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操られた者たち
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自分の心臓の音が痛いくらいに鳴り響いている。あかりはとても緊張していた。あかりの目の前には黒い髪で、黒い瞳の男たちが、剣を持って今にもあかりに斬りかかろうとしているのだ。もしあの剣があかりに当たれば大ケガをするだろう。ティグリスとグラキエースには男たちをできるだけ傷つけないように倒してとお願いしてある。
あかりは自分一人でこの状況を切り抜けなければいけないのだ。あかりは、アスランから剣の手ほどきを受けると決めてから、一日も欠かさず剣の練習をしていた。そして同時並行に鞭の練習も続けた。グリフとアスランに模擬刀で斬りかかってもらい、相手から鞭で剣を奪う練習も何度もやった。そして今この時、真価が問われるのだ。
あかりはゆっくりと深呼吸した。相手の男があかりに剣を振り上げ走ってくる。あかりは鞭を構えながら、訓練でアスランとグリフが斬りかかってくるのをよく思い出し、男が鞭の間合いに入ってくるのをうかがった。男があと一歩であかりに斬りかかる寸前、あかりはヒュッと鞭を振り下ろした。あかりの振り下ろした鞭はうまく男の剣に絡みつく、あかりが鞭をグッと引っ張ると、剣は男の手からスポンと抜けた。あかりは相手の剣を見事キャッチした。
やった、練習通りにできた。あかりは嬉しくなって小さくガッツポーズを決めた。だが前を見ると剣を取り上げられた男はそのままあかりに突進してくる。グリフに鞭を教わった時は、相手の武器を取り上げた後死なない程度に鞭の魔法で攻撃しろといわれていた。だがあかりはそこでハタと動きを止めてしまった。
この男はもしかするとサーラの婚約者かもしれない。それでなくてもこの男は操られているだけで何も悪い事はしていないのだ、傷つけるわけにはいかない。次の動きに移れないあかりに男は体当たりをして、あかりは男ごと仰向けに倒れてしまった。あかりは両腕で男を押しのけようとするが重くてうまくいかない。するとグリフの大声がして、フッと軽くなった。
「テメェ、メリッサに何してくれてんだよ!」
あかりが起き上がると険しい顔のグリフが立っていた。どうやら男はグリフに蹴り飛ばされたようだ。なおも男を蹴ろうとするグリフを、あかりは慌てて止める。
「ありがとうグリフ。私は大丈夫だから乱暴はやめて!」
グリフに蹴られた男はなおもゆっくりと起き上がろうとする。グリフは男が起き上がる前に足で踏みつけて立てないようにして言った。
「何度もしつこいんだよ!ん?」
グリフは何かに気づいたようで、足の下で暴れる男をじっくり眺めていた。そしてあかりに言った。
「メリッサ。男の首の後ろを見てみろ、糸だ。どうやらティティアはこの糸を男たちにつけて操っていたんだ」
「じゃあ糸を切れば、この人たちは元に戻れるのね?」
「おそらくはな」
グリフはそう言うと、手に持っていた剣で糸を切ろうとした。だが糸は切れなかった。グリフが口おしげに言う。
「俺の剣技じゃ無理だな」
グリフは素早く呪文を唱えると、手に持っていた剣が光りだした。剣に何らかの魔法をかけたのだろう。グリフはその剣で、もう一度糸を切った。すると今度は糸を切る事に成功した。それまでバタバタと起き上がろうとしていた男は動かなくなった。あかりは心配して男の側にしゃがみこみ、首すじに手を当て脈をみると、拍動を感じた。どうやら操りの魔法は解除されたようだ。グリフは大声で言った。
「アスラン!男たちの首の後ろを見ろ!糸がついている。その糸を切れば操りの魔法は解ける!」
男たちの攻撃を受けるだけだったアスランとアポロンとティグリス、グラキエースは皆うなずきあった。攻撃してくる男たちの背後にまわり、糸を切った。そこかしこで男たちがバタバタと倒れていく。グリフがあかりに言った。
「この男たちは剣の扱いが下手くそだ。おそらくティティアが剣を扱えないんだろう。剣の腕はメリッサの方が上だ。メリッサ、男たちの糸を切って助けるんだ!」
あかりは嬉しくなって、ハイッ!と元気よく返事をした。あかりは自分に斬りかかってくる男の動きをよく見た。剣の練習で、あかりがケガをしないように気をつけて剣を打ち込んでくれたアスランとグリフよりはるかにゆっくりだ。
あかりは男の一太刀をよけ、側面に回り込み、鞭の炎魔法で糸を焼き切った。男はバタリと倒れると動かなくなった。あかりが辺りを見回すと、すでにあらかたの男たちが倒れていた。おそるおそるティティアを顔色を見ると、美しい顔が恐ろしいまでに歪んでいた。あまりの恐ろしさに、あかりはヒイッと小さく悲鳴をあげた。
あかりは自分一人でこの状況を切り抜けなければいけないのだ。あかりは、アスランから剣の手ほどきを受けると決めてから、一日も欠かさず剣の練習をしていた。そして同時並行に鞭の練習も続けた。グリフとアスランに模擬刀で斬りかかってもらい、相手から鞭で剣を奪う練習も何度もやった。そして今この時、真価が問われるのだ。
あかりはゆっくりと深呼吸した。相手の男があかりに剣を振り上げ走ってくる。あかりは鞭を構えながら、訓練でアスランとグリフが斬りかかってくるのをよく思い出し、男が鞭の間合いに入ってくるのをうかがった。男があと一歩であかりに斬りかかる寸前、あかりはヒュッと鞭を振り下ろした。あかりの振り下ろした鞭はうまく男の剣に絡みつく、あかりが鞭をグッと引っ張ると、剣は男の手からスポンと抜けた。あかりは相手の剣を見事キャッチした。
やった、練習通りにできた。あかりは嬉しくなって小さくガッツポーズを決めた。だが前を見ると剣を取り上げられた男はそのままあかりに突進してくる。グリフに鞭を教わった時は、相手の武器を取り上げた後死なない程度に鞭の魔法で攻撃しろといわれていた。だがあかりはそこでハタと動きを止めてしまった。
この男はもしかするとサーラの婚約者かもしれない。それでなくてもこの男は操られているだけで何も悪い事はしていないのだ、傷つけるわけにはいかない。次の動きに移れないあかりに男は体当たりをして、あかりは男ごと仰向けに倒れてしまった。あかりは両腕で男を押しのけようとするが重くてうまくいかない。するとグリフの大声がして、フッと軽くなった。
「テメェ、メリッサに何してくれてんだよ!」
あかりが起き上がると険しい顔のグリフが立っていた。どうやら男はグリフに蹴り飛ばされたようだ。なおも男を蹴ろうとするグリフを、あかりは慌てて止める。
「ありがとうグリフ。私は大丈夫だから乱暴はやめて!」
グリフに蹴られた男はなおもゆっくりと起き上がろうとする。グリフは男が起き上がる前に足で踏みつけて立てないようにして言った。
「何度もしつこいんだよ!ん?」
グリフは何かに気づいたようで、足の下で暴れる男をじっくり眺めていた。そしてあかりに言った。
「メリッサ。男の首の後ろを見てみろ、糸だ。どうやらティティアはこの糸を男たちにつけて操っていたんだ」
「じゃあ糸を切れば、この人たちは元に戻れるのね?」
「おそらくはな」
グリフはそう言うと、手に持っていた剣で糸を切ろうとした。だが糸は切れなかった。グリフが口おしげに言う。
「俺の剣技じゃ無理だな」
グリフは素早く呪文を唱えると、手に持っていた剣が光りだした。剣に何らかの魔法をかけたのだろう。グリフはその剣で、もう一度糸を切った。すると今度は糸を切る事に成功した。それまでバタバタと起き上がろうとしていた男は動かなくなった。あかりは心配して男の側にしゃがみこみ、首すじに手を当て脈をみると、拍動を感じた。どうやら操りの魔法は解除されたようだ。グリフは大声で言った。
「アスラン!男たちの首の後ろを見ろ!糸がついている。その糸を切れば操りの魔法は解ける!」
男たちの攻撃を受けるだけだったアスランとアポロンとティグリス、グラキエースは皆うなずきあった。攻撃してくる男たちの背後にまわり、糸を切った。そこかしこで男たちがバタバタと倒れていく。グリフがあかりに言った。
「この男たちは剣の扱いが下手くそだ。おそらくティティアが剣を扱えないんだろう。剣の腕はメリッサの方が上だ。メリッサ、男たちの糸を切って助けるんだ!」
あかりは嬉しくなって、ハイッ!と元気よく返事をした。あかりは自分に斬りかかってくる男の動きをよく見た。剣の練習で、あかりがケガをしないように気をつけて剣を打ち込んでくれたアスランとグリフよりはるかにゆっくりだ。
あかりは男の一太刀をよけ、側面に回り込み、鞭の炎魔法で糸を焼き切った。男はバタリと倒れると動かなくなった。あかりが辺りを見回すと、すでにあらかたの男たちが倒れていた。おそるおそるティティアを顔色を見ると、美しい顔が恐ろしいまでに歪んでいた。あまりの恐ろしさに、あかりはヒイッと小さく悲鳴をあげた。
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