5人の日記

鳥餅 銘々

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しばらくの間、魔法実験についての雑談をしながら歩いていた彼女達。奥に行くにつれて山道も険しくなり、聞き覚えのないような獣の声も遠からず近からず聞こえるようになってきた。

モネ「うーん、前回採ってきたのってこの辺りでしたよね?」

ミテス「確かに山道まぁまぁ登ってきたけど、見つからないねぇ。」

すっかり周りの様子も変わり、梟や涙桑も鳴き始め、山の中が少しづつ変化しているようだ。
 この山の夜はうんと視界が悪くなり、夜目だと最早伸ばした手ですら見えなくなるほどだ。彼女達はそれぞれ帽子の先に灯りの代わりにそれぞれの色の炎を魔法で付け、ぼんやりとした印で互いの位置を確認しながら先へと進んでいた。

ルフェラ「そろそろ、ここで休憩にしましょ。疲れちゃったわ」

メルズ「………虫多い」

ムベージュ「テンション下がり過ぎでウケる」

先程の微礁類騒動で虫嫌いに加速がかかってしまったメルズは、それ以降テンションがだだ下がりになっていたのである。ムベージュはそれを見て、ケラケラと笑いイジっていた。

モネ「流石に笑いすぎですし、可哀想なのでやめたげてください。」

メルズ「後輩に心配された………冬眠してやりたい。」

ミテス「こんなにテンション低いメルズ久しぶりー。」

彼女達のメルズいじりを他所に、ルフェラは近場の木に魔法をかけ、木の中心を膨らし大きな球体状に穴をあけ、削り取った部分を木くずに変化させ床に散らした。

ムベージュ「おー、いつ見ても便利だね。変化魔法。」

ルフェラ「まぁね。この魔法のおかげで創造力が刺激されて色んな形作ったりできて楽しいからね。おすすめよ。」

メルズ「……それ、取得に15年かかったじゃないの。」

モネ「やっぱり、たくさん魔法使えるようにしたほうがいいんですかね?」

ムベージュ「でもさ、多少の技術もほしいから、自分にあってるやつ取得しないと使わなくなるわよ。あたしも実際に異常魔法取得したけど使ってないし。」

彼女達は木の中で休憩しながら、それぞれの魔法の話をして盛り上がっていた。
 30分後、眠っていたミテスをムベージュが起こし、休憩を終えて5人は山の奥深くへとさらに進んでいくのだった。
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