究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

マフサの復讐

　マフサは喜びの表情でジョナサン神父とチコリを見ていた。

　これからパティの前でこの二人を無惨に殺す。その時のパティの驚愕の顔が目に浮かぶようだ。

　マフサは、その場に座り込んでいるトマの両親を見つけて声をかけた。

「トマのおじさん、おばさん。トマを呼んできてくれないか？」
「？。ああ。だがマフサ、トマに何をさせるつもりなんだ？」
「トマにパティを呼んできてほしいんだ」

　トマの父親は不審顔で息子を呼びに言った。

　ゴズリ団のイエーリは、ドミノ村の人々を見回してマフサに言った。

「村人は俺たちの事を見たから皆殺しにするけどいいか？」
「はい。ジジイとパティ以外は、皆ゴミみたいな魔法ですから」

　イエーリの発言に、それまで事の成り行きを見守っていた村人たちが叫び出した。

「キャァァ！助けて！」
「死にたくない！」

　村人たちの恐怖は伝染し、広場中が大混乱になった。

　マフサの服のそでを誰かがつかんだ。見ると父と母だった。

「マフサ、私たちは助けてくれるよな？私たちはお前の両親だ」
「そうよね、マフサ」

　魔法はそでにすがる父親の手を乱暴に払った。

「おや、親父におふくろ。この村を追い出されたんじゃなかったのか？俺を裏切った奴らを助けるわけないじゃないか」

　両親は顔を真っ青にしてその場にくずおれた。

　トマの母親がすがるように言った。

「ねぇ、マフサくん。トマと私たちは助けてくれるでしょ？トマは貴方の親友でしょう？」
「おばさん。何を寝ぼけた事を言っているんですか？トマは貴女たちに似てゴミクズのような奴なんです。村で皆殺しにされた方がトマのためなんです」

　それを聞いたトマの母親は耳障りな声で泣き叫んだ。そうこうしているうちに父親に連れられたトマがやってきた。

「あれ？マフサ。久しぶり。どうしたの？」
「よぉ、よくも俺の事を話してくれたな」
「そ、それは。本当の事を言わないと村を追い出すって言われたから仕方なく、」
「つべこべ言うな。冒険者教会に行って、早くパティを呼んで来い」
「えっ？！何で？」
「口答えするな。早くしないとお前の両親を殺すぞ！」
「えっ？！何言ってるのマフサ？」

　状況が飲み込めない無能のトマを、母親がひっぱたいて空に追い払う。

「イエーリさま。トマの《フライ》はとても遅いのです。娘が来るまでもう少しお待ちください」

　イエーリは面倒くさそうにうなずいた。