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276、鎖に繋がれしもの
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「エイジ、貴方が知りたいものはあそこよ!」
メグの言葉に、エイジたちは彼女の視線の先を見る。
枯れかけている枝の先には、一枚の葉だけが辛うじて落ちずに残っていた。
メグはエイジとエリスの手を握ったまま、その葉の傍の枝に立つ。
するとメグの虹色の髪が長く伸びて、その葉に触れる。
「二人とも目を閉じて、意識を私の手に集中して!」
メグのその言葉に、エイジとエリスは頷くと目を閉じる。
その様子を確認したメグの体から、二人に向かって波紋が伝わっていく。
「どう? エイジ、エリス、貴方たちも感じるはずよ」
目を閉じたまま二人は頷いた。
「ああ、見える……」
「あれは一体!」
いつの間にか黄金の大樹は、二人の前から消えている。
一枚の葉が作り出した映像が、二人の前に新しい世界を作り上げたのだ。
そこには白い竜がいた。
白い光を放つ巨大な竜。
そして、その竜を封じるかのように絡めとっている鎖。
竜の体が動くたびに、その鎖は強く締め付けているように見える。
巨大な人工の空洞の中に竜は拘束されていた。
三人はその光景を頭上から眺めている。
これが遥か太古に起きた出来事に過ぎないと分かっていても、その迫力に圧倒される。
エイジはメグに尋ねた。
「メグ、どういうことなんだ。俺たちが知りたいのは、白王の薔薇の事だぜ?」
メグは頷きながらエイジを見つめる。
「そう、あれは白王の薔薇じゃないわ。……白王そのものだもの」
それを聞いて驚くエイジとエリス!
もう一度、鎖に繋がれた巨大な竜を眺める。
「あれが……白王?」
「メグ、どうして貴方がそんなことを知っているの!? 私は本で読んだことがあるわ、白王の薔薇がなぜそう呼ばれているのかは誰も知らないって」
エリスの言葉を聞いてエイジは思う。
(確かにな。白王の薔薇という言葉はいろんな人から聞いたけど、白王自体が何なのかって言うのは初めて聞いた)
メグはエリスの言葉を聞いて頷く。
「直ぐに分かるわ、見てあの人を」
メグが促す先には一人の人間がいた。
エイジは思う。
(これは、まるで……)
よく見ると、巨大な竜が拘束されている人工の空洞はまるで研究施設のように見える。
白衣を着た人間達が沢山、その中で働いているのが見えた。
メグが言った男は、彼らを引き連れて巨大な竜の目の前に立っている。
その衣装は、一人だけ白衣ではない。
王族のように豪華な服を着ている。
傍に居る白衣の男たちの長らしき老人が、膝を付いて話しかける。
「陛下、やはり危険では? 白王は容易に制御できる相手では御座いませぬ。いわば精霊の王とも呼ぶべき存在。しかも、このような真似をしていることが精霊共に漏れれば……」
「くくく、かまわん。奴らが知った時はもう手遅れだ。白王の力が我がものとなれば、この命は不滅。この身こそが、真の究極生命体となるのだ」
メグの体がブルっと震えるのが分かる。
単なる映像に過ぎないにも関わらず、男が感じさせる邪悪な気配はヒシヒシと伝わってくるのだ。
メグはエイジを見上げる。
「ね? エイジ、聞いたでしょ? あの男が、白い竜のことを白王って呼んだのを」
メグの言葉に、エイジたちは彼女の視線の先を見る。
枯れかけている枝の先には、一枚の葉だけが辛うじて落ちずに残っていた。
メグはエイジとエリスの手を握ったまま、その葉の傍の枝に立つ。
するとメグの虹色の髪が長く伸びて、その葉に触れる。
「二人とも目を閉じて、意識を私の手に集中して!」
メグのその言葉に、エイジとエリスは頷くと目を閉じる。
その様子を確認したメグの体から、二人に向かって波紋が伝わっていく。
「どう? エイジ、エリス、貴方たちも感じるはずよ」
目を閉じたまま二人は頷いた。
「ああ、見える……」
「あれは一体!」
いつの間にか黄金の大樹は、二人の前から消えている。
一枚の葉が作り出した映像が、二人の前に新しい世界を作り上げたのだ。
そこには白い竜がいた。
白い光を放つ巨大な竜。
そして、その竜を封じるかのように絡めとっている鎖。
竜の体が動くたびに、その鎖は強く締め付けているように見える。
巨大な人工の空洞の中に竜は拘束されていた。
三人はその光景を頭上から眺めている。
これが遥か太古に起きた出来事に過ぎないと分かっていても、その迫力に圧倒される。
エイジはメグに尋ねた。
「メグ、どういうことなんだ。俺たちが知りたいのは、白王の薔薇の事だぜ?」
メグは頷きながらエイジを見つめる。
「そう、あれは白王の薔薇じゃないわ。……白王そのものだもの」
それを聞いて驚くエイジとエリス!
もう一度、鎖に繋がれた巨大な竜を眺める。
「あれが……白王?」
「メグ、どうして貴方がそんなことを知っているの!? 私は本で読んだことがあるわ、白王の薔薇がなぜそう呼ばれているのかは誰も知らないって」
エリスの言葉を聞いてエイジは思う。
(確かにな。白王の薔薇という言葉はいろんな人から聞いたけど、白王自体が何なのかって言うのは初めて聞いた)
メグはエリスの言葉を聞いて頷く。
「直ぐに分かるわ、見てあの人を」
メグが促す先には一人の人間がいた。
エイジは思う。
(これは、まるで……)
よく見ると、巨大な竜が拘束されている人工の空洞はまるで研究施設のように見える。
白衣を着た人間達が沢山、その中で働いているのが見えた。
メグが言った男は、彼らを引き連れて巨大な竜の目の前に立っている。
その衣装は、一人だけ白衣ではない。
王族のように豪華な服を着ている。
傍に居る白衣の男たちの長らしき老人が、膝を付いて話しかける。
「陛下、やはり危険では? 白王は容易に制御できる相手では御座いませぬ。いわば精霊の王とも呼ぶべき存在。しかも、このような真似をしていることが精霊共に漏れれば……」
「くくく、かまわん。奴らが知った時はもう手遅れだ。白王の力が我がものとなれば、この命は不滅。この身こそが、真の究極生命体となるのだ」
メグの体がブルっと震えるのが分かる。
単なる映像に過ぎないにも関わらず、男が感じさせる邪悪な気配はヒシヒシと伝わってくるのだ。
メグはエイジを見上げる。
「ね? エイジ、聞いたでしょ? あの男が、白い竜のことを白王って呼んだのを」
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