「ふっざけんな──ッ!」誰も居ない夜の教室で、イケ好かないギャルの机を蹴飛ばしたら──。ぼっちで陰キャな俺の日常はハレンチに包まれた。

おひるね

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第4話 直パン座りの真実①

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「お兄ちゃーん! 遅刻するよ~!」

 お兄ちゃん。その響きに異世界に迷い込んでしまった気さえする、朝のひととき。

 昨日、筋トレを頑張り過ぎてしまったせいで筋肉痛とやらに苛まわれ、思うように身体が動かず──結果、慌ただしい朝になってしまった。

 そんなこんなで玄関まで走ると、すれ違いざまに楓に腕を掴まれた。

「ねえ、学校終わったら真っ直ぐ帰ってきてくれるよね……?」

「お、おう。トレーニングだな?」
「ワンッ!」

 やる気満々だな。自分を変えるために頑張ろうとする姿勢ってのは、見ているこっちまで感化されるよなぁ。

 昨晩は俺が眠りに就いた後も筋トレをがんばっていたみたいだし。
 楓の息を切らした声が子守唄みたいに聞こえて、ぐっすりと眠れたくらいだ。

「おう。寄り道せず帰るから、首を洗って待ってろ!」
「ワンワンッ!」

 がんばれ、楓!
 お兄ちゃんもがんばるからな!

 せっかくだから今のうちに話しておくか。
 この様子だと、家に帰ってきたらすぐにトレーニングが始まりそうなものだ。そうなれば俺も『ライオン使い』に成らざるを得ないからな。

「それからな、声は我慢しなくてもいいぞ? 昨日は夜遅くまでやってたみたいだからな。まぁ、これからはお互いに気遣いはなしでいこうって話だ」

「……は? な、なんの話……?」

 なるほど。筋トレをしていることは秘密にしたいのか。
 そうだよな。俺が筋トレを始めたって言ったら「キモ」って言ってきたくらいだ。

 でもな、もうそんなのは気にしなくていいんだぞ。
 お前が昨日、夜遅くまで頑張っていたことは知っているからな!

「べつに隠すことじゃないだろ? 昨日は俺もお前の声を聞きながらやってたからな。ひとりじゃないと思ったら、やたらと元気が出てな。だから楓さえ良ければ一緒にやりたいとも思っているんだよ。こういうのはさ、一人でするより二人でしたほうが楽しいだろ?」

「……ま、待ってお兄ちゃん。急過ぎるよ………」

「急ってことはないだろ。一人でやってると寂しくならないか?」
「寂しい……けど」
「だったらやろうぜ? 色々と道具も揃える予定だから欲しいのあったら言えよ?」

 やはりダンベルは欠かせないよな。
 ネットで調べた限りでは結構いい値段するみたいだし。二人でシェアして使えば節約にも繋がる。

「は、初めてだから……。急に言われても、困るよ……。道具なんて……そんなの……」

 なるほど。さては筋肉痛だな?
 俺も昨日、生まれて初めて筋トレを限界までがんばった。

 それは楓も同じってことか。

「わかったよ。じゃあ落ち着いたら一緒にやろうぜ? それならいいだろ?」
「……うん。そのときは昨日みたいに罵倒してくれる……?」

 本当に頑張り屋さんだな。筋トレをしながら罵倒されたいだなんて。
 この調子なら、俺がNOと言える人間になるのよりも先に、楓が怒るのを我慢できる良い子になるのが先かもしれないな。

 だったら尚更、俺も負けてはいられない!

「あぁ、いいぜ! お前が一緒にしてくれるってんなら、ボロ雑巾のように罵倒してやるよ! 雌豚を甘やかすような真似はしねえから安心しろ!」

「……ワンッ♡」

 互いを高められる関係ってのは本当にいいなあ。

 とはいえ、楓がライオンだということは絶対に忘れてはいけない。
 こうやって話をしているとワンコだと錯覚してしまうからな……。十分に注意をして、引き際だけは見誤らないようにしよう。
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