに、カイルに対しての話し方が小さな子供のようなのだ。年下のカイルの事を師匠と呼んで慕っているようなのだ。反対に子供のカイルの方が落ち着いた大人びた話し方をしていた。
エッラは二人の事を、まるでトーマスとドーグのようだと思った。ドーグは博識なトーマスをとても慕っていて、側で見ているとまるで兄弟のようなのだ。
トーマスと結婚できればドーグとトーマスは本当の兄弟になれる。エッラは笑顔を浮かべながら、ドーグに紅茶のセットを乗せた盆を持たせて、部屋のドアを叩こうとした。ふと、室内のサイラスとカイルの話し声が聞こえた。サイラスは驚いたような声で言った。
「何でトーマスが死ぬってわかんだよ?」
その言葉にエッラはギクリとした。カイルはサイラスに何か言葉を返していたが、小さな声なのでドアの向こうにいるエッラには聞き取れなかった。
エッラはにはある不安がもたげた。エッラがモンスに婚約解消を願い出た時、モンスがエッラに言ったのだ。トーマスを殺してやる、と。モンスは銀細工の腕はそれほどでもないが、剣の腕は立つのだ。
トーマスが殺されてしまったらどうしよう。エッラはブルブルと身体が震えた。そんなエッラをドーグは不思議そうに見上げていた。
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