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ダンジョン学校編
スキルよ…ざっくりし過ぎる
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解散することになりゴミを片付けて、部屋に戻るためにロビーに向かうと神田と佐藤が楽しげに話しているのが見えた。
「あの二人って、案外仲良いよね」
そうだね、と作菜が言うと、二人は別れた。
「あ、お疲れ様でーす。みんなでお風呂行ってたんですかぁ?」
「温泉行った後に、ちょっと一杯飲んでたんだよ」
佐藤とはあまり会話したくない、と言う小川ではなく作菜が答えた。どうにも舌足らずな喋り方がイライラして仕方がないらしく、シャキッと喋れと言いたくなるらしい。
「お酒良いなぁ、今度はあたしも誘ってくださいね!」
「機会があったら。佐藤さん、明日小川ちゃんとこの辺観光に行こうかって話してたんだけど、一緒にどう?」
大人としてとりあえず社交辞令的に誘う。
「ごめんなさ~い。明日は神田くんとデートの約束しちゃったぁ」
「そうなんだ、楽しんできてね」
「はい。野上さんたちも楽しんできてくださいねぇ」
うふふ、とひとつ笑うと佐藤はお風呂行ってきまぁす、と軽やかに過ぎ去っていった。若い子が好みそうな甘ったるい香水の残り香が香る。
(やっぱり、十代に見えるんだよな)
ぼんやり考えていると、Tシャツの裾を軽く引っ張られる。視線を向ければ、抗議したそうな顔と目が合った。
「さっさんなんで誘うのぉー!?」
「社交辞令」
佐藤に聞こえないように小声で抗議してきた小川にバッサリ返すと、社交、社交辞令か…となんとも言えない顔で呟く。
「それにしても、デートねぇ…」
ミコトくんのことしか考えてなさそうな娘が、と思わず口に出すと、納得いかなそうに他の二人がうなずいた。問題が起こらなければ良いけど。
部屋に戻ってから歯を磨いてそのまま寝てしまいたい気分になっていた。
「はぁぁぁ」
小川と別れドアを締めると肺の中の空気を全て出し切るような気分で、ため息を吐き出す。佐藤のことも気になるが、今しなくてはならないのは自分のスキルのことを調べることだと作菜もわかっている。
何もかもやる気をなくす前に、歯を磨こうと軽く現実逃避した。
歯を磨いて少しスッキリしたところで、タブレットを起動させる。インターネットに接続したら大手検索サイトに「ダンジョン 固有スキル 道具職人」と入れて検索した。
いくらなんでも一人だけのスキルではないだろう、という期待を込めて検索結果を見る。
いつもお世話になっているダンジョンwikiのスキル一覧から、固有スキルの項目を選択した。固有スキルは個人のものであるため、隠す人が多い。しかし、物によってはウケ狙いで発表する人もいる。
生産系の項目を見ると様々なスキルがずらりと並んでいた。生憎「道具職人」のスキルは書いていなかったが、近いものでいえば園芸家というスキルだろうか。このスキルを持っていると草木を美しく育てることができるらしい。
職人系はトラブルに遭いそうだから隠そうとするのはわかる。しかし、道具職人って幅が広すぎやしないか、と作菜は頭を抱えた。
ゲームで考えても、鍛冶に始まり武器防具の作成、裁縫や木工などが職人としての定番だ。ドロップアイテムでハンドクラフトでもすれば良いのだろうか?
「ああ!もう!わからん!!」
タブレットをサイドテーブルに投げ出し、もう寝てしまおうとベッドに倒れ込んだ。電気を消してモゾモゾとベッドの中に入る。
とりあえず、魔石でも磨いてみるかとため息を吐いた。
「あの二人って、案外仲良いよね」
そうだね、と作菜が言うと、二人は別れた。
「あ、お疲れ様でーす。みんなでお風呂行ってたんですかぁ?」
「温泉行った後に、ちょっと一杯飲んでたんだよ」
佐藤とはあまり会話したくない、と言う小川ではなく作菜が答えた。どうにも舌足らずな喋り方がイライラして仕方がないらしく、シャキッと喋れと言いたくなるらしい。
「お酒良いなぁ、今度はあたしも誘ってくださいね!」
「機会があったら。佐藤さん、明日小川ちゃんとこの辺観光に行こうかって話してたんだけど、一緒にどう?」
大人としてとりあえず社交辞令的に誘う。
「ごめんなさ~い。明日は神田くんとデートの約束しちゃったぁ」
「そうなんだ、楽しんできてね」
「はい。野上さんたちも楽しんできてくださいねぇ」
うふふ、とひとつ笑うと佐藤はお風呂行ってきまぁす、と軽やかに過ぎ去っていった。若い子が好みそうな甘ったるい香水の残り香が香る。
(やっぱり、十代に見えるんだよな)
ぼんやり考えていると、Tシャツの裾を軽く引っ張られる。視線を向ければ、抗議したそうな顔と目が合った。
「さっさんなんで誘うのぉー!?」
「社交辞令」
佐藤に聞こえないように小声で抗議してきた小川にバッサリ返すと、社交、社交辞令か…となんとも言えない顔で呟く。
「それにしても、デートねぇ…」
ミコトくんのことしか考えてなさそうな娘が、と思わず口に出すと、納得いかなそうに他の二人がうなずいた。問題が起こらなければ良いけど。
部屋に戻ってから歯を磨いてそのまま寝てしまいたい気分になっていた。
「はぁぁぁ」
小川と別れドアを締めると肺の中の空気を全て出し切るような気分で、ため息を吐き出す。佐藤のことも気になるが、今しなくてはならないのは自分のスキルのことを調べることだと作菜もわかっている。
何もかもやる気をなくす前に、歯を磨こうと軽く現実逃避した。
歯を磨いて少しスッキリしたところで、タブレットを起動させる。インターネットに接続したら大手検索サイトに「ダンジョン 固有スキル 道具職人」と入れて検索した。
いくらなんでも一人だけのスキルではないだろう、という期待を込めて検索結果を見る。
いつもお世話になっているダンジョンwikiのスキル一覧から、固有スキルの項目を選択した。固有スキルは個人のものであるため、隠す人が多い。しかし、物によってはウケ狙いで発表する人もいる。
生産系の項目を見ると様々なスキルがずらりと並んでいた。生憎「道具職人」のスキルは書いていなかったが、近いものでいえば園芸家というスキルだろうか。このスキルを持っていると草木を美しく育てることができるらしい。
職人系はトラブルに遭いそうだから隠そうとするのはわかる。しかし、道具職人って幅が広すぎやしないか、と作菜は頭を抱えた。
ゲームで考えても、鍛冶に始まり武器防具の作成、裁縫や木工などが職人としての定番だ。ドロップアイテムでハンドクラフトでもすれば良いのだろうか?
「ああ!もう!わからん!!」
タブレットをサイドテーブルに投げ出し、もう寝てしまおうとベッドに倒れ込んだ。電気を消してモゾモゾとベッドの中に入る。
とりあえず、魔石でも磨いてみるかとため息を吐いた。
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