68 / 73
68、風に舞う
しおりを挟む
一方その頃、士官学校の校長を務めるファレーン伯爵の邸宅の庭では、一人の少女が静かに佇んでいた。
凛としたその美貌。そして黒髪が、庭に巻き起こった風に靡いている。
その風は、自然に起きたものではなく彼女が魔力で作り出したものだ。
庭の木々が揺れ、木の葉が舞い散るとそれは風によって少女の周りに運ばれた。
その瞬間──
風がやみ少女の周囲には無数の木の葉が舞っている。
だが、その少女は先ほどまでの黒髪の少女ではない。
いつの間にかその髪は美しい真紅に染まって、瞳の色も燃え上がるような赤に変わっている。
少女の唇から凛とした気合が放たれる。
「はぁああああああ!」
その刹那、彼女の腰から提げた刀は抜かれていた。
凄まじい速さの居合斬りだ。
鞘から抜き放たれた刀が横に一閃されたかと思うと、まるで幻影のような残像が無数に浮かび上がる。
同時に、少女の周囲を舞っている木の葉は全て真っ二つになりそのまま地に舞い落ちた。
彼女のその姿を周囲で見守っていた屋敷のメイドたちが、一斉に黄色い歓声を上げる。
「きゃぁああ、ティアお嬢様! いつ見ても素敵!」
「見て、いつ切ったの? あの木の葉が全部真っ二つに」
「はぁああん! お嬢様、結婚して下さい! 私の王子様!!」
三人目のメイドの言葉に、ティアは溜め息を吐きながら刀を鞘に収める。
同時にその髪はまた黒へと戻っていく。
「あのね、貴方たち。仕事はどうしたの? まったく、何が面白くて私の朝練なんて見てるんだか。大体、私の王子様って何なのよ! 失礼しちゃうわね。私は女です!」
メイドたちは相変わらず黄色い声援を上げながらティアに答える。
「いいんです! 私たち通いのメイドは、まだ仕事前ですから」
「そうですよ。これは私たちの朝の楽しみなんです」
「大目に見て下さい! ビクトルードの紅の騎士、その名の通り凛々しくて私たちの憧れです! そこらへんの男なんて目じゃないですわ」
ティアは溜め息を吐きながら肩をすくめる。
「はいはい、好きにして頂戴」
そろそろ士官学校に登校する時間だ。
ティアはそう思い、メイドたちと一緒に屋敷へと歩いていく。
庭に面したテラスからリビングに入ると、大きな食卓の上に置いてあるサンドイッチをぱくりと齧る。
少し勝気な美貌が、士官学校の制服にもよく似合いそんな様子も様になる。
「ん~! 美味しい! 鍛錬の後の朝ご飯は最高だわ」
食卓に座る母親のエミリアは、学園関係の資料に目を通しながら紅茶を飲んでいた。
そして、立ったまま朝食をとる娘を見てため息をついた。
「ティア、お行儀が悪いわよ。座って食べなさい」
「別にいいじゃない、お母様。こっちの方が気楽だわ」
「まったく貴方ったら。生徒会の副会長がそれでは、他の生徒たちに示しがつかなくてよ」
一方で、エミリアの隣に大柄な男はティアの姿を見て目を細めた。
自然とその体から溢れ出る覇気は超ド級である。
「よいではないか、エミリア。うちの天使のなんと愛らしいことよ。ワシには見えるぞ、その背に生えた天使の翼が!」
「……」
「てぃ、ティア! 何なのだその目は」
無言のティアに冷たい目で見つめ返されて、しょんぼりとするのは父親であり炎帝と呼ばれるこの国の英雄だ。
超ド級の覇気まですっかりしぼんで見える。
その姿を見てティアはふぅと溜め息を吐いた。
「もう、そんな顔しないでよお父様。いつまでも小さな子供扱いするからだわ! お父様には、もう一人前の女性として見て欲しいの。陛下から騎士の称号を頂いた時からそう思ってるわ。い、いずれ好きな人と結婚だってしたいし」
ティアはそう言って頬を染めながら、昨日のことを思い出す。
(ふふ、昨日のロイ君もほんとに可愛かった。生徒会のメンバーになれば、毎日一緒に過ごせるわよね)
そんなことを考えながら、思わず頬を緩めていると父である炎帝が席を立ちあがる。
「け、結婚だと!?」
そう言って、炎帝が握るのは神槍と呼ばれたゲイボルンである。
それは紅蓮の炎を纏うと凄まじい魔力がそこに宿っていく。
「ま、まさか好きな男でも出来たのか? ティア! ワシは、許さんぞ!!」
ティアは慌てて言った。
「ちょ! お、お父様! そんなもの握って何するつもり! いい加減にして! お父様がそれじゃあ、みんな怖がって私ずっとお嫁にいけないじゃない」
それを聞いて炎帝は満足そうに笑う。
「ふはは、良いではないか。この家に好きなだけおればよいのだからな。ワシは構わんぞ!」
「お父様が構わなくても、私が構うんです!」
そんな父娘の姿をエミリアは溜め息を吐きながら眺めると、夫に言う。
「貴方ったら、いつまでもくだらないこと言ってないでお出かけの準備をなさってください。ご出仕の時間ですわよ。今日は陛下にもお会いするご用向きがあるのでしょう?」
「う、うむ! そ、そうだったな。エミリア、学園の方は頼んだぞ」
そう言った後、妻の耳に囁く。
「特にティアに変な虫がつかぬようにな」
「はいはい、分かりました。あなた」
エミリアはそう答えると、慣れた様子で夫の出支度を手伝うとティアと一緒に送り出す。
そして、娘を見ると言う。
「これじゃあ、暫くはロイ君のことあの人に紹介できそうもないわね。ちょっとした戦争になりそうだわ。四帝候補生に加えるつもりだってこともまだ話せてないし、昨日はあの人も学園に居なかったから騒ぎのことは知らないでしょうからね」
「は!? お、お母様! べ、別に私はそんな……ロイ君は将来この国の為になる子だと思うから、お母様にお話ししただけよ!」
そんな、娘の様子を見てエミリアは悪戯っぽい眼差しで笑う。
「あら、隠さなくていいじゃない。ふふ、ロイ君可愛いもの! なんだかこう母性本能をくすぐられるのよね。女の子みたいなあの外見から想像も出来ない程、大胆なところもあるし。そのギャップがいいのよね」
「そう! そうなの!! お母様分かってるじゃない」
ロイの話で盛り上がる母娘。
ティアは、母親にうまうまと乗せられたことを知りコホンと咳払いすると言う。
「でも、お母様、本当に大丈夫なの? ロイ君をあの風帝の候補生にするなんて。風帝といえば知る人ぞ知る伝説の天才魔導師。100年前風のように現れて、この国の窮地を救った後また風のように消えたとか。その素性から、彼が使う魔道まで知られてないことが多い謎の人物よ。ロイ君が風帝を目指すにしても、どうやってそれを指導するつもりなの?」
「そうかもしれないわね。でも、似てると思わない? 風帝の術は変幻自在だったと言われているわ。キースの技を瞬時にコピーするように真似て見せたのを見て、私はロイ君ならもしかしてって思ったの。あの子の技も変幻自在、その発想力は驚くほど自由だわ」
「確かに、でも……」
それでもまだ心配そうなティアを見つめながらエミリアは言った。
「もちろん、まだ学んでもらうことは多いわ。でも、屋上からロイ君とアンドニウスとの戦いを見たケルヴィンから聞いた話だと、あの子の技は全て思い付きのオリジナルというわけでもないの。きちんとした基礎も併せ持っているわ」
「どういうこと、お母様?」
ティアも、ロイとアンドニウスが校庭で戦っているところを実際に見たわけではない。
見たのは生徒会室の中での攻防だけだ。
エミリアは、娘の言葉に大きく頷くと答えた。
「ケルヴィンが言うにはあの子の剣技は、剣聖流だそうよ。それも、もしロイ君にそれを教えた者がいるとしたら、とんでもなく腕がたつ者だろうと彼は言っていたわ」
─────
ご覧頂きましてありがとうございます。
最近忙しくて、毎日更新が難しくなってすみません!
少し前から以前書き溜めていた部分がなくなって、新しい所に入ってるんですよね。
でも、頑張って二日に一度ぐらいは更新出来るようにとは思ってます。
同時連載中の「神速の成長チート」も沢山の方にお読み頂きましてありがとうございます。
あちらも先程更新したので、もしよかったらぜひご覧くださいね。
いつも応援して下さる皆様に感謝です!
それでは今後ともロイたち共々よろしくお願いします!
凛としたその美貌。そして黒髪が、庭に巻き起こった風に靡いている。
その風は、自然に起きたものではなく彼女が魔力で作り出したものだ。
庭の木々が揺れ、木の葉が舞い散るとそれは風によって少女の周りに運ばれた。
その瞬間──
風がやみ少女の周囲には無数の木の葉が舞っている。
だが、その少女は先ほどまでの黒髪の少女ではない。
いつの間にかその髪は美しい真紅に染まって、瞳の色も燃え上がるような赤に変わっている。
少女の唇から凛とした気合が放たれる。
「はぁああああああ!」
その刹那、彼女の腰から提げた刀は抜かれていた。
凄まじい速さの居合斬りだ。
鞘から抜き放たれた刀が横に一閃されたかと思うと、まるで幻影のような残像が無数に浮かび上がる。
同時に、少女の周囲を舞っている木の葉は全て真っ二つになりそのまま地に舞い落ちた。
彼女のその姿を周囲で見守っていた屋敷のメイドたちが、一斉に黄色い歓声を上げる。
「きゃぁああ、ティアお嬢様! いつ見ても素敵!」
「見て、いつ切ったの? あの木の葉が全部真っ二つに」
「はぁああん! お嬢様、結婚して下さい! 私の王子様!!」
三人目のメイドの言葉に、ティアは溜め息を吐きながら刀を鞘に収める。
同時にその髪はまた黒へと戻っていく。
「あのね、貴方たち。仕事はどうしたの? まったく、何が面白くて私の朝練なんて見てるんだか。大体、私の王子様って何なのよ! 失礼しちゃうわね。私は女です!」
メイドたちは相変わらず黄色い声援を上げながらティアに答える。
「いいんです! 私たち通いのメイドは、まだ仕事前ですから」
「そうですよ。これは私たちの朝の楽しみなんです」
「大目に見て下さい! ビクトルードの紅の騎士、その名の通り凛々しくて私たちの憧れです! そこらへんの男なんて目じゃないですわ」
ティアは溜め息を吐きながら肩をすくめる。
「はいはい、好きにして頂戴」
そろそろ士官学校に登校する時間だ。
ティアはそう思い、メイドたちと一緒に屋敷へと歩いていく。
庭に面したテラスからリビングに入ると、大きな食卓の上に置いてあるサンドイッチをぱくりと齧る。
少し勝気な美貌が、士官学校の制服にもよく似合いそんな様子も様になる。
「ん~! 美味しい! 鍛錬の後の朝ご飯は最高だわ」
食卓に座る母親のエミリアは、学園関係の資料に目を通しながら紅茶を飲んでいた。
そして、立ったまま朝食をとる娘を見てため息をついた。
「ティア、お行儀が悪いわよ。座って食べなさい」
「別にいいじゃない、お母様。こっちの方が気楽だわ」
「まったく貴方ったら。生徒会の副会長がそれでは、他の生徒たちに示しがつかなくてよ」
一方で、エミリアの隣に大柄な男はティアの姿を見て目を細めた。
自然とその体から溢れ出る覇気は超ド級である。
「よいではないか、エミリア。うちの天使のなんと愛らしいことよ。ワシには見えるぞ、その背に生えた天使の翼が!」
「……」
「てぃ、ティア! 何なのだその目は」
無言のティアに冷たい目で見つめ返されて、しょんぼりとするのは父親であり炎帝と呼ばれるこの国の英雄だ。
超ド級の覇気まですっかりしぼんで見える。
その姿を見てティアはふぅと溜め息を吐いた。
「もう、そんな顔しないでよお父様。いつまでも小さな子供扱いするからだわ! お父様には、もう一人前の女性として見て欲しいの。陛下から騎士の称号を頂いた時からそう思ってるわ。い、いずれ好きな人と結婚だってしたいし」
ティアはそう言って頬を染めながら、昨日のことを思い出す。
(ふふ、昨日のロイ君もほんとに可愛かった。生徒会のメンバーになれば、毎日一緒に過ごせるわよね)
そんなことを考えながら、思わず頬を緩めていると父である炎帝が席を立ちあがる。
「け、結婚だと!?」
そう言って、炎帝が握るのは神槍と呼ばれたゲイボルンである。
それは紅蓮の炎を纏うと凄まじい魔力がそこに宿っていく。
「ま、まさか好きな男でも出来たのか? ティア! ワシは、許さんぞ!!」
ティアは慌てて言った。
「ちょ! お、お父様! そんなもの握って何するつもり! いい加減にして! お父様がそれじゃあ、みんな怖がって私ずっとお嫁にいけないじゃない」
それを聞いて炎帝は満足そうに笑う。
「ふはは、良いではないか。この家に好きなだけおればよいのだからな。ワシは構わんぞ!」
「お父様が構わなくても、私が構うんです!」
そんな父娘の姿をエミリアは溜め息を吐きながら眺めると、夫に言う。
「貴方ったら、いつまでもくだらないこと言ってないでお出かけの準備をなさってください。ご出仕の時間ですわよ。今日は陛下にもお会いするご用向きがあるのでしょう?」
「う、うむ! そ、そうだったな。エミリア、学園の方は頼んだぞ」
そう言った後、妻の耳に囁く。
「特にティアに変な虫がつかぬようにな」
「はいはい、分かりました。あなた」
エミリアはそう答えると、慣れた様子で夫の出支度を手伝うとティアと一緒に送り出す。
そして、娘を見ると言う。
「これじゃあ、暫くはロイ君のことあの人に紹介できそうもないわね。ちょっとした戦争になりそうだわ。四帝候補生に加えるつもりだってこともまだ話せてないし、昨日はあの人も学園に居なかったから騒ぎのことは知らないでしょうからね」
「は!? お、お母様! べ、別に私はそんな……ロイ君は将来この国の為になる子だと思うから、お母様にお話ししただけよ!」
そんな、娘の様子を見てエミリアは悪戯っぽい眼差しで笑う。
「あら、隠さなくていいじゃない。ふふ、ロイ君可愛いもの! なんだかこう母性本能をくすぐられるのよね。女の子みたいなあの外見から想像も出来ない程、大胆なところもあるし。そのギャップがいいのよね」
「そう! そうなの!! お母様分かってるじゃない」
ロイの話で盛り上がる母娘。
ティアは、母親にうまうまと乗せられたことを知りコホンと咳払いすると言う。
「でも、お母様、本当に大丈夫なの? ロイ君をあの風帝の候補生にするなんて。風帝といえば知る人ぞ知る伝説の天才魔導師。100年前風のように現れて、この国の窮地を救った後また風のように消えたとか。その素性から、彼が使う魔道まで知られてないことが多い謎の人物よ。ロイ君が風帝を目指すにしても、どうやってそれを指導するつもりなの?」
「そうかもしれないわね。でも、似てると思わない? 風帝の術は変幻自在だったと言われているわ。キースの技を瞬時にコピーするように真似て見せたのを見て、私はロイ君ならもしかしてって思ったの。あの子の技も変幻自在、その発想力は驚くほど自由だわ」
「確かに、でも……」
それでもまだ心配そうなティアを見つめながらエミリアは言った。
「もちろん、まだ学んでもらうことは多いわ。でも、屋上からロイ君とアンドニウスとの戦いを見たケルヴィンから聞いた話だと、あの子の技は全て思い付きのオリジナルというわけでもないの。きちんとした基礎も併せ持っているわ」
「どういうこと、お母様?」
ティアも、ロイとアンドニウスが校庭で戦っているところを実際に見たわけではない。
見たのは生徒会室の中での攻防だけだ。
エミリアは、娘の言葉に大きく頷くと答えた。
「ケルヴィンが言うにはあの子の剣技は、剣聖流だそうよ。それも、もしロイ君にそれを教えた者がいるとしたら、とんでもなく腕がたつ者だろうと彼は言っていたわ」
─────
ご覧頂きましてありがとうございます。
最近忙しくて、毎日更新が難しくなってすみません!
少し前から以前書き溜めていた部分がなくなって、新しい所に入ってるんですよね。
でも、頑張って二日に一度ぐらいは更新出来るようにとは思ってます。
同時連載中の「神速の成長チート」も沢山の方にお読み頂きましてありがとうございます。
あちらも先程更新したので、もしよかったらぜひご覧くださいね。
いつも応援して下さる皆様に感謝です!
それでは今後ともロイたち共々よろしくお願いします!
14
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます
長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました
★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★
★現在4巻まで絶賛発売中!★
「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」
苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。
トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが――
俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ?
※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
社畜の異世界再出発
U65
ファンタジー
社畜、気づけば異世界の赤ちゃんでした――!?
ブラック企業に心身を削られ、人生リタイアした社畜が目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界。
前世では死ぬほど働いた。今度は、笑って生きたい。
けれどこの世界、穏やかに生きるには……ちょっと強くなる必要があるらしい。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる