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第9話 謎編5 大学名 ポリネシアンダンス
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「じゃあフーコさん、残り2問をお聴きしましょうか?」
「はい、では。マサイ・マラはその後和気あいあいにサファリを楽しめました」
「夜、ライオンに襲われなかったかい?」
「襲われなかったけど、襲われることもあるの?」
「俺が昔行ったとき、たまにライオンの唸り声が聞こえるって聞いたことがあったけど」
「ええっ!」
「これも『Kenyan Joke』かもしれないね」
「ジョークは無視して、次に行きます。ナイロビに戻って一泊してから、今度はセレンゲティのサファリツアーに参加したんです。マサイ・マラであまり見られなかった象の家族とかバッファローも見られたわ」
「キリマンジャロは?」
「あ、そうだ。それを一番に言わないと。天気が良かったんで、全身がはっきり見えた。富士山をでかくしたみたいで凄くきれいだった」
「天気が良かったんなら、キリマンジャロは最高だったろ?」
「うん最高。一緒に行った友達がね、地平線よりそっちにくぎ付けだったわ。前からかなり執心だったからね」
「サファリカーは埃まみれにならなかった?」
「そう。窓ガラスを埃が頻繁に流れていたわ」
「セレンゲティはいつも風があって、乾燥期は小さな竜巻が頻繁に起きるよ」
「私たちが行ったときもそうだった。小さくて可愛かったわ」
「正式に言えば、つむじ風。気象現象が竜巻とは根本的に別物らしい」
「規模の大きさだけじゃないん?」
「竜巻は天気の良くない日に起きるが、つむじ風は天気が良くて風の強い日に起きるようですよ。まあ巻き込まれても巻き上げられることはないけどね。そうだ、つむじ風と言えば、夕食後のキャンプファイヤーでさ、コーヒーサービスがあるだろ?その中に砂がしっかり混じっていただろ?」
「そうなの。あれはつむじ風の運んだ砂なの?」
「ザッツライ。それも味付きの」
「何の?」
「勿論、サバンナに暮らすいろんな動物たちの落とし物さ」
「えっ、それってまさか⁉」
[はい、そこまで! ではそろそろ、本題に入りましょう」
「その…味付きの砂の入ったコーヒーを飲みながら下手な英語を駆使してキャンプファイヤーを楽しんでいたとき、友達がトイレに立ったんです。私よりももう1ランク英語力が低い彼女に訊き難かったのか、向こう隣りに居た白人男性がこのタイミングで私たちのことを訊いてきたんです」
「英語でね?」
「そう。一般的なことから始まって知り合ったきっかけみたいなことを訊かれたんで、大学時代にスキー場でと話したら同じ大学かと訊くので違うと答えたら、今度は私の逆隣にいた白人女性が大学名を訊いてきたの。それで、私は『理大』、友達は『近大』と答えたら、2人の様子が一変したの。何か不可解な笑みを湛えながら、私たちの大学名に不可解な疑問を呈してきたようだけど意味がわからん。すぐそのあとキャンプ場の管理人の面白いお話が始まったので、一旦忘れてしまいましたわ」
「その話は友達にしたの?」
「したんだけど、あまり興味なさそうだった。どうもキリマンジャロの雄姿が頭から離れないようだった」
「ふーん、そう。興味なしか⁉。 要するに大学名を答えたら、白人さんたちが不可解な表情をした、その理由だね。じゃあ、次に行こう」
「えっ、理由分かったん?」
「たぶん。後で、確認しながら説明するよ」
「じゃあ次、最後の謎。これはね、サファリが終わってナイロビに戻った翌日のこと。ホテル内のカフェ・レストランで食事をしてたら日本語を少し話すケニヤ人の若い男性従業員が日本語で話しかけてきたの。博物館近くの公園でポリネシアンダンスが開催されてるので観てきたらと教えてくれた」
「ほう、ナイロビでポリネシアンダンスとは。ラッキーだねえ」
「うん、2人ともケニヤでは模範的な行動をしてたからね。ポリネシアンダンスは私はできないけど、観るのは楽しいよね。友達も大喜びで、食後すぐ行ってみた。少し小さめのステージがあり、簡素な長椅子があり観客は40人 ほどだったかな。5人の20歳ぐらいの女性がダンス衣装で踊っていた。20分ぐらいで終わったあと、次に観客に教えるようだった。前にいるとやばいのですぐに後ろに逃げようとしたら、何と友達がやる気満々で誘われて大迷惑。何とか辞退し、彼女はチャレンジすることになった。英語は全然なのにダンスは積極的だわ」
「そのダンスで謎が発生するん?」
「そうなの。何だと思う?」
「知るかよ!」
「私は引っ張り出されると困るんで、ずっと後ろに控えたのよね。積極的派の女性が8人ぐらい、ステージに上がったわ」
「フーコも上がれば良いのに。旅の恥はかき捨て御免って言うだろ?」
「斬り捨て御免だろが!」
「そうとも言うね。それで?」
「団長らしい30代ぐらいの女性の声に合わせて8人が手を上げたり、くるっと回ったり、いろんなポーズを取ってたわ」
「そうだろね」
「その後ね、友達以外の7人はちょっと腰を動かしただけだけど、彼女は思い切りよく腰を振ったの。それで、両隣の女性にお尻がぶつかっちゃって、もうターイヘン!」
賴光先生、ニヤリ。
「それから、どうなった?」
「まあ、本家ポリネシアンダンサーも俄かポリネシアンダンサーも大勢の観客も大笑い」
賴光先生、またもニヤニヤ。
「その後も友達、頑張ったん?」
「いや流石に…。ステージから飛び降りて真っすぐ私のところへ。私を隠れ蓑にするようにして…。後は推して知るべし!」
「ホテルまで、一目散!」
「はい」
「フーコはそれを観てて、どう思った? 不自然だった?」
「他の子はちょっと腰を上げただけなのに彼女だけが思い切り振ったから、彼女に悪いが面白かった」
フーコさん、そのシーンを思い出したと見えて、思い切り笑い出した。
「ホテルに戻って、何か言ってた?」
「ンンン…。部屋に入ってから訊いてみたんだけどね。ムッとしちゃって。どうもつい私も笑ってしまったようで、私に対しても少し…ネ」
「で、問題は友達が不貞腐れた理由か? 簡単じゃん」
「こらっ! 真面目にやれ! 『何で彼女だけ違ったことをしたのか?』」
「本人に訊けばいいじゃん」
「それがね。『言われた通りにしたのに…』と言ったまま、泣いてんのよ。だからね。何だか訊けなくなっちゃってさ。何か可哀そうになっちゃった」
マッキーです。
フーコさんのお友達、お気の毒ですよね。
賴光先生、あの様子からして謎は解けているようです。
第2問は2人の大学名を聞いたときの白人さん達の不可解なリアクション。
第3問はポリネシアンダンスの団長がダンス体験の指導のとき、英語で何と言ったか? その意味は?
「はい、では。マサイ・マラはその後和気あいあいにサファリを楽しめました」
「夜、ライオンに襲われなかったかい?」
「襲われなかったけど、襲われることもあるの?」
「俺が昔行ったとき、たまにライオンの唸り声が聞こえるって聞いたことがあったけど」
「ええっ!」
「これも『Kenyan Joke』かもしれないね」
「ジョークは無視して、次に行きます。ナイロビに戻って一泊してから、今度はセレンゲティのサファリツアーに参加したんです。マサイ・マラであまり見られなかった象の家族とかバッファローも見られたわ」
「キリマンジャロは?」
「あ、そうだ。それを一番に言わないと。天気が良かったんで、全身がはっきり見えた。富士山をでかくしたみたいで凄くきれいだった」
「天気が良かったんなら、キリマンジャロは最高だったろ?」
「うん最高。一緒に行った友達がね、地平線よりそっちにくぎ付けだったわ。前からかなり執心だったからね」
「サファリカーは埃まみれにならなかった?」
「そう。窓ガラスを埃が頻繁に流れていたわ」
「セレンゲティはいつも風があって、乾燥期は小さな竜巻が頻繁に起きるよ」
「私たちが行ったときもそうだった。小さくて可愛かったわ」
「正式に言えば、つむじ風。気象現象が竜巻とは根本的に別物らしい」
「規模の大きさだけじゃないん?」
「竜巻は天気の良くない日に起きるが、つむじ風は天気が良くて風の強い日に起きるようですよ。まあ巻き込まれても巻き上げられることはないけどね。そうだ、つむじ風と言えば、夕食後のキャンプファイヤーでさ、コーヒーサービスがあるだろ?その中に砂がしっかり混じっていただろ?」
「そうなの。あれはつむじ風の運んだ砂なの?」
「ザッツライ。それも味付きの」
「何の?」
「勿論、サバンナに暮らすいろんな動物たちの落とし物さ」
「えっ、それってまさか⁉」
[はい、そこまで! ではそろそろ、本題に入りましょう」
「その…味付きの砂の入ったコーヒーを飲みながら下手な英語を駆使してキャンプファイヤーを楽しんでいたとき、友達がトイレに立ったんです。私よりももう1ランク英語力が低い彼女に訊き難かったのか、向こう隣りに居た白人男性がこのタイミングで私たちのことを訊いてきたんです」
「英語でね?」
「そう。一般的なことから始まって知り合ったきっかけみたいなことを訊かれたんで、大学時代にスキー場でと話したら同じ大学かと訊くので違うと答えたら、今度は私の逆隣にいた白人女性が大学名を訊いてきたの。それで、私は『理大』、友達は『近大』と答えたら、2人の様子が一変したの。何か不可解な笑みを湛えながら、私たちの大学名に不可解な疑問を呈してきたようだけど意味がわからん。すぐそのあとキャンプ場の管理人の面白いお話が始まったので、一旦忘れてしまいましたわ」
「その話は友達にしたの?」
「したんだけど、あまり興味なさそうだった。どうもキリマンジャロの雄姿が頭から離れないようだった」
「ふーん、そう。興味なしか⁉。 要するに大学名を答えたら、白人さんたちが不可解な表情をした、その理由だね。じゃあ、次に行こう」
「えっ、理由分かったん?」
「たぶん。後で、確認しながら説明するよ」
「じゃあ次、最後の謎。これはね、サファリが終わってナイロビに戻った翌日のこと。ホテル内のカフェ・レストランで食事をしてたら日本語を少し話すケニヤ人の若い男性従業員が日本語で話しかけてきたの。博物館近くの公園でポリネシアンダンスが開催されてるので観てきたらと教えてくれた」
「ほう、ナイロビでポリネシアンダンスとは。ラッキーだねえ」
「うん、2人ともケニヤでは模範的な行動をしてたからね。ポリネシアンダンスは私はできないけど、観るのは楽しいよね。友達も大喜びで、食後すぐ行ってみた。少し小さめのステージがあり、簡素な長椅子があり観客は40人 ほどだったかな。5人の20歳ぐらいの女性がダンス衣装で踊っていた。20分ぐらいで終わったあと、次に観客に教えるようだった。前にいるとやばいのですぐに後ろに逃げようとしたら、何と友達がやる気満々で誘われて大迷惑。何とか辞退し、彼女はチャレンジすることになった。英語は全然なのにダンスは積極的だわ」
「そのダンスで謎が発生するん?」
「そうなの。何だと思う?」
「知るかよ!」
「私は引っ張り出されると困るんで、ずっと後ろに控えたのよね。積極的派の女性が8人ぐらい、ステージに上がったわ」
「フーコも上がれば良いのに。旅の恥はかき捨て御免って言うだろ?」
「斬り捨て御免だろが!」
「そうとも言うね。それで?」
「団長らしい30代ぐらいの女性の声に合わせて8人が手を上げたり、くるっと回ったり、いろんなポーズを取ってたわ」
「そうだろね」
「その後ね、友達以外の7人はちょっと腰を動かしただけだけど、彼女は思い切りよく腰を振ったの。それで、両隣の女性にお尻がぶつかっちゃって、もうターイヘン!」
賴光先生、ニヤリ。
「それから、どうなった?」
「まあ、本家ポリネシアンダンサーも俄かポリネシアンダンサーも大勢の観客も大笑い」
賴光先生、またもニヤニヤ。
「その後も友達、頑張ったん?」
「いや流石に…。ステージから飛び降りて真っすぐ私のところへ。私を隠れ蓑にするようにして…。後は推して知るべし!」
「ホテルまで、一目散!」
「はい」
「フーコはそれを観てて、どう思った? 不自然だった?」
「他の子はちょっと腰を上げただけなのに彼女だけが思い切り振ったから、彼女に悪いが面白かった」
フーコさん、そのシーンを思い出したと見えて、思い切り笑い出した。
「ホテルに戻って、何か言ってた?」
「ンンン…。部屋に入ってから訊いてみたんだけどね。ムッとしちゃって。どうもつい私も笑ってしまったようで、私に対しても少し…ネ」
「で、問題は友達が不貞腐れた理由か? 簡単じゃん」
「こらっ! 真面目にやれ! 『何で彼女だけ違ったことをしたのか?』」
「本人に訊けばいいじゃん」
「それがね。『言われた通りにしたのに…』と言ったまま、泣いてんのよ。だからね。何だか訊けなくなっちゃってさ。何か可哀そうになっちゃった」
マッキーです。
フーコさんのお友達、お気の毒ですよね。
賴光先生、あの様子からして謎は解けているようです。
第2問は2人の大学名を聞いたときの白人さん達の不可解なリアクション。
第3問はポリネシアンダンスの団長がダンス体験の指導のとき、英語で何と言ったか? その意味は?
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