見習い動物看護師最強ビーストテイマーになる

盛平

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戦闘開始

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 ティティアはドス黒い目で金髪の男をにらんだ。この男は、美の化身とも言われたこのティティアを美しくないと言った。しかも横にいる田舎臭い娘の方がティティアより美しいとまで言ったのだ。それだけで万死に値する。

 黒髪と金髪、両方コレクションに加えようとしたがやめた。金髪はいたぶってからなぶり殺しにしてやろう。いや、それだけでは飽き足らない。そうだ、金髪が恋しているあの娘を先にむごたらしく八つ裂きにしてやろう。それを見て苦しむ金髪の男を眺めて楽しめばいい。ティティアはそこまで考えて、ようやく溜飲を下げた。

 ティティアは商人の一行に、強力な暗示の魔法をかけた。この魔法をかけられた人間は、すぐさまティティアの奴隷になるのだ。ティティアがニタリと笑いながら商人の一行の様子を確認すると、驚いた事に魔法はかかっていなかった。

 黒髪の商人は必死にティティアの魔法をガードしていた。そして憎らしい金髪の男は一瞬でティティアの魔法を跳ね返したのだ。そして金髪の男は娘も抱き込んで守っていた。ティティアはギリギリと歯ぎしりをした。ティティアはこの不届きな者たちをどうしてやろうかと思案していると、突然彼らの背後に翼の生えた馬と、子虎、トカゲが現れた。ティティアは霊獣というものを知らなかった。ただ自身の部屋に薄汚い獣が入ってきた事に激怒した。


 グリフは心の中で激しく焦っていた。アスランが不用意にティティアを怒らせたため、行方不明になった男たちの居場所を聞くことができなくなってしまった。ティティアの様子をチラリとうかがうと、怒り心頭に達っしているようだ。突然グリフは、頭に鈍器を叩きつけられたような衝撃を感じた。ティティアが精神支配の魔法を使ったのだ。
 
 あまりの強力な魔法に、グリフは意識を保っているのがやっとだった。少しでも気を抜けば失神してしまいそうだった。そこでグリフはハッとした、メリッサは無事だろうか?メリッサは魔力が極めて弱い、このような強力な魔法に当てられたらひとたまりもないだろう。慌てて横を見ると、アスランがメリッサを抱きかかえて守っていた。メリッサの安全を確認し、グリフはホッと息をついた。

 アスランはこの強力な支配魔法の中涼しい顔をしていた、アスランの潜在魔力は計り知れないものなのだ。この時ばかりはグリフもアスランを見直した。だがよくよく考えてみれば、ティティアを怒らせたのはアスラン本人だ、どう考えてもアスランが悪い。

 アスランはメリッサに声をかけた。ティグリスとグラキエースを呼ぶようにと。すると、すぐさま子虎とドラゴンが現れた。そしてアスランも自身の契約霊獣アポロンを呼んだ。アスランがメリッサに言う。

「メリッサ、グラキエースに頼んでこの精神支配魔法をはねのけてもらえないかい?」

 メリッサはうなずいてグラキエースにお願いをした。グラキエースは声高らかに宣言した。

『このわしに精神支配魔法とはこしゃくな!はじき返してくれるわ!』

 グラキエースは強力な魔力をティティアにぶつけて、精神支配魔法を無効化してくれた。自身を取り巻く重圧感が消え、グリフはフゥッと息をはいた。ティティアを見ると、自身の支配魔法が効かないばかりか、跳ね返された事にひどく驚いているようだった。ティティアはグリフたちをにらみ、恨めしげな声で言った。

「よくもわらわを愚弄してくれたな。わらわのお人形たちに斬り殺されるがいい」

 ティティアがそう言うと、扉からゾロゾロと男たちが室内に入って来た、人数にしておよそ三十人はいるだろうか。その多くが黒髪で黒い瞳の男だった。きっと行方不明になった男たちなのだろう。男たちは皆にごった目をしていた。そして銘々に剣を持っていた。おそらくこの男たちはティティアの魔法によって操られているのだ、ケガをさせる訳にはいかない。グリフがアスランたちに目を向けると、皆一斉にうなずいた。グリフの考えが伝わったのだ。皆無傷で救出する。

 グリフは手に土魔法で剣を取り出した。前方にいた黒髪の男がグリフに斬りかかる。グリフはその一太刀を自身の剣で受けると、がら空きになった男の腹に蹴りを入れた。男は仰向けに倒れた。だがすぐさま起き上がり、再びグリフに斬りかかった。グリフはチッと舌打ちをした。男たちに致命傷を与えられない以上このままではこちらが不利だ。どうにかして男たちが操られている魔法を解かなくてはいけない。

 グリフはなおも斬りかかってくる男たちの剣を自身の剣で受け、蹴り倒すか弱い風魔法で吹き飛ばして、なるべくケガをさせないようにした。周りを見るとアスランもグリフと同じように、男たちを転ばせていた。霊獣のアポロンとティグリスも、ドラゴンのグラキエースも弱い魔法で男たちを吹き飛ばしていた。そしてグリフは、一番気がかりなメリッサに目を向ける。

 メリッサは斬りかかる男をしっかり見て、鞭を巧みに使い、男から剣を取り上げた。グリフは思わず笑ってしまった。メリッサは剣と鞭の練習を片時もやめなかった。その成果がこの場で活かされているのだ。グリフはこんな状況なのに嬉しくて仕方なくなった。
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