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41、魔氷剣レオベウス
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アンドニウスの魔力が、その手にある剣の氷帝の紋章を輝かせている。
その光がフィードバックするように、アンドニウスの魔力を更に高めているのを感じた。
「面白れえ……この魔氷剣レオベウス受け止めるとはな。くくく、だがこの剣の力はこんなものじゃねえ。てめえは、ぶっ潰してやる! この俺様がな!!」
どうやら、この剣の名は魔氷剣レオベウスというらしい。
やばい名前だ。
ゲームでいえばどう考えても序盤で出てくるアイテムじゃない。
最終ダンジョンで手に入りそうなやつだ。
俺たちは鍔迫り合いをした後、一度大きく距離をとる。
周りは俺たちに戦いに気が付いたのか騒々しくなっていく。
新入生たちは校庭を離れ、校舎の傍から俺たちの戦いを見守っていた。
そして、その中には昼休みに食堂に向かっていた二年や三年の姿も見える。
こちらを見て口々に声を上げるのが聞こえてくる。
「お、おい! なんだあれ?」
「模擬戦闘訓練か!!?」
「でも、今は昼休みよ?」
新入生が、上級生たちに説明したのだろう。
次第にその内容が変っていく。
「おい、戦ってるのは、例の噂の新入生と氷帝の息子らしいぞ」
「凄い魔力だ。ここにいても感じるぜ!」
このままだといずれ、生徒会や校長の耳にも入るかもしれない。
それはかえって面倒だ。
今度は俺が一気に奴の懐へと飛び込む。
それを見て見学者から声が上がった。
「早い!」
「ああ、なんてスピードだ!!」
その声がした時は、俺はもうアンドニウスの目の前にいた。
そのままアンドニウスの手にする剣を弾き飛ばすために下から斬り上げる。
俺のこの目と毎朝の修練の成果だ、アランの動きを完全にコピーしている。
こちらの剣先をアンドニウスは辛うじてかわすと、代わりに奴の髪を一束斬り飛ばした俺の剣の周りにアンドニウスの髪の毛が舞う。
俺を見るその目は笑っていた。
「面白え、レオベウスを手にしたこの俺様に向かってくるとはな。てめえは鼠じゃねえ、ロイ・リンドグルーム。それだけは認めてやるよ」
その言葉と同時に、凄まじい速さで奴の上段からの斬りおろしが放たれる。
体をひねってそれをかわすと、今度は俺の髪が一房斬り飛ばされて周囲に舞った。
俺はそのままコマのように回転して、再び奴との距離をとる。
こいつ……
どうやら口だけではないようだ。
魔力だけではなく、剣技も相当な腕だ。
あの魔氷剣とやらの力だけではこうはいかない。
俺はちらりとアーシェがいた場所を確認する。
そしてほっと息を吐いた。
「流石先生。アーシェの気持は嬉しいけど、これで気兼ねなく戦えそうだ」
その時、俺の右肩に再び白いフェレットが現れる。
そして俺に告げた。
「ロイ、アーシェは安全な場所に避難させたよ。もう遠慮はいらない、全力でやりな」
「ありがとうございます、先生」
俺が横目で校舎の方を見ると、アーシェが胸の前で両手をギュッと握りしめて祈るようにこちらを見つめている。
ラフィーネ先生がビビの風の力を使ってアーシェを避難させたのだろう。
心配するアーシェに、俺の為だと言って説得したに違いない。
アーシェの気持は嬉しいけど、こいつとの戦闘に巻き込みたくはないからな。
俺は離れた場所にいるアーシェの姿を見て更に魔力を高めていく。
渦を巻く俺の魔力。
それを見て、こちらを見ている上級生たちが声を上げた。
「おい、嘘だろ……まだ魔力が高まっていく」
「あれが新入生? あり得ないわ、新入生があんな力! 生徒会の一員でもあるまいし」
「一体何者なのあの子!」
「でもよ、氷帝の息子の魔力も普通じゃねえぞ!」
確かに、アンドニウスの魔力はあの魔氷剣レオベウスとやらに増幅されるかのように膨れ上がっていく。
これはヤバいやつだ。
ビビが身を起こして俺に警告する。
「ロイ! 気をつけな! 何か来るよ!!」
「ええ、先生!!」
その時、アンドニウスの背後に凄まじい数の魔法陣が現れた。
俺を逃がさないようにドーム状に取り囲むように描き出されている。
どれもとんでもない量の魔力を秘めている。
「ふふ、ははは! 喰らえロイ・リンドグルーム! 氷剣封殺陣! 一気にケリをつけてやるぜ!!」
次の瞬間──
その魔法陣からは、無数の氷の剣が生み出されすべての方角から俺に向かって降り注いだ。
その光がフィードバックするように、アンドニウスの魔力を更に高めているのを感じた。
「面白れえ……この魔氷剣レオベウス受け止めるとはな。くくく、だがこの剣の力はこんなものじゃねえ。てめえは、ぶっ潰してやる! この俺様がな!!」
どうやら、この剣の名は魔氷剣レオベウスというらしい。
やばい名前だ。
ゲームでいえばどう考えても序盤で出てくるアイテムじゃない。
最終ダンジョンで手に入りそうなやつだ。
俺たちは鍔迫り合いをした後、一度大きく距離をとる。
周りは俺たちに戦いに気が付いたのか騒々しくなっていく。
新入生たちは校庭を離れ、校舎の傍から俺たちの戦いを見守っていた。
そして、その中には昼休みに食堂に向かっていた二年や三年の姿も見える。
こちらを見て口々に声を上げるのが聞こえてくる。
「お、おい! なんだあれ?」
「模擬戦闘訓練か!!?」
「でも、今は昼休みよ?」
新入生が、上級生たちに説明したのだろう。
次第にその内容が変っていく。
「おい、戦ってるのは、例の噂の新入生と氷帝の息子らしいぞ」
「凄い魔力だ。ここにいても感じるぜ!」
このままだといずれ、生徒会や校長の耳にも入るかもしれない。
それはかえって面倒だ。
今度は俺が一気に奴の懐へと飛び込む。
それを見て見学者から声が上がった。
「早い!」
「ああ、なんてスピードだ!!」
その声がした時は、俺はもうアンドニウスの目の前にいた。
そのままアンドニウスの手にする剣を弾き飛ばすために下から斬り上げる。
俺のこの目と毎朝の修練の成果だ、アランの動きを完全にコピーしている。
こちらの剣先をアンドニウスは辛うじてかわすと、代わりに奴の髪を一束斬り飛ばした俺の剣の周りにアンドニウスの髪の毛が舞う。
俺を見るその目は笑っていた。
「面白え、レオベウスを手にしたこの俺様に向かってくるとはな。てめえは鼠じゃねえ、ロイ・リンドグルーム。それだけは認めてやるよ」
その言葉と同時に、凄まじい速さで奴の上段からの斬りおろしが放たれる。
体をひねってそれをかわすと、今度は俺の髪が一房斬り飛ばされて周囲に舞った。
俺はそのままコマのように回転して、再び奴との距離をとる。
こいつ……
どうやら口だけではないようだ。
魔力だけではなく、剣技も相当な腕だ。
あの魔氷剣とやらの力だけではこうはいかない。
俺はちらりとアーシェがいた場所を確認する。
そしてほっと息を吐いた。
「流石先生。アーシェの気持は嬉しいけど、これで気兼ねなく戦えそうだ」
その時、俺の右肩に再び白いフェレットが現れる。
そして俺に告げた。
「ロイ、アーシェは安全な場所に避難させたよ。もう遠慮はいらない、全力でやりな」
「ありがとうございます、先生」
俺が横目で校舎の方を見ると、アーシェが胸の前で両手をギュッと握りしめて祈るようにこちらを見つめている。
ラフィーネ先生がビビの風の力を使ってアーシェを避難させたのだろう。
心配するアーシェに、俺の為だと言って説得したに違いない。
アーシェの気持は嬉しいけど、こいつとの戦闘に巻き込みたくはないからな。
俺は離れた場所にいるアーシェの姿を見て更に魔力を高めていく。
渦を巻く俺の魔力。
それを見て、こちらを見ている上級生たちが声を上げた。
「おい、嘘だろ……まだ魔力が高まっていく」
「あれが新入生? あり得ないわ、新入生があんな力! 生徒会の一員でもあるまいし」
「一体何者なのあの子!」
「でもよ、氷帝の息子の魔力も普通じゃねえぞ!」
確かに、アンドニウスの魔力はあの魔氷剣レオベウスとやらに増幅されるかのように膨れ上がっていく。
これはヤバいやつだ。
ビビが身を起こして俺に警告する。
「ロイ! 気をつけな! 何か来るよ!!」
「ええ、先生!!」
その時、アンドニウスの背後に凄まじい数の魔法陣が現れた。
俺を逃がさないようにドーム状に取り囲むように描き出されている。
どれもとんでもない量の魔力を秘めている。
「ふふ、ははは! 喰らえロイ・リンドグルーム! 氷剣封殺陣! 一気にケリをつけてやるぜ!!」
次の瞬間──
その魔法陣からは、無数の氷の剣が生み出されすべての方角から俺に向かって降り注いだ。
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