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マイラの気持ち
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マイラはまんじりともせず待っていた。大切な妹たちの帰りを。
デイジーの事は心配していない、デイジーは強い女剣士だ。心配なのはパティ。とてもがんばり屋な新米冒険者だ。
パティは早く立派な冒険者になりたいと、焦っているようにもみえる。
今日も、マイラとの夜の団らんを反故にして杖(じょう)の練習に行ってしまった。
パティと夜を過ごせなかったのは残念だが、それよりもパティが心配だった。無理をして大けがをしてしまうのではないか。
マイラがテーブルのイスにこしかけていると、ドアの外から小さくワンワンと犬の鳴き声が聞こえた。
パティの友達のマックスの鳴き声だ。マイラはガタリとイスから立ち上がると、ドアへかけよった。
「おかえり!」
マイラが勢いよくドアを開くと、そこにはパティを横抱きにしたデイジーが立っていた。
「キャァ!パティ!どうしたの?!ケガをしたの?!」
「マイラ、声大きい。近所迷惑よ?パティは大丈夫。疲れて眠っているだけ」
デイジーの言葉に、マイラはほうっと息をはいた。マイラはハッとしてデイジーをせかす。
「すぐにパティをベッドに運んで?!」
「パティ、汗だくでほこりだらけで汚いわよ?」
「そんなの関係ないわ。早くして!」
「・・・。あたしがマイラの家に来た時、汗まみれで汚いからお風呂入ってからじゃないと部屋の中歩くなって言うくせに」
「何ぶつぶつ言ってるのよ」
マイラは納得のいかなそうなデイジーをうながした。デイジーは丁寧な仕草でパティをベッドに横たえる。デイジーの言う通り確かにパティはホコリだらけだ。
「可哀想に、身体を拭いてあげなきゃ」
マイラがタライにお湯をはって持ってくると、デイジーが待ち構えていて、まるでとうもろこしの皮をむくようにパティを丸裸にしていった。
全裸になったパティは、石像彫刻のように美しかった。長く伸びた手足、慎ましやかにふくらんでいる乳房、細く引き締まった腰。
マイラは神聖な気持ちにすらなった。横でデイジーがパティを芋を洗うように拭いている。
「ちょっと、乱暴にきないでよ。デイジー」
「何言ってるの。モタモタしてたらパティが冷えてしまうわ。早く寝巻きを持ってきて」
マイラはそれもそうだと思い、パティがマイラの家に泊まる時に着ているネグリジェを持ってきた。デイジーは繊細なフリルのついたネグリジェをむんずと掴むと、あっという間にパティに着せてやっていた。
マイラがパティの首元まで毛布をかけると、アクアを背中にしがみつかせたチャーミーがベッドの足元に飛び乗った。
ピンキーがベッドヘッドにとまる。マイラは慌ててベッドの足元にマックス用の毛布をしいた。マックスはありがとうというようにクウンと鳴いた。
マイラがホッと息を吐くと、まわりをうろうろしてるデイジーが目についた。マイラは彼女をにらんで言った。
「ちょっとデイジー。早くお風呂に入ってよ」
デイジーはチェッと舌打ちしてから、パティを拭くのに使ったタライとタオルを持って風呂場に行ってしまった。
デイジーの事は心配していない、デイジーは強い女剣士だ。心配なのはパティ。とてもがんばり屋な新米冒険者だ。
パティは早く立派な冒険者になりたいと、焦っているようにもみえる。
今日も、マイラとの夜の団らんを反故にして杖(じょう)の練習に行ってしまった。
パティと夜を過ごせなかったのは残念だが、それよりもパティが心配だった。無理をして大けがをしてしまうのではないか。
マイラがテーブルのイスにこしかけていると、ドアの外から小さくワンワンと犬の鳴き声が聞こえた。
パティの友達のマックスの鳴き声だ。マイラはガタリとイスから立ち上がると、ドアへかけよった。
「おかえり!」
マイラが勢いよくドアを開くと、そこにはパティを横抱きにしたデイジーが立っていた。
「キャァ!パティ!どうしたの?!ケガをしたの?!」
「マイラ、声大きい。近所迷惑よ?パティは大丈夫。疲れて眠っているだけ」
デイジーの言葉に、マイラはほうっと息をはいた。マイラはハッとしてデイジーをせかす。
「すぐにパティをベッドに運んで?!」
「パティ、汗だくでほこりだらけで汚いわよ?」
「そんなの関係ないわ。早くして!」
「・・・。あたしがマイラの家に来た時、汗まみれで汚いからお風呂入ってからじゃないと部屋の中歩くなって言うくせに」
「何ぶつぶつ言ってるのよ」
マイラは納得のいかなそうなデイジーをうながした。デイジーは丁寧な仕草でパティをベッドに横たえる。デイジーの言う通り確かにパティはホコリだらけだ。
「可哀想に、身体を拭いてあげなきゃ」
マイラがタライにお湯をはって持ってくると、デイジーが待ち構えていて、まるでとうもろこしの皮をむくようにパティを丸裸にしていった。
全裸になったパティは、石像彫刻のように美しかった。長く伸びた手足、慎ましやかにふくらんでいる乳房、細く引き締まった腰。
マイラは神聖な気持ちにすらなった。横でデイジーがパティを芋を洗うように拭いている。
「ちょっと、乱暴にきないでよ。デイジー」
「何言ってるの。モタモタしてたらパティが冷えてしまうわ。早く寝巻きを持ってきて」
マイラはそれもそうだと思い、パティがマイラの家に泊まる時に着ているネグリジェを持ってきた。デイジーは繊細なフリルのついたネグリジェをむんずと掴むと、あっという間にパティに着せてやっていた。
マイラがパティの首元まで毛布をかけると、アクアを背中にしがみつかせたチャーミーがベッドの足元に飛び乗った。
ピンキーがベッドヘッドにとまる。マイラは慌ててベッドの足元にマックス用の毛布をしいた。マックスはありがとうというようにクウンと鳴いた。
マイラがホッと息を吐くと、まわりをうろうろしてるデイジーが目についた。マイラは彼女をにらんで言った。
「ちょっとデイジー。早くお風呂に入ってよ」
デイジーはチェッと舌打ちしてから、パティを拭くのに使ったタライとタオルを持って風呂場に行ってしまった。
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