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54、魔銃
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キースが作り出した魔銃ともいえるライフルが打ち出したのは、魔力を凝縮して作り出した弾丸だ。
俺の目がその構造や魔力の流れをはっきりと把握している。
そして、その弾丸の速さも。
こいつは恐ろしいスナイパーだ。
ふざけた野郎に見えるが、こいつ自身が言うように遠距離からのターゲットの狙撃が目的ならこいつの能力は有効だろう。
こちらに向かってくる弾丸は俺の肩を打ち抜く。
「ぐっ!!」
思わず膝をつく俺を見てアーシェが叫んだ。
「ロイ!!!」
その叫びを聞いて、一瞬体勢を崩した俺は再びしっかりとキースを見据える。
それを見てキースは舌打ちをしながら言った。
「ちっ! 抵抗しやがるなら、今度は肩じゃ済まねえぞ!!」
そう言って再びこちらにライフルを構える、キース。
「出来ますかね、キース先輩。その技はもう見ましたよ」
「何だと!!?」
俺の右手には黄金に輝くあるものが握られている。
それを見てキースは叫ぶ。
「お、おい! てめえ、それはまさか!!」
「ええ、参考にさせて頂きました。但し、近接戦闘用に改良はしてありますが」
その瞬間、再びキースの銃口が火を噴く。
こちらに向かってくる、魔力を凝縮した弾丸。
それを、俺が放った弾丸が弾き飛ばし方向を変えた。
「くっ! マジか!! 俺の技をコピーしやがった! あり得ねえ、こいつどうかしてやがるぜ!」
俺が手にしているのは、黄金に輝くリボルバーだ。
そこから放たれた弾丸が、キースのライフルが放った弾丸の方向を変えぶつかった弾丸は生徒会室の壁に着弾する。
「俺の目は特別製でしてね」
まさか、銃なんてものを使う相手が現れるとは思わなかったが、それならこっちのほうが一枚上手だ。
無論、日本に日常に銃なんてあるわけではないが、漫画だろうがアニメだろうが銃を描いた作品は幾らでもあるからな。
イマジネーションの種には事欠かない。
後は魔力をどんな風に使って、魔銃を作り出しているのかその魔力的な構造さえ分かればそれを応用するだけだ。
同時に俺の肩を貫いたはずの魔力の弾丸が、ころりと床に落ちて転がった。
「おい、嘘だろ……あれが見えてたってのか?」
禄でもない前世のお蔭で、他人への警戒心は強い方だ。
いつ何が起きてもいいように、神経をとがらせて魔力を高めていたからな。
「ええ、残念ですが」
キース自身が言うように、こいつの力は遠距離からの狙撃に特化している。
だが、目の前で銃口を突きつけられれば、それが狙う場所を魔力で何重にも防御すれば事足りるからな。
まあ、もちろん、あのスピードを見切れればの話だが。
ビビの風魔法も俺の肩で渦巻いている。
ラフィーネ先生のガードのおまけもついてるからな。
「ちっ! 舐めやがって!!」
もう一度、銃を構えるキース。
同時に生徒会室に再び銃声が鳴り響いた。
「ぐっ!!!」
腕を抑えて、床に膝をつくキース。
あいつのライフルが火を噴く前に俺のリボルバーが放った弾丸が、奴のライフルを弾き飛ばし、キースの肩を打ち抜いている。
弾に込めた魔力の量は調節はしてあるが、もうしばらくは戦えないだろう。
俺はティア先輩と戦っているケルヴィンに銃口を向けた。
「一体何が目的なのかは分かりませんが、形勢逆転ですね。生徒会長」
ティア先輩とケルヴィンは、2メートルほど距離を取り、お互いにけん制し合って対峙している。
その瞬間、俺の魔力で補充されたリボルバーが5連続で火を噴く。
5発の魔弾が、ケルヴィン目掛けて一直線に向かっていった。
ケルヴィンの目が俺を射抜いている。
「面白いことをするが、子供騙しだ。君に見えるものが私に見えないとでも思っているのかい」
確かに、こいつなら俺の弾丸の動きを見切ることは可能だろう。
その言葉が発せられた時には、俺が放った魔弾は全て奴の剣で斬り落とされていた。
だが──
「いいえ、想定内ですよ。ですがこれでチェックメイトです」
俺の弾丸はこいつの姿勢を僅かに崩す為のものに過ぎない。
本命は、別にいる。
まるで殺し屋のような目をしたティア先輩が、凄まじい速さでケルヴィンの懐に踏み込むともう剣を構えている。
この人なら俺が作った僅かな隙を見逃すはずがない。
味方だと分かっているのなら誰よりも頼もしい相手だ。
これはもう一対一の戦いじゃない。
二対二の戦いだ。
なら、二人で勝てばいい。
赤い髪を靡かせた美少女は、恐ろしい速さで刀を一閃するとケルヴィンの剣を弾き飛ばし、それが勢いよく生徒会室の天井に突き刺さる。
「ええ、これでチェックメイトね、ロイ君」
ティア先輩は、刀をケルヴィンの喉元に突き付けながら言った。
「会長、どういうことなのか全部話して頂きますよ。事と次第によっては、私にも考えがあります」
俺の目がその構造や魔力の流れをはっきりと把握している。
そして、その弾丸の速さも。
こいつは恐ろしいスナイパーだ。
ふざけた野郎に見えるが、こいつ自身が言うように遠距離からのターゲットの狙撃が目的ならこいつの能力は有効だろう。
こちらに向かってくる弾丸は俺の肩を打ち抜く。
「ぐっ!!」
思わず膝をつく俺を見てアーシェが叫んだ。
「ロイ!!!」
その叫びを聞いて、一瞬体勢を崩した俺は再びしっかりとキースを見据える。
それを見てキースは舌打ちをしながら言った。
「ちっ! 抵抗しやがるなら、今度は肩じゃ済まねえぞ!!」
そう言って再びこちらにライフルを構える、キース。
「出来ますかね、キース先輩。その技はもう見ましたよ」
「何だと!!?」
俺の右手には黄金に輝くあるものが握られている。
それを見てキースは叫ぶ。
「お、おい! てめえ、それはまさか!!」
「ええ、参考にさせて頂きました。但し、近接戦闘用に改良はしてありますが」
その瞬間、再びキースの銃口が火を噴く。
こちらに向かってくる、魔力を凝縮した弾丸。
それを、俺が放った弾丸が弾き飛ばし方向を変えた。
「くっ! マジか!! 俺の技をコピーしやがった! あり得ねえ、こいつどうかしてやがるぜ!」
俺が手にしているのは、黄金に輝くリボルバーだ。
そこから放たれた弾丸が、キースのライフルが放った弾丸の方向を変えぶつかった弾丸は生徒会室の壁に着弾する。
「俺の目は特別製でしてね」
まさか、銃なんてものを使う相手が現れるとは思わなかったが、それならこっちのほうが一枚上手だ。
無論、日本に日常に銃なんてあるわけではないが、漫画だろうがアニメだろうが銃を描いた作品は幾らでもあるからな。
イマジネーションの種には事欠かない。
後は魔力をどんな風に使って、魔銃を作り出しているのかその魔力的な構造さえ分かればそれを応用するだけだ。
同時に俺の肩を貫いたはずの魔力の弾丸が、ころりと床に落ちて転がった。
「おい、嘘だろ……あれが見えてたってのか?」
禄でもない前世のお蔭で、他人への警戒心は強い方だ。
いつ何が起きてもいいように、神経をとがらせて魔力を高めていたからな。
「ええ、残念ですが」
キース自身が言うように、こいつの力は遠距離からの狙撃に特化している。
だが、目の前で銃口を突きつけられれば、それが狙う場所を魔力で何重にも防御すれば事足りるからな。
まあ、もちろん、あのスピードを見切れればの話だが。
ビビの風魔法も俺の肩で渦巻いている。
ラフィーネ先生のガードのおまけもついてるからな。
「ちっ! 舐めやがって!!」
もう一度、銃を構えるキース。
同時に生徒会室に再び銃声が鳴り響いた。
「ぐっ!!!」
腕を抑えて、床に膝をつくキース。
あいつのライフルが火を噴く前に俺のリボルバーが放った弾丸が、奴のライフルを弾き飛ばし、キースの肩を打ち抜いている。
弾に込めた魔力の量は調節はしてあるが、もうしばらくは戦えないだろう。
俺はティア先輩と戦っているケルヴィンに銃口を向けた。
「一体何が目的なのかは分かりませんが、形勢逆転ですね。生徒会長」
ティア先輩とケルヴィンは、2メートルほど距離を取り、お互いにけん制し合って対峙している。
その瞬間、俺の魔力で補充されたリボルバーが5連続で火を噴く。
5発の魔弾が、ケルヴィン目掛けて一直線に向かっていった。
ケルヴィンの目が俺を射抜いている。
「面白いことをするが、子供騙しだ。君に見えるものが私に見えないとでも思っているのかい」
確かに、こいつなら俺の弾丸の動きを見切ることは可能だろう。
その言葉が発せられた時には、俺が放った魔弾は全て奴の剣で斬り落とされていた。
だが──
「いいえ、想定内ですよ。ですがこれでチェックメイトです」
俺の弾丸はこいつの姿勢を僅かに崩す為のものに過ぎない。
本命は、別にいる。
まるで殺し屋のような目をしたティア先輩が、凄まじい速さでケルヴィンの懐に踏み込むともう剣を構えている。
この人なら俺が作った僅かな隙を見逃すはずがない。
味方だと分かっているのなら誰よりも頼もしい相手だ。
これはもう一対一の戦いじゃない。
二対二の戦いだ。
なら、二人で勝てばいい。
赤い髪を靡かせた美少女は、恐ろしい速さで刀を一閃するとケルヴィンの剣を弾き飛ばし、それが勢いよく生徒会室の天井に突き刺さる。
「ええ、これでチェックメイトね、ロイ君」
ティア先輩は、刀をケルヴィンの喉元に突き付けながら言った。
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