現実は噂より奇なり

高円寺 椿

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始まりは物取りで

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 人のうわさ話は大抵、この言葉で始まる。
「ねえ、知ってる?」
そしてこの後に続く言葉は、様々だが大概人の揚げ足取りだったり、他人の恋愛事情だったりするそして、学生ならさらに学校の怪談話追加されるぐらいだろうか、ああ忘れていた自分の知識をどっの豆の犬のように開ける人もいたっけ。
予想出来るこの言葉にそれほど興味はないけれど、聞いているとほんの偶に僕の知りたかった情報が転がり込んできたり、回り回って役にだったりする。
だから、僕は人の話は極力聞くようにしている、まあ大抵はどうでもいい話であるんだけどね。
 それにしても、この古物屋は僕にとって天職と言っても過言ではない。
人の出入りが頻繁にあり、そしてついでと話をしていくことのできるこの職というのわ、ほんと楓さんには感謝しているよ。

 ん?楓さんが誰かって僕の住む場所と仕事をくれた、恩人だよ二軒先にある呉服屋があるだろうあそこの次男さんだよ、ちょっと変わっているけどいい人なんだ。

 ってそんなことここら辺住んでいる人はみんな知っているか、つまらない話でしたね。

 そうそう、僕が何者かって僕はしがいない古物屋ですよ、変わっているって言われてもね、確かに苗字が春夏秋冬とかいて"ひととせ゛読ませるのは珍しいですよね、しかし下の名は一書いてはじめなんですけどね、あと人と違うのは、長身であることですかね、うーん、髪は黒ですし瞳の色も黒で切れ長の一重とこないだのお客さんに言われましたし、今着ている物も一般的な藍色の着物もですし、帯も鼠色と別に変ではありませんよね。
ああ、どうかしました?
顔色が悪いですよ、警官がなぜいるのか   
 
 って、そんなのあなたが来た時に伝書鳩を警察署に送ったからですよ。
そんなの知らないって、当たり前じゃないですか、知られたら殺させれるかも知れないのにみすみす隙を見せるなんてへまはしませんよ、連続強盗の犯人さん
ここで大人しく捕まって下さいよ、手荒な真似はしたくないので、聞いてもらえませんか、仕方ありません、原田君お願いします。

ああ、かわいそうにあそこで大人しく捕まっておけば手の骨を折ることもなかったのに‥

犯人逮捕の協力感謝しますって、君が無理やり僕に押し付けたんじゃないか、今度とらろんの羊羹を持ってくるしょうがないないなそれで手を打とう。
そろそろ、助手を雇ったらどうだって?
こんな怪しい店に働きに来る人はいませんよ、えっ僕の顔に寄ってくる女子から選べばってそんな面倒なこと致しませんよ、面倒ごとが増えるだけですよ。
そんな、ため息つかないで下さいよ、ああお帰りですか?
お疲れ様でした。
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