聖女が望むものとは…「さぁ、アリス…君の望みを言ってーーーえ?」

タッター

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第5話

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 騒動の中心に歩いてきたサリオルはサランに問う。


「サランよ、今までの話を聞いておったが、お前はそう簡単にこの私が決めた婚約を破棄できるとでも思っておるのか?」


 パーティ中に馬鹿なことをしでかした馬鹿息子が、自信満々に訳の分からないことを言いながら婚約破棄を叫んだのを聞き、サリオルの中でサランへの処分はもう決まっていた。だが、普段は小心者の癖にやけに自信のある息子の様子に疑問を持ち、一応問いかけてみた。


「フッ大丈夫です。何の問題もありません。アリアが犯した罪以外にも婚約破棄をする理由がありますから。」


「だからわたくしは何もしていません。」


 サランはそう言ってアリアを馬鹿にするような目で見るのに対し、アリアはゴミを見るような目をサランに向ける。


「ほぅ。何か考えあるようだな。ならばこの婚約破棄を認めよう」


「!ありがとうございます!」


「ああ。なに、私が納得いく理由がちゃんとあるのだろう?」


「えぇ。あります。ーーなぁアリス」


 サランは蕩けるような目をアリスに向ける。


「アリス。ここで褒賞の話を父上に話そう」


「「「!」」」


 その時、国王や宰相にも1つのことが過ぎった。聖女はまだ褒賞を望んでいない。まさか、アリアとの婚約を破棄させサランとの婚約を認めさせることがこの女の狙いなのかと。もしそうなればサランへの処罰を考え直さなければいけなくなる。


「アリス…遂に私達が結ばれる日が来たんだ。大丈夫、君は聖女だ。君の望みはなんでも叶えることができる」


サランはアリスの手を握り、優しく見つめながら言う。


「さぁアリス、君の望みを言って…」


皆が固唾を飲み聖女であるアリスの言葉を待つ。


「さぁ…」


「……」ニコニコ


「さぁ…」


「……」ニコニコ


「?アリス?」


「……」ニコニコ


「どうしたんだい?」


「……」ニコニコ


「?」


 なかなか望みを言わないアリスをサランは不思議に思う。だが、もしかしてアリスは不安を感じているのかもしれないと思った。ニコニコ微笑んでいるがいつもの笑みとは少し違う気がする。大勢の前で注目を浴びているのだ、無理もない。


「ああ、大丈夫だ。君が不安に思うことは何もない。私は君の味方だ。君が今から願うことは私達の幸せ、ひいては国の幸せに繋がるんだ」


「……」ニコニコ


「だからアリス、さぁ君の望みを…」


「………?」ニコニコ …… コテン?


「「「ん?」」」


「「「「「?」」」」」


「アリス?」


「………???」ニコニコ …… コテン?


 アリスは微笑みながら首を傾げる。何かおかしい。サランやサリオル、アリアそしてこの場にいる全員がそう思う。その時、やっとアリスが声を出すーーー。

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