お隣に住む従姉妹のお姉さんが俺を放っておいてくれない

谷地雪@第三回ひなた短編文学賞【大賞】

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お隣に住む従姉妹のお姉さんを俺が看病するようです?

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「はくしゅん!」

「うう~……まさか君の風邪を貰っちゃうなんて……不覚……」

「……せっかく元気になったんだから、あんまり傍に来ない方がいいんじゃない? また移っちゃうかも」

「そしたらまた看病してもらう? ……ふふ、もー。それじゃループじゃん」//笑いながら

「……ありがと。ほんとは来てもらえてすごく嬉しい。ちょっと心細かったんだぁ」

「私の部屋に入るの、初めてだよね? なんか緊張するなぁ」

「……あ、あんまりじろじろ見ないで。変なものは置いてないと思うけど……」

「君の写真も隠してあるし……」//ぼそっと

「う、ううん? 何でもない」//誤魔化して

「食欲? うん、ちょっとお腹すいたかも」

「え? おかゆ? 君が作るの?」//びっくりして

主人公が取り出したレトルトパウチを見て笑う。

「あっなんだぁ、レトルトかぁ」

「良かった、それなら君も怪我しないね。それじゃ、お願いしようかな」

//食器の音

「できた? それじゃぁ……あーん」

「食べさせて、くれるでしょ?」

「重たくって器持てないもーん。ほらほら、あーん」

おそるおそる食べさせる主人公。

「はむ、ん、うん。おいしい」

「君が食べさせてくれたから、愛情の分、更においしいの!」

//食器の音

「ごちそうさまぁ。食べたら、なんだか暑くなっちゃった」

「べたべたするし……体拭きたいなぁ」

「……拭いてくれるの?」//からかうように

「冗談冗談。じゃぁささっと拭いちゃうから、ちょっと後ろ向いてて」

//SE 衣擦れの音

「んん……ねぇ、やっぱり背中だけ拭いてくれない?」

「だって、気になるんだもん。手も届かないし……お願い」

仕方なく振り向く主人公。
前を服で隠して、髪を退け、こちらに背中を向けているヒロイン。
その背中を、あまり見ないようにして拭う。

「ん……気持ちいい……」

「え、ちょ、つよいつよい。どしたの?」

//SE 衣擦れの音

「あーさっぱりした! ありがとね」

「すっきりしたし、薬も飲んだし、よく眠れそう。今日は本当にありがとう。あとはもう大丈夫だから、帰っていいよ」

「……え? 眠るまで、いてくれるの?」

「でも、君だって忙しいのに……」

「……えへへ、そっか、ありがとう。じゃぁ、お言葉に、甘えちゃおうかな」

「私が眠るまで、手を握っててくれる?」

「ふふ、ありがとぉ」

「ニヤけてる? だぁって、嬉しいんだもん。君がこんなに甘やかしてくれるなら、たまには風邪も悪くないなぁ」

「……どこにも行かないでね。ちゃんと傍にいてね。眠るまで……ううん、眠っても……ずうっと……」

「すー……すー……」//寝息
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