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しおりを挟む周囲にバレないよう魔法を展開した後、アリスはニコニコ笑顔で少しずつイアンに近づく。
「本当にイアン様は愛されていますよぉ~!だから今度ぉ皆さんとお友達になりたいなぁ~って思ってるんですぅ!」
「ぬ?友達?」
「はい~だって使用人さんみんなイアン様のこと好きなんですよねぇ~。きっと私と話が合うと思うんですよぉ~」
「…何故だ?」
イアンにとって何故使用人が自分のことが好きだからと言ってアリスと話が合うのか全く理解できない。
「ふふ♪当たり前じゃないですかぁ~。私だってイアン様のことが好きなんですよぉ?好きの種類が違えど同じ人のことが好きなら話が合いそうじゃないですかぁ~」
「むむむ?そうか?」
「そうですよぉ~。それに~…」
「…何だね?」
「イアン様の大切な人ならぁ私も大切にしたいですからぁ。ね?」
そう言ってアリスはイアンの目の前で妖艶な笑みを浮かべる。
「なっ」
そして、イアンが動揺を見せた隙にふわりとイアンに近づき手を頬へと持っていき目を合わせる。
「イアン様ぁ。私わぁ本当に貴方のことが好きなんですよぉ?有耶無耶にして誤魔化したり、私のイアン様への愛がぁ勘違いの物だなんて思わないでくださいねぇ~。ーーちゃんと真剣に私を見て考えて下さいよぉ?私は本気なんですからぁ」
「っ」
口調はいつもと同じで気が抜けるような間延びした喋り方。だがアリスの目は今まで見たことがないほどに真剣だった。
ずっとニコニコと顔に笑顔を浮かべているだけだった筈の女性が自分を愛しているのだと、自分を見ろと訴えるその真剣な眼差しにイアンは衝撃を受ける。
「…わかりましたかイアン様ぁ?」
「…っあ、ああ。その…すまぬな…」
そして、イアンは今までの自分の考えを恥じた。ここまで自分のことを真剣に想ってくれていた人物に対していっときの気の迷いや勘違いであろうと決めつけ、アリスの気持ちを軽んじていたことに恥じたのだ。…この時漸くイアンはアリスの自分への気持ちが本物で真剣なものであることに気がついたのである。
「そんなこと別にいいですよぉ~。もうわかってくれたんですよねぇ?」
「…うむ」
「そうですかぁ~!ありがとうございますぅ♪では散歩の続きをしましょうかぁ~」
そう言ってアリスは魔法を解除し歩き出す。急に自分達の声が聞こえなくなったために執事長達が慌てふためいているが、やっとイアンが自分のことを意識してくれたことにアリスは喜びと共に気合いが満ちる。
(ふふ♪さぁここからですね~♪)
「イアン様ぁ~早く行きましょう~」
「う、うむ…」
上機嫌に手を振るアリスにイアンは悩む。この胸の動悸が一体なんなのかを。
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