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第4話
しおりを挟む王宮のパーティ広場
ここ、王宮のパーティ広場には今日サルバル学園を卒業した生徒やその保護者たちが集まっていた。そこに、国王、王妃、第2王子、宰相がそれぞれ側近を伴い入場してくる。
「皆のもの、よく集まってくれた。そして、学園を卒業した諸君、君たちのこれからの働きに期待している。我が国のために一緒にこの国を栄えさせ守ってゆこうぞ。今日は祝いの席だ。十分に楽しんでくれ。乾杯!!」
「「「「「乾杯!!!」」」」」
そう国王は威厳に満ちた声でパーティに参加している者達に告げる。
国王の宣言後、音楽団が奏でる演奏に合わせパーティが開催され、生徒や保護者たちは貴族、平民関係なく食事やダンスを各々で楽しんでいた。
たが…
「皆のもの、聞いてほしい!!」
そうこの国の第1王子であるサランが大きな声で叫ぶ。彼の後ろにはお決まりのようにアリスがおり、その周りを取り巻き達が囲っている。そしてその正面には、アリア公爵令嬢と取り巻き連中の婚約者達である令嬢達がアリアの周りを固めている。
「このアリアは公爵家という人の上に立つ立場でありながら自分の身分よりも低いアリスをずっと虐げていた!!」
「…私はそのようなことをした覚えはありませんわ」
「嘘をつくな!暴言はもちろんのことアリスの持ち物を隠したり焼却炉に捨てたりし、あまつさえ彼女の持ち物を切り裂くなどの過激な行為だけではなく暴漢に襲わせようとしたこともわかっている!!」
「何1つ身に覚えがありませんわ。何を仰っているのですか?ーーそこまで言うのであれば当然、私がやったと言う証拠はあるのですわよね?」
「しらばっくれるな!!証拠?それならこいつらがいる!」
そう言ってサランは取り巻き達を見た。
「ええ。私はアリスの持ち物が焼却炉に捨てられているのを見ました!」
「僕は聖女様の持ち物がボロボロに切り裂かれているを見ました。可哀想に…聖女様はとても悲しそうな顔をなされていました…」
「そうですよぉ~。何を言っているんですかぁ?」
そう取り巻き達とアリスは言う。
「……それは証拠とは言いませんわ。私がやったというところは見ていないということですわよね?」
「ここまで証言されてまだしらを切るつもりか!それに暴漢は私も見ていたのだぞ!次期国王である私が見たのだ、お前以外に誰がいる!?」
「……話になりませんわね」
皆、唖然である。最初から最後まで何を言っているか理解できず、取り巻き達の言葉も理解不能だ。それにまだ国王はどちらを王太子にするかを発表していない。それにも関わらず自分は選ばれると確信している。そしてそのまま誇らしげにサランは続けて言う。
「私はこのような卑劣な女と結婚するつもりはない!私はこのアリア・キャルメリアとの婚約を破棄し、真実の愛の相手でありこの国を守った聖女であるアリス・ロードとの婚約を宣言する!」
サランがドヤ顔でそう宣言する。
「……。婚約破棄の件、承知しましたわ。けれどこの婚約は陛下が決められたもの。国王陛下の許しがなければ破棄することはできません」
「ーーその通りだ。サラン」
アリアがサランにそう告げると国王が騒動の中心に歩いてきた。
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