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怪物ティティア
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アスランが辺りを見回すと、ティティアに操られていた黒髪の男たちはほとんど倒れていた。この男たちを早く安全な場所に避難させなくてはいけない。さてどうしたものか。愛馬アポロンに乗せて運んでもらっても、せいぜい二、三人しか乗せられない。しかしこの場に倒れている男たちはざっと三十人以上はいるのだ。モタモタしていればティティアの格好の攻撃の的にされてしまう。
アスランが思案していると、グリフが何やら呪文を唱えた。するとグリフの両手の指から細い糸が出てきて、倒れている男たちにくっついた。すると驚いた事に、十人の男たちがムクリと起き上がったのだ。どうやらグリフはティティアの魔法を見ただけで自分のものにしてしまったようだ。
アスランが驚きの目で見ていると、グリフが操っている十人の男たちは、皆一様に倒れている男を肩に担ぎだした。そしてグリフはまた呪文を唱えた。するとグリフの横に、空間魔法が出現した。これはグリフの契約霊獣の魔法だ。グリフは同時に二つの高等魔法を操っているのだ。グリフの作った空間魔法の出口を見ると、この屋敷の外につながっていた。アスランは思わずグリフに言った。
「すごいなグリフは、高等魔法を二つも操るなんて」
グリフはこともなげに答えた。
「ご主人さまはもっと遠くの場所に空間魔法を開けるけどな。俺は屋敷の外が精一杯だ。おい、アスランぼさっとしてねぇで男担いで外に出せ」
グリフに操られている男たちはゾロゾロと男を担いで空間魔法の出口に向かって行った。アスランはそれにならい、アポロンの背中に三人の男を乗せて、自分は両手に男を抱えて空間魔法に放り込んだ。残りの倒れている男たちは、ティグリスとグラキエースが魔法で運んでくれた。
グリフは行方不明だった男たちを外に出し終えると、おもむろにメリッサの手を取って言った。
「じゃあ俺とメリッサは安全な所に非難するからな。お前らがんばれよ」
メリッサが心配そうな顔をしてアスランたちを見る。アスランは笑顔でうなずいてメリッサに言った。
「大丈夫だよメリッサ。すぐに君たちに合流するから先に行ってくれ」
アスランはティティアと向かい合った時、すぐに自分の方が強いと確信した。アスランは幼い頃から父に厳しく剣を教えられた。そのため、アスランは戦う相手と剣を構えただけで相手に勝てるかわかるようになった。アスランの目の前にいるティティアという女性は、魔力が強いだけで剣技の素養は皆無だった。
アスランはすぐに彼女を倒す事ができるだろう。だがその姿をメリッサに見られたくはなかった。優しいメリッサの前で、たとえ魔物と契約してしまった人間であっても、人を殺める光景は見せたくなかった。だからアスランもグリフとメリッサが戦線を離脱する事に賛成した。
グリフがメリッサをうながして、空間魔法の出口に足をかけようとした途端、グリフが魔法に弾かれた。グリフは無様に倒れてしまった。メリッサが心配してグリフに声をかけている。アスランがティティアを見ると、彼女はニヤニヤと気味の悪い笑顔を浮かべていた。アスランが室内を見渡すと、いつの間にかクモの糸でおおわれていた。このクモの糸のせいで、グリフの空間魔法が使えなくなったのだろう。
アスランは、何故ティティアが大切な人形たちを外に逃がす時に何もしてこなかったのかを悟った。ティティアは人形よりも、アスランたちをなぶり殺す事を優先させたのだ。グリフが舌打ちしながら言った。
「クソッ、空間魔法が妨害されて発動できねぇ!」
「じゃあメリッサの契約霊獣を呼ぶ事もできないのかい?」
アスランの言葉に、メリッサが小さくセレーナ。と呟いた。だが美しいヒョウの霊獣は現れなかった。アスランはため息をつきながら仲間に聞こえてるように宣言した。
「仕方ない、どうやら僕たちはティティアを倒さなければ外に出られないようだ」
アスランが仲間に目を向けると、皆強い視線をティティアに向けながらうなずいた。グリフかため息まじりに言った。
「しゃあねぇなぁ、覚悟決めるか。グラキエース、メリッサに防御魔法をしてくれ」
グリフの言葉にグラキエースはうなずいて、強力な氷の球体でメリッサを包む。これでメリッサの安全は確保された。ティティアはニヤニヤ笑いながら高笑いをした。
「キャハハ!わらわを愚弄した事を死を持ってつぐなってもらうぞ」
ティティアはそういうと内に秘めていた魔力を解放した。ティティアの下半身がドンドン巨大化し、まるでクモの胴体のようになった。ティティアは上半身は人間の女性だが、下半身はクモの化け物に変身したのだ。アスランはある疑問が湧いてグリフに聞いた。
「なぁグリフ、あれも美人と言うのかい?」
グリフは真っ青な顔でアスランを怒鳴った。
「美人のカテゴリーから完全に逸脱してるよ!めちゃくちゃ怖えーよ!!」
アスランが思案していると、グリフが何やら呪文を唱えた。するとグリフの両手の指から細い糸が出てきて、倒れている男たちにくっついた。すると驚いた事に、十人の男たちがムクリと起き上がったのだ。どうやらグリフはティティアの魔法を見ただけで自分のものにしてしまったようだ。
アスランが驚きの目で見ていると、グリフが操っている十人の男たちは、皆一様に倒れている男を肩に担ぎだした。そしてグリフはまた呪文を唱えた。するとグリフの横に、空間魔法が出現した。これはグリフの契約霊獣の魔法だ。グリフは同時に二つの高等魔法を操っているのだ。グリフの作った空間魔法の出口を見ると、この屋敷の外につながっていた。アスランは思わずグリフに言った。
「すごいなグリフは、高等魔法を二つも操るなんて」
グリフはこともなげに答えた。
「ご主人さまはもっと遠くの場所に空間魔法を開けるけどな。俺は屋敷の外が精一杯だ。おい、アスランぼさっとしてねぇで男担いで外に出せ」
グリフに操られている男たちはゾロゾロと男を担いで空間魔法の出口に向かって行った。アスランはそれにならい、アポロンの背中に三人の男を乗せて、自分は両手に男を抱えて空間魔法に放り込んだ。残りの倒れている男たちは、ティグリスとグラキエースが魔法で運んでくれた。
グリフは行方不明だった男たちを外に出し終えると、おもむろにメリッサの手を取って言った。
「じゃあ俺とメリッサは安全な所に非難するからな。お前らがんばれよ」
メリッサが心配そうな顔をしてアスランたちを見る。アスランは笑顔でうなずいてメリッサに言った。
「大丈夫だよメリッサ。すぐに君たちに合流するから先に行ってくれ」
アスランはティティアと向かい合った時、すぐに自分の方が強いと確信した。アスランは幼い頃から父に厳しく剣を教えられた。そのため、アスランは戦う相手と剣を構えただけで相手に勝てるかわかるようになった。アスランの目の前にいるティティアという女性は、魔力が強いだけで剣技の素養は皆無だった。
アスランはすぐに彼女を倒す事ができるだろう。だがその姿をメリッサに見られたくはなかった。優しいメリッサの前で、たとえ魔物と契約してしまった人間であっても、人を殺める光景は見せたくなかった。だからアスランもグリフとメリッサが戦線を離脱する事に賛成した。
グリフがメリッサをうながして、空間魔法の出口に足をかけようとした途端、グリフが魔法に弾かれた。グリフは無様に倒れてしまった。メリッサが心配してグリフに声をかけている。アスランがティティアを見ると、彼女はニヤニヤと気味の悪い笑顔を浮かべていた。アスランが室内を見渡すと、いつの間にかクモの糸でおおわれていた。このクモの糸のせいで、グリフの空間魔法が使えなくなったのだろう。
アスランは、何故ティティアが大切な人形たちを外に逃がす時に何もしてこなかったのかを悟った。ティティアは人形よりも、アスランたちをなぶり殺す事を優先させたのだ。グリフが舌打ちしながら言った。
「クソッ、空間魔法が妨害されて発動できねぇ!」
「じゃあメリッサの契約霊獣を呼ぶ事もできないのかい?」
アスランの言葉に、メリッサが小さくセレーナ。と呟いた。だが美しいヒョウの霊獣は現れなかった。アスランはため息をつきながら仲間に聞こえてるように宣言した。
「仕方ない、どうやら僕たちはティティアを倒さなければ外に出られないようだ」
アスランが仲間に目を向けると、皆強い視線をティティアに向けながらうなずいた。グリフかため息まじりに言った。
「しゃあねぇなぁ、覚悟決めるか。グラキエース、メリッサに防御魔法をしてくれ」
グリフの言葉にグラキエースはうなずいて、強力な氷の球体でメリッサを包む。これでメリッサの安全は確保された。ティティアはニヤニヤ笑いながら高笑いをした。
「キャハハ!わらわを愚弄した事を死を持ってつぐなってもらうぞ」
ティティアはそういうと内に秘めていた魔力を解放した。ティティアの下半身がドンドン巨大化し、まるでクモの胴体のようになった。ティティアは上半身は人間の女性だが、下半身はクモの化け物に変身したのだ。アスランはある疑問が湧いてグリフに聞いた。
「なぁグリフ、あれも美人と言うのかい?」
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「美人のカテゴリーから完全に逸脱してるよ!めちゃくちゃ怖えーよ!!」
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