不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター

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134.したいかと言われれば   

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 現れたモージーズーに、俺はパッと喜ぶも、ボスは忌々しそうに舌打ちした。


「チッ。……ほら見ろフレイ。お前のせいで来ちまっただろうがあの三馬鹿保護者面共が」


「……それより主人に対して剣を投げてくることに怒れば?」


「「?」」


「なんでそこで二人揃って首傾げるの?」


 何でってモー達がボスに向かって剣を投げることなんて昔からよくあることっすよ? ボス、昔からやんちゃで人の話聞かなかったっすからねー。


 勝手に行動しようとするボスの動きを止めるため、よくモー達は剣を投げ阻止していたのだ。


「はいはいピピピ! 坊ちゃん離れましょうねー」


「ほらツキはこっち来い」


「大丈夫か? 変なことされなかったか?」


「お゛い」


「大丈夫っす!」


 側まで来た三人は俺達の間に入って俺からボスを遠ざける。ボスはそんな三人を睨みつけ、フレイ君へと三人に向かって顎をさした。


「……ほらフレイ。俺への文句があんなら言えよお前も。こいつらいっつもこうやって俺の邪魔してくんだぜ? 夜は勝手にローテーション組んでツキと泊まり+扉の外にまで見張りを立てる徹底ぶりだ。ツキは喜んでついてって拒否らねぇし、ならってあいつらがいるとこでイチャつこうとしても邪魔ばっかりしてきやがるし、俺にどうしろっていうんだよ。お前も文句あるんならこの馬鹿共に言えよ」


「そんなの知らないよ。それはラックがどうにかする案件でしょ」


「……てめぇ」


 ツンっと顔を背けるフレイ君にボスは顔を引き攣らせ額に青筋を立てる。そんなボスにちょっと罪悪感を抱くが、照れる俺。


 うぅ~俺だってボスとイチャイチャしたいっすけど、なんかいざしようと考えると恥ずかしいっすし……。それにみんなと一緒にお泊まりするの嬉しいっすもん。


 モージーズーを含む仲間達は仲間であると同時に、俺をここまで育ててくれた親代わりみたいな人達だ。みんな俺のことを本当の息子のように思ってくれており、それを言葉や態度でも示してくれる。最近特にだ。夜のお泊まりだって保護者心からの言葉であり、そんな仲間達に、俺は胸のムズムズが止まらず、ついつい嬉しくて頷いてしまうのだ。


 だからごめんっすボス。


「……はぁぁぁ。……ほら、お前らもそろそろいい加減にしとけよ? フレイもうんざりしてんだろうが」


 少しの間のボスとフレイ君の睨み合いのあと、ボスはわざとらしく息を吐きモー達へと文句を言った。


「……僕、何も言ってないんだから無理矢理理由にしようとしないでよ」


「それにお前ら全員ずっと俺らを応援してたわけだろ? 急に態度変わりすぎなんだよ。結婚にも反対しやがって」


「無視したね……」


 フレイ君が脱力する。あの洞窟から俺達のアジトへと帰ってきたあと、すぐにボスはイーラさんに俺を預け、その治療の間に夫婦結婚の誓いの準備をする気満々だった。しかし、モー達狼絆の仲間総出で止められ、結婚話は一旦保留となった。


 睨むボスにモー達は胸を張る。


「それについては悪りぃとは思ってっけど、いざそうなると心の準備が全然できてなかったんだよ」


「だからもう一回両片思いに戻るつもりはねぇか?」


「あのハラハラドキドキのもどかしい日々が恋しい!!」


「……嫌に決まってんだろ、勝手に恋しがってろよ」


 ボスが顔を引き攣らせる。俺もやっとボスに想いを伝え、両想いになれたため流石に前に戻るのはいやっすね~と思う。


 ブーブー不満を述べる三人にボスは大きな溜息を吐き、


「……ツキ、お前からもなんか言ってやれ」


 そんなことを俺に言う。


 ええ? 何言うんっすか?


 ギョッとし、咄嗟にそう思うも大丈夫。ボスの言いたいことはわかっている。だが、もうちょっとこうみんなに甘えておきたいような気持ちがあるのだ。だから俺はまだ別にこのままでも……ハッ!


「!」


「?」


 視界に映ったフレイ君に頭を振った。


 い、いやダメっすねそれじゃあ! 忘れかけてたっすけどそういえば俺、フレイ君に対して立派なお兄ちゃんになるって前に決めたじゃないっすか! ちょっともう手遅れなような気がするっすけど……。あ、いや、でもあれはボスに対して甘えないって決めたのであってモー達にじゃないっすもんね? ……うん、そうっすよね。なら大丈夫っすかね……? んー?


「…………おい、悩むな。ダメな方に傾くな。お前は俺と二人っきりになりたくねぇのかよ。俺にもっと甘えたくねぇのかよ」


「え? ボスにっすか?」


 まぁ、たくねぇのかよと言われれば……


「………………たいっす」


 小さく照れながら言った。


 ボスに思いっきり甘えたい。ぺったりくっつきたい。みんなの前では恥ずかしいのでやっぱり二人きりがいい。抱きつきたい。恋人になったのだ。イチャイチャしたい。大丈夫。フレイ君の前でなければそれはセーフとしよう。


「…………だろ?」


「「「ピピーー!! 手を伸ばさないでください!! ツキに近寄らないでください!! まだ早いです!!」」」


「「……」」


「うぜぇ……」



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