パーティークイーン

Choco

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連れ去られた社長令嬢

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「先輩!俺たちと遊びに行こうよ。」
部活中、和真がもえに言った言葉だった。悠馬は外せないパーティーがあって部活には来ていない。もちろんもえはいいよと答えた。


部活が終わって、全員が帰るまで部室に残る。すると、一通の電話がかかってくる。もえの親からだ。この電話が事件のきっかけとなることが知らないもえは電話に出る。


電話に出ると開口一番に信じられないことを伝えられる。
「もしもし、お父様。もえです。」
このもえの異常な言葉遣いに和真は目を見開く。すると、もえの父親の声が電話越しに和真の耳にも聞こえてくる。
「今日は亮平くんとの婚約パーティを行うと言ったいただろう。何故帰ってこない。今そっちに迎えをやっているから来なさい。」
言うだけ言って電話を切る父にもえはクソ親父と吐き捨ててスマホを投げる。そして、和真が口を開く。
「先輩、婚約するの?」
この言葉で呆然としていたもえは正気に戻り、きっぱりと言う。
「するわけないじゃん、そんなの。」
そう言うと、さっき投げたスマホを取り、どこかに電話をかける。
『もしもし』と言って出たのは悠馬だった。
「悠馬、今日あんたがパーティーに行ったのは私と引き離すためじゃないの?さっき親から電話かかってきて、亮平と婚約パーティーするから迎えに行くって言われたんだけど。」
事実を聞き、悠馬は青ざめる。


「もえっ、5分で行くから絶対そこにいろよ。」
そう言い残して悠馬は電話を切った。


電話を切って少し経つと、部室をノックし、入っていいですかー?という声が聞こえる。翔真の声だ。和真がいいよ!と言い、もえはドアの前に置いてあったものを片付ける。しばらくしてもドアが開くことはなく、和真がドアを開ける。
「翔、どうした?」
ドアを開けると、黒いスーツを着た男が2人居て、その中の1人がもえをめがけて中へ入る。一瞬だった。
「もえお嬢様、大人しくこちらに来て下さるのならここにいる2人には手を出しません。言うことを聞かなければどうなるか分かっていますよね?」
男がそう言うと、もう1人の翔真の近くにいた男は翔真の手首を掴む。それを見て、密かに悠馬に習った護身術は使えないと判断し、男たちについて行ったのだった。


もえが連れていかれて数分後、悠馬が戻ってきて武田兄弟に問いかける。
「おい!もえはどこにいる?」
これを聞き、和真が申し訳なさそうに話し始める。
「悠馬先輩、ごめんなさい。もえ先輩がいきなり黒いスーツを着た男たちに捕まって抵抗しようとしたら、翔の腕を掴んで大人しくしていたら何もしないって。そしたらそのままついて行ったんです。」
悠馬はパーティーの時間を調べる。すると、すでにパーティー開始まで残り30分を切っていた。


残り30分。もえが連れていかれた時間とパーティー開始までの時間を考え、悠馬は必死で会場を探す。しかし、見つかるのは早かった。巨大財閥の社長令嬢が婚約するとなると人も沢山来るため利用する会場は限られてくる。同じく巨大財閥の御曹司である悠馬にとって会場を特定することは簡単だった。
「見つけたぞ!お前らも一緒に来てくれ。」
そう言うと、武田兄弟が黙って頷く。


会場に走っていくと物陰に隠れ、武田兄弟にどうやってもえを連れ出すか説明する。その内容は、婚約発表と同時に悠馬が照明を落とし、その隙に翔真がもえをつれて外に出る。何かあった時のために外で待っていた和真にもえを渡し、近所にある武田兄弟の家へ行くという方法だ。それを聞いた和真は疑問に思ったことがある。
「悠馬先輩、相手の婚約者の人に止められませんか?」
これを聞き、悠馬は不敵に笑った。
「大丈夫、あいつには電話して協力して貰えるように頼んどいた。俺たちの幼馴染だから信じていいぞ!」
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