ダブル魔眼の最強術師 ~前世は散々でしたが、せっかく転生したので今度は最高の人生を目指します!~

雪華慧太

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4、ベビーシッターはお年頃

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「ばぶ~」

 俺はちょっと不機嫌そうにそうアレンジをして泣き声を上げる。
 ベビーシッターをしているのはアリシアっていう女の使用人だ。

 栗色の髪に笑顔がキュートな14歳ってところだな。

 まあ嫌いじゃない。
 俺を可愛がってくれるし、とてもはつらつとした愛らしい少女だ。
 しかし、人間とは贅沢なものですな。
 一度、至高の存在を知ってしまうとそれ以外は受け付けなくなってしまうのですよ。
 そんないかがわしい鑑定士の様な感想を抱きながら俺はアリシアに抱かれている。

 それでは俺の女神さまは一体どこにいるかと言えば、一応直ぐ目の前にいる。
 遠く目で見ても光り輝くその美貌は変りはしない。
 それどころかさらに輝きを増しているようにさえ見える。

 何をしているのかと言うとどうやら病人の治療のようだ。
 いい忘れたが俺の母親は、町で治療院を開業している。

 苦しげな病人の前でママンは真剣な顔をしていた。
 その顔はいつもの笑顔とは違う魅力を秘めている。

(凄え……)

 俺は思わず唸った。
 いつ見ても凄い。

 ママンの身体からは輝くような光が溢れていた。

 これは俺の詩的表現では無く、実際に光が溢れているのだ
 正直初めてこれを見た時は、俺も度肝を抜かれた。
 ゲームやアニメで見るようなモノとはまるで迫力が違う。

 ママンは溢れ出すその光を両手に集めて、患者の痛みの原因になっている部分に優しく触れる
 すると大抵の患者はいままでの苦しげな顔が嘘の様に笑顔になって、ママンに何度も頭を下げる。

 患者の笑顔を見てようやくママンも笑顔を見せる。
 その笑顔たるやもう本当に女神のレベルだ。
 俺はそんなママンをみて誇らしくなった。

 どうやらこの世界は俺が元いた世界とは大分違うようだ。
 見た感じは中世の欧州と言ったところか。

(いやむしろ、ファンタジーで言うところの剣と魔法の世界と言った感じだな……)

 俺はまだ見たことはないが魔物や魔族と言った存在もいるらしい。
 意外と物騒な世界だな……
 実際にママンの所には冒険者のパーティーらしいグループが、怪我をした仲間を連れてやってくることも多い。

 やって来る人たちは貧しい者も多いが、中には貴族の様に身なりが整った人々もいる。
 その誰もがママンには敬意を払っている。
 どうやらうちの母上様は結構な有名人のようだ。

 アリシアが俺に話してくれたママンの経歴はざっとこうだ。

 まあアリシアは俺が分かってるとは思わずにあやすように話しただけなのだろうが
 中身が三十路の俺をなめるなよ。
 ママンの情報は聞き逃したりしない。

 齢13歳にして一人前の魔法使いになったママンは、世界を旅をする冒険者になった。
 成人扱いされるのが早いこの世界では才能があれば10代前半でも冒険者になるとか結構よくある話らしい。

 一緒に旅をしたパーティーメンバーは5人。
 数々のダンジョンを踏破したそのパーティは、未だに結構な語り草になっているらしい。

 攻撃魔法も回復魔法も使いこなす少女ママンは聖光のエルディアナと呼ばれていた天才少女だったらしい。
 うむ、意外とこの世界の住人も中二病患者は多いようだな。
 そう俺の母親の名前はエルディアナ。
 美しい名前はその姿に相応しい。

 さてここで問題です。
 齢13歳で既に天才と呼ばれていたママンは世界を旅をして……そして。

 俺はここから先を考えるのが大嫌いだ。
 ママンは今20歳ぐらいだろう。
 まさに天上に咲く白い薔薇の花だ。
 十代のママンが一緒に旅をしていたパーティー。
 その中にその可憐な白薔薇を無造作に摘んだ野郎がいる。

 俺が不機嫌になっている本当の理由はそこにある!
 アリシアの顔が俺に笑顔で言った。

「ふふっ、ロイ様。今日はアラン様がお父様が帰ってくる日ですわね」

 俺の不機嫌は最高潮に達した。
 そうだ不貞寝しよう。
 俺はそう決めて硬く瞼を閉じたんだ。
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