次こそは平和な世でのんびり気楽に生きていくつもりだったのに何でか悪役令嬢として生きていくことになってしまった!

asamurasaki

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四十七話 国王、国王と話し合う

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陛下との謁見の日がやってきた。
陛下からお母様もケングレットも出席するようにと言われ、俺はお父様、お母様、お兄様、ラルフ、ロラン、レン、ケングレットと共に王宮に向かった。

ワイルのことについての報告と相談なのだが、どうしてお母様とケングレットまで?と思った。
俺のことでお母様にはなるべく心配させたくないので、どうしてもという場合以外お母様にはあまり聞かせたくない話なのだけど、陛下からの命令であるので仕方ない。

そして今日はいつもの陛下の執務室ではない、応接の間に案内された。
執務室でも陛下の執務室は魔法契約を結んだメンバー全員入っても十分な広さだが、今日は何故違う所なんだろう?

応接の間は謁見の間ほど広大ではないが、広い室内に大きなテーブの周りに豪華な金装飾に濃紅のベルベット素材の椅子が並べてあり、20人以上はゆうに座れる。
部屋の奥は王族が座られるだろう他の椅子より大きく宝石も嵌め込まれたより豪華で存在感のある椅子が何脚か並べられている。
ハーベント家の応接の間も広く豪華だが、さすが王宮と言うべきか広さも調度品も比べものにならない広さと豪華絢爛さだ。

そこに入ると、ジョシュアとジョシュアのお父様、王国魔術師団団長のグローディアス・テンペスト伯爵が先に来ていた。

お父様、お母様、お兄様に続き俺と挨拶を交わすと魔術師団長はニッコリと笑みを見せた。

ジョシュアのお父様はレアンドロのお父様、王国騎士団長程の無口ではないが、普段あまり口数が多い方ではないはずだが少し雑談をしたが、今日はとても上機嫌で饒舌だ。

さすがは魔術師団長で、ジョシュアのお父様もジョシュアに負けず劣らず魔力が膨大でジョシュアと同じ火、水、風、土の4属性を使える魔術師として国でも最高峰の方だ。

そして魔術師団長なのだから当然なのだろうけど、ジョシュアと同じく魔法についての造詣が深く、また魔法への興味は尽きることはないようで、ジョシュアからワイルの話を聞いて陛下とお話してからだけど、ぜひテンペスト家で保護させて欲しいと言ってきた。

陛下にまだ話していない段階で魔術師団長がそんなことを言うのは珍しいことではないだろうか。
それ程ワインに興味を示しているという証拠か。

陛下が何とおっしゃるかわからないが、ワイルの魔道具の研究とナミアの魔法訓練のこともあるから、テンペスト家で保護してもらうのが最善かもしれない。


しばらくしてコンコンとノックの音が聞こえてきて、俺たちは頭を下げ陛下が来られるのを待つ。

扉が開いてから衣擦れの音が聞えてきたが、あれ?陛下だけではないもう一人の衣擦れの音と気配がした。

誰だろう宰相か騎士団長も来ている?と思いながら陛下から声をかけられるのを頭を下げたまま待つ。

「面を上げよ」

陛下の言葉で頭を上げてえっ?と声を漏らしそうになって俺はグッと堪えた。
何と陛下の隣に王妃もいたからだ。

王妃には何も告げていないはず。
どういうことだろう?

「皆の者、すまぬな。
王妃は大変聡くてだな…今まで我に聞いてはこなかったが、ある程度我が秘密にしていることがあるのをわかっておるようでな、我が王妃にはもう話しても良いと判断した。
ロラン一度魔法契約を解除してもらえぬか?新たに王妃も加え契約を結び直したい。
なのでハーベント公爵夫人やケングレットにも来てもらった。
他の者たちも控えておる。
入れ」

陛下の声で宰相、騎士団長、ルドルフ、レアンドロ、大神官長と魔法契約を交した面々が入ってきた。

王妃にも打ち明ける為、お母様とケングレットも呼んだのか。

「ロランよ、一度魔法契約を解除してもらえないだろうか?」

ロランが俺の顔を見る。

「陛下、わたくしが発言してもよろしくて?」

「よい」

王妃が陛下に断りを入れる。

「リリアナ、安心してちょだい。
わたくしは貴女の味方ですよ。
決して貴方を裏切らないと誓いますわ。
魔法契約を交わすので大丈夫ですけど、他の者たち、もちろんベンベルトにも絶対に漏らすことはしないわ」

俺は陛下に発言の許しを貰う。

「王妃殿下にお会い出来て光栄にございます。
そして有り難いお言葉感謝申し上げます」

陛下が判断されたし、王妃も魔法契約を結ぶのだし、今の王妃なら信用出来ると判断していいだろう。

お父様を伺うと頷いてくれたので。

「ロラン、陛下が言われた通りに一度魔法契約を解除して」

「承知致しました」

ロランに魔法契約を解除してもらい、みなが席についた。

そしてまず、陛下から俺が聖魔法だけでなく全属性を使えることを王妃に話した。

王妃は扇で口元を隠しているが、目を見開いているのでかなり驚いていることがわかる。

「まあ、素晴らしいことではあるけれどリリアナは大変なことを背負ってますのね…」

王妃から俺を気遣う言葉を貰った。
王妃は本当に変わったのだなと思った。

「王妃殿下のお言葉感謝申し上げます」

「いいのよ。
わたくしはこれからどんなことがあってもリリアナ、貴女のことを娘だと思う気持ちに変わりないわ。
これからは何か悩んだりしたことがあったらわたくしで良ければ遠慮なく相談してね」

「はい!ありがとうございます」

俺が笑顔で礼を言うと王妃は目を柔らかくして微笑んだ。

「では、次はそなたたちの話を聞こうか」

陛下に言われてお父様が「私から報告申し上げます」と言ってワイルとナミアの話をした。

陛下、王妃だけでなく宰相たちも驚きに固唾を飲んでいる。

「本当にリリアナは次々と…」

陛下は困惑しながら苦笑いを溢す。

「申し訳ございません」

俺はあらたまって謝罪する。

「いや、謝罪して欲しい訳ではない。
しかしリリアナの元には次々と能力ある者たちが集まってくるのだな…我もあらたに気を引き締め直さなくてはな。
その平民はハーベント公爵の言う通りすぐにでも保護すべきだな。
他国だけでなくこの国でも他の者に知られると利用されるであろうし、危険だ」

「私もそう思います」

お父様が陛下の言葉に同意する。

「陛下、そのことでございますがハーベント家かテンペスト家で保護することを考えておりましたが、陛下がいらっしゃる前に魔術師団長様とお話させて頂きまして、魔術師団長様が保護を申し出てくださいました」

俺が陛下に進言すると。

「テンペスト伯爵よ、そなたの方で保護すると?」

「はい、陛下。
ジョシュアからも話を聞きましたが、ワイルという平民は魔道具を作る天才のようです。
我が邸にはジョシュアが魔道具の研究をする為の専用の施設がございます。
ジョシュアもワイルと一緒に研究したいと申しておりますし、それにワイルの姉のナミアも回復して魔法を使えるよう訓練が必要と聞きました。
我が邸のすぐ側に魔術師棟がございますので、ナミアの魔法訓練にもすぐに教師として魔術師を呼ぶことが可能です。
もちろん私や私の妻、ジョシュアが教授することも厭いません。
それらを鑑みてテンペスト家で保護するのが最適ではないかと私は考えております」

「ふむ、そうであるな。
秘密厳守の為にもハーベント家かテンペスト家が良いであろうな。
リリアナはどう思っておる?」

魔術師団長の言葉を聞いた陛下が俺に聞いてきた。
確かにうちは俺のことで邸の人間すべてと魔法契約を交わしているから、ワイルとナミアのことも項目を増やせば問題ないが、それはテンペスト家でも出来ることであるし魔術師団長様に任せて大丈夫ではないだろうか?
魔道具の研究については元からあるジョシュアの研究施設で研究してもらう方がいいだろう。
ナミアのこともすぐに魔術師を呼べるし、魔術師団長自ら教えるとまで言ってくれている。

「わたくしは魔術師団長様の申し出大変有り難く思い、ワイルとナミアさんの為にも出来ればそうして頂ければ幸いに思います」

「ハーベント公爵はどうだ?」

陛下がお父様の意見を聞く。

「私はリリアナの判断に任せたいと思っております」

「ふむ、ではワイルとナミアはテンペスト伯爵家で保護することとする。
テンペスト伯爵は定期的に我に魔道具の進捗状況等を報告するように」

陛下が告げた。

「はっ、承知致しました」

魔術師団長が敬礼した。

「それでだが、リリアナその記録出来る魔道具をどのように使うつもりだ?」

陛下はどこか楽しそうにニヤリと食えない笑いを浮かべる。

「まだ完成形ではないようですが、今の段階でもイヤーカフやブローチとして使用出来るようになっております。
わたくしはもちろんですがメッケンナー侯爵令息、カスティーニャ公爵令息など王太子殿下にお仕えする者たちに学園や外出時など、身に付けることをお許し頂きたく存じます」

「なるほどな。
良いだろう、許そう。
その前に我にも見せてはくれないのか?」

陛下が少しおどけた表情を見せる。

「もちろん陛下にも見て頂きたく思います」

俺が神妙に答える。

「ふむ、ぜひ見せてもらおう。
それからワイルとやらは神殿の判定済みであるが、姉のナミアは神獣殿の言葉によれば火属性があるとのこと。
ナミアにもう一度神殿での属性判定を受けさせる。
そしてもう一つ、ワイルとナミアに我も一度会ってみたいのだか?」

陛下がワイルとナミアに会いたいと?
平民が国王陛下に会うこもなど、滅多にないことだ。
国に多大なる貢献した者が一生に一度会えればいいくらいだ。
多くの平民は一生会えないのが普通だ。
ワイルはいいとしてナミアは緊張で気絶して倒れてしまうかもしれない。
でもそんなこと言えないな。

「陛下に謁見が叶うなど、大変名誉なことだと思います」

「そうか、ではその準備も進めていくことにしよう。
後日、ワイルとナミアも加えあらたに魔法契約を交わすが、今日集まった者たちで今から魔法契約を交わすこととする。
みなの者!わかっておると思うが、今日のことも他言無用である。
よいな」

「「「「はっ!」」」」

「陛下それともう一つございます。
魔道具屋のワイルの店にはわたくしたちの他にジョシュアの婚約者のアーカサンミル伯爵令嬢もおりました。
彼女とはわたくしが個人的に魔法契約を結びたいと思っておりますが、陛下のご判断を仰ぎたく存じます」

「アーカサンミル伯爵令嬢もか…」

陛下が顎に手をやりふむと考える。

「陛下、発言をお許し頂いてもよろしいでしょつか?」

今まで静かに話を聞いていたジョシュアがセシルティアのことだからか発言してきた。

「構わん」

陛下の許しを貰いジョシュアが語り出す。

「私の婚約者のセシルティアは私とは幼い頃からの付き合いでござまして、彼女も素晴らしい魔法の才能を持っており私と一緒に魔道具を研究しており、これからもワイルと協力して研究を続けるのに彼女の力も必要でございます。
どうかお許し下さい」

「ふむ、そうか!アーカサンミル伯爵令嬢も魔道具の研究に欠かせぬ人材であるのだな。
リリアナと魔法契約をするなら良いだろう。
しかしアーカサンミル伯爵令嬢もテンペスト伯爵にて面倒を見るのだ」

陛下の言葉にジョシュアが少し首を傾げる。

「と言いますと?」

「アーカサンミル伯爵令嬢もテンペスト伯爵家にて暮らすようにした方が安全であろう?」

「は、はい!ぜひそうしたく存じます!」

ジョシュアはセシルティアとテンペスト伯爵家で一緒に暮らせることを悟り、瞳を輝かせる。

そんなジョシュアを見て父親の魔術師団長が苦笑いする。
ジョシュアは本当にセシルティアが好きなんだな。

「テンペスト伯爵よいな?」

「承知致しました」

 

そして王妃も含めて俺たちは魔法契約を交わした。

終わると王妃が俺に近寄ってきた。

「リリアナ、その可愛い子猫が神獣殿なの?」

王妃はレンを見つめて目を細める。

「はい、さようにございます」

「素晴らしいわ。わたくしに抱かさて頂く栄誉を下さらない?」

「もちろんでございます」

俺が返事するとレンが自ら俺の腕から飛立って王妃の胸に飛び込んだ。

「まあ、何て可愛いらしいことでしょう」

王妃は胸にレンを抱きとめながら嬉しそうにレンの頭を撫でている。
王妃は動物が好きなんだろうか。
蕩けた瞳をキラキラさせてレンをしばらく撫で続けていた。



















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