次こそは平和な世でのんびり気楽に生きていくつもりだったのに何でか悪役令嬢として生きていくことになってしまった!

asamurasaki

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四十八話 レンside ①

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僕はウォーマン王国に生まれた。
生まれた時にすぐ教会の中にある孤児施設の前に捨てられていたらしいので、両親の顔は知らない。

まだ孤児施設の前に捨てられたのは僕の親に少しでも良心があったと今なら思う。
そこら辺の道端に捨てられていたらそのまま命を失くしていた確率が高かっただろう。
親も貧困に喘いでいて仕方なく捨てたのかもしれない。
真実はわからないけど…

それは僕が生まれる前から国は戦時中で王都にある孤児施設でさえも荒んでいて、悲惨な状況だった。

建物が雨漏りするなんてまだマシな方で敵襲により、屋根が吹き飛んでないところもあった。
僕が生まれた時には敵襲はなくなっていたが、昔は王都でも敵襲があったらしい。
その戦いで教会も破壊されているところが多々あり、修復もされていなかった。

なので赤ん坊以外のほとんどの孤児たちは野宿するように屋根のないところで、チクチクする肌触りの悪い小麦等を入れる麻袋に足を入れて胸の当たりまで潜り込んで寝泊まりする状態だった。

雨が降っている時は雨漏りがする一応屋根と呼べるものがある狭い部屋で孤児たちがひしめき合い、寝る場所がないから座って寝て夜が明けるの待つ。


食事も1日に朝と晩、固いパンと中身がほとんどない水のようなスープが与えられるだけ。
たまに昼に果物やお菓子の類いのものが出ることがあるが、ないと思っておいた方がいいくらい滅多になかった。 
食事が与えられるだけまだマシな方なのだということは施設飛び出してから知ったことだ。

昨日まで一緒にいた子供たちが今日にはもういなくなってることが、普通にあった。
その時は何故だろうとは深く考えていなかったけど、今思えば栄養失調で身体を悪くして亡くなったり、どこかへ身売りされたり誰かに攫われたり、孤児自ら出て行ったりしていたからだ。

孤児みんなそうだけど、僕も身体が小さく痩せていたけど、身体は強かったみたいで病気になることはなかった。
幼い頃はここで生きていくしかないんだと思っていたが、同じ施設にいた年上の男の子供が「ここにいても外に出ても同じだから俺は出て行く」と言っていなくなったりした。
その男の子供とはそれ以来会っていないからどうなったかはわからない。

教会の神父やシスターの中には優しい人たちもいたが、僕たちを物としか思わない人たちもいて、満足に食べる食事がないのに僕たちの食事を奪う大人や殴る蹴るなどして当たり散らす神父やシスターもいた。
神に仕える者として有り得ない行為だが、それだけ病んで荒んでいたということだ。

それに神父やシスターであっても自分たちのことで精一杯で自分の身内以外の孤児の面倒まで見切れないと言った方がいい状態だった。

それほど教会でも神父やシスターも生活を保障されたものではなく、余裕のない逼迫した生活を強いられていたんだろう。

その時はわからなかったが、それらすべてが戦のせいなんだということが後でわかった。

施設ではまったく教育など受けていなかったから僕は7歳くらい?自分でちゃんとした年齢はわからないが、それくらいで施設を飛び出した。
僕も施設にいても外に出ても同じだと思ったから。

でも実際は違った。大人でも農家や商店、食堂、宿などを営んでる一部の者たち以外、なかなか職にありつけなくて野宿しながら日雇いの仕事をして日々細々と生きてる状態なのに子供など生きていく術などなかった。

すぐに後悔して戻ろうかと思ったけど、一度出てしまったら僕の分空いたところに新たに孤児が増えるか、少ない食糧を残った孤児たちで分け合うだけで戻ったとして受け入れてもらえないはずだ。

一度出て行った子供が戻ってきたことがないのだから。
僕は身体が小さく痩せっぽちだけど足だけは早かったので、人の目を盗んで畑の作物を盗んで食べて飢えを忍んでいた。
それも出来ない時は道端に落ちてる腐りかけた野菜やパンやその辺に生えてる雑草を食べたりして、川の水を飲んでなんとか生きていた。

そんな生活を続けているある日に畑を荒らしたのがバレてオヤジたちに追いかけられている時に僕より少し年上の金髪と黒髪の男の子供二人に「こっちだ」と言われて逃げるのを助けてもらった。

それから僕はその金髪の男と黒髪の男に誘われて行動を共にするようになった。
金髪と黒髪の男二人は今まで会った同年代の子供たちとは違って知恵があり、仕事というものをしていた。

その仕事とは商人の家に潜り込んで情報を盗み聞きして、他の商人にその情報を売って金にしていた。
それは犯罪だ。

それはすぐわかったけど、僕がしていた畑の作物を盗むのも犯罪。
犯罪だとすぐわかったけど、子供が生きていくには犯罪でも犯して生きていくしかなかった。
僕は一人の時より金を貰えるから少しマシなものを食べれるようになったからいいやと思っていた。 

犯罪は良くないことだとわかってはいたけど、畑の作物を盗むのも同じだし食べて生きていくことに必死だった。

それに今まで孤児施設でも外に出てからも大人たちに理不尽に暴力を振るわれていたから大人を恨む気持ちもあった。
それは二人もそうみたいだった。
僕と出会う前にどんなことがあったかは詳しくは話してくれなかったけど、二人は僕より酷い目に遭っていたのは二人の腕や足、背中を見てわかった。
腕や足には火傷の跡や他の傷があったり、服を脱いだ時にドキッとして息を呑むくらい背中には鞭で打たれたような無数の傷が残っていたから。
二人はその時のことを思い出したくないと言い、僕はそれらの傷を見て何も聞くことが出来なかった。  

最初は三人だったが、仕事をする為にはもう少し人数を増やした方がいいとリーダー格の金髪の男が言い出して金髪の男が声をかけてすぐに二人増えて五人になった。

三人の時は僕は「ぼうず」と言われていて、金髪の男が「リーダー」で黒髪の男を「あにき」と呼んでいた。
けど人数が増えてリーダーから「これからは名前で呼び合おう」と言われ、リーダーがハントと名乗った。

ハントは見た目も金髪に青い目をしていて、どう見ても平民ではない感じで、元は商家か貴族の出のようで、同じ孤児なのに元から品が良く、字も少し読めて自分の名を知っていたが、他の僕たちは名前がなかった。

僕は孤児施設にいたけど、そこでは名前ではなく記号のようなもので呼ばれていた。
それを名前だと思わなかったのはそこにいた年上の孤児に単に僕たちを判別するもので名前ではないと聞いていたから。
後で学んで知ったがそれは数字だった。
孤児を数字で呼んでいたのはそれだけ孤児で溢れていたし次から次へと顔ぶれが変わったからだと思う。

黒髪に薄茶の綺麗な瞳をした仲間の中で一番の美形のあにきは自分の名前をブレインと決めた。

あとから出来た仲間で茶色の髪に薄灰色の瞳の男がメテオ、身長はメテオと同じくらいだが身体がガチッとしてデカい茶色の髪に茶色の瞳の男がオットと自分で決めて名乗るようになった。

僕は街で大人が自分の子供を「レン」と呼んでいたのを聞いたことがあって何でもいいやと思いレンにした。

それから僕たちは名前で呼び合うようになった。
名前で呼び合うようになってなんだかそれが嬉しくて人間として認められたような気持ちになり僕たちはより仲良くなったと思う。

ハントが「俺たちはずっと仲間だ」と言っていたが、初めて仲間というものが出来て何だか嬉しかった。

僕は仲間の中で一番年下だからかみんなが可愛がってくれて、何も言わなくても
「レンは一番痩せているからもっと食べな」と少ない食べものなのにそれを分けてくれたりもした。

そんなこと生まれて一度もなかったから僕にとってハントたちがかけがけのない存在になっていった。

ハントたちも仲間といるのが楽しいと言っていた。

仕事で僕たちは自然に役割が決まっていった。
一番年下で身体が小さくてすばしっこい僕と僕の次に小さくて僕ほど足は早くないけど、僕より賢いメテオが商人の家に忍び込んで情報を聞き出す。

身体が一番デカいオットは見張り役、腕っぷしも強かったから何かあった時はメテオと僕を逃がす役割。

年上のハントとブレインも忍び込む時もあるが、ハントとブレインが忍び込む商人の家を決めたり、僕とメテオにどんな情報を盗み聞きしてくるか指示して、その聞いてきた情報を売る商人と交渉する役だった。

五人になって僕たちは敵なしというくらい上手くいく日々を送っていた。
3ケ月くらいずっと共に生活するうちに僕たちは本当の家族のように仲良くなった。

家族がどんなものが僕たちは知らないけど、家族ってこんなものかなって思った。
五人でいると何でも出来て何者にもなれるような気がしたし、仲間でいると笑顔になれて楽しくて仕方なかった。
仲間の為なら何でも出来ると思った。

「俺たちは生きるのも死ぬのもずっと一緒だ」
とハントが言っていたけど、僕だけでなくみんながそう思っていたはすだ。

でもそんな日も長く続かなくてある日、僕たちはある商人の家に忍び込んだ時に嵌められたのか五人まとめて捕まってしまった。

終わったと思った。
やっていることは犯罪なんだから当然なんだけど、死ぬんだ殺されるんだと思った。
でも仲間と一緒ならそれもいいと僕は思った。
一人ぼっちで死ぬよりよっぽどいいと。

商人の家で縛られて地面に転がされているところに一際身体の大きい騎士の鎧を付けた男たちに引き渡され、僕たちは窓に鉄格子が嵌め込まられた馬車に押し込まれてどこかへ連れて行かれた。
処刑されるんだとその処刑する場所へと連れて行かれているんだと思った。
 
でも連れてこられたとこは今まで遠くからしか見たことのない城だった。
どうして城なんかに?城で処刑されるのか?と思っていたけど問答無用に連れて来られた。 
城に入ったら何故か縛られてた縄を解かれた。

そういえば同じ騎士でも街では見たことのない綺麗な服を着て、鎧はキズがあっても光っていて身体つきも大きくて屈強な騎士という感じだ。
引き渡された時にはわからなかったが、街にいる警備兵とは明らかに格好も体格も違った。

城にいる騎士たちなのかと思った。
その屈強な騎士たちに囲まれているので縄を解かれても逃げることは出来ない。
それに逃げようにも身体が震えて力が入らなかった。
それは僕だけでなく仲間全員が同じようだった。
やっぱり死ぬことが怖かった。

それから僕たちは湯が張っているところへ連れて行かれてそこにいる騎士の服じゃない服を着ている大人たちに有無を言わされず、服を脱がされてベトベトの身体や髪を何回も洗われた。

騎士服を着ていない大人たちも騎士程ではないけど筋肉がしっかりついた人たちで、僕たちなんて片手で捻り潰されるんではないかと身体や髪を洗われている時、怖くて仕方なかった。

でも湯なんか使えたことがなかったのでその温かさに驚いだ。
何で身体を綺麗にされているんだろう?処刑される時は身体を綺麗にしないといけないのか?等考えていたが、湯から出ると見たこともない綺麗な洋服が人数分置いてあって「着替えろ」と短く言われた。

どうしてこんなに手触りの良い綺麗なシャツとズボンを着るんだろう?と思いながら着替えたら、靴も用意されていてボロボロの穴の空いたものからピカピカ光ってる綺麗な黒い靴に履き替えた。
ぼくは靴は大きくてブカブカだったけど、何も言えない。

そして「ついて来い!」と言われて、騎士たちについて行くと、これまた見たこともないくらい広くてピカピカと光る床に教会よりも大きくて豪華なステンドグラスのある天井にはキラキラと光ってる灯りがある部屋というには広過ぎる天国かという綺麗な場所に着いた。

そこで「頭を下げていろ」と冷たい声で言われて僕たちは言われるまま膝まついて頭を下げていた。

僕はまだ処刑されるんだと思っていて仲間と一緒ならここで死ぬのもいいと思ったけど、それが現実なんだと思うとやっぱり怖くて全身がブルブル震えた。
仲間たちもきっとそうだったと思う。

しばらくするとカツンカツンという騎士たちよりも一際軽い足音がしてその足音が止まると。

「面を上げよ」

と甲高い透き通る綺麗な声が聞こえてきた。

処刑されるには似つかわしくない声だなんて少し思いながらも恐怖で身体を強張らせていたら、間近の騎士に「ほら、面を上げろ!」と言われて僕たちはのそのそと顔を上げた。

するとそこには金色に輝く髪と同じ金色の瞳をして騎士たちよりも見るからに上等で綺麗な服を着た年齢は僕とそんなに変わらないが、見たこともない綺麗な人がそこにいた。

ここは天国か?この人は天使なのか?と思った。
だって僕たちと同じ人間には思えないくらい美しかったから。
後で僕だけでなく仲間全員が「天使だと思った」と言ってた。

その天使が「この者たちか?」と言うと一人の騎士が「左様でございます」と答えた後、「ふむ、今日は食事を与えて休ませろ」とだけ言ってすぐにいなくなった。

それが僕たちとサラ様の出会いだった。

その場所で天使に会ってから僕たちはこれまた大きな部屋に連れて来られた。
そこには5つベッドがあり騎士から

「ここがお前たちの部屋だ」

と言われた。

訳がわからなかった。
どうして僕たちに部屋が与えられるんだろうか?でも質問したり逆らったりする気を僕たちはこれぽっちも持っていなかった。
みんなが言ってはいけない。
言う通りにしなくてはならないと暗黙の了解でわかっていた。

しばらくすると部屋に食事が運ばれてきて、部屋にある大きなテーブルに並べられた。
品数も何もかも見たこともないご馳走だった。
最初は戸惑っていたが、「食べろ」と言われてみんなテーブルの前の椅子に座って恐る恐る一口食べたらあまりの美味しさに驚く。
オットが「何だこれうめー」と叫んで慌てて黙ったけど、怒られることなく僕は止まらなくなってガツガツと食べていく。ふと周りを見ると仲間たちも無我夢中で食べていた。

こんなに美味しい食事は生まれて初めてでこの時の食事のことは一生忘れることはなく今でも思い出す。

その後、ここで寝るように言われ、明朝6時に来ると騎士に言われて、僕たちだけになったけど誰もが言葉少なで、誰がどのベッドに寝るかハントがさっと決めて、みんなそれ以上何か言うことなくベッドに横になった。

フカフカで良い匂いのするベッドなんかで寝たことがなく、すべて夢のような気がした。
本当はもう処刑されて死んでいて、夢の世界にいるんではないかと思った。
こんな幸せな夢なら覚めないで欲しいと思った。

けど、夢じゃなかった。
朝になったら昨日の騎士と違う服装をした大人が三人が部屋にやってきた。
湯で僕たちの身体を洗った人たちだ。
まず食事が運ばれてきて食べなさいと言われた。
黄金色に光った食べものが凄く美味しかった。
この食べものは後でオムレツだと知る。

そして食後、騎士じゃない三人の大人が食べた食器を洗って片付けることや部屋の掃除や服の洗濯の仕方を教えていく。

これから自分たちでするのだからしっかり覚えるように言われた。
食器を洗って片付けてから、部屋の掃除をしたけど、綺麗にならなければやり直しをさせられた。
そして掃除が終わったら部屋から出て洗濯板で洗濯の仕方を教わりその通りやる。

僕たち全員に下着と洋服というものが何着か用意されていて、洗濯しながらそれを着回していくんだと教えられた。
靴も一人に3足用意されていた。

僕の靴は翌日にはピッタリのものが用意されていた。
 
そしてその後、白い髭を蓄えたおじいさんが騎士と共に部屋にやってきて紹介された。
家庭教師という先生らしい。

「私のことはこれから先生と呼びなさい」
と言われ、以降先生と呼ぶようになった。

僕たちの部屋には食事をした大きなテーブルと人数分の椅子があり、そこで勉強するのだという。
まずは時間や曜日など基本的なことや字の読み書き、言葉遣いを学んだ。

それから徐々に学問、マナーなど厳しく教え込まれていった。 

そんな毎日が始まったのだ。 

しばらくしてからハントが「先生、どうしてこんなことをするんですか?」と僕たちが知りたかったことを聞くと家庭教師の先生が。

「あるお方にお仕えするのに相応しくなれるかのテストです」

と教えてくれたけど、僕たちはそのあるお方はあの天使のなんじゃないかとすぐに思った。
僕はたちは誰一人文句を言うことなく、あの美しい天使にお仕えする為のテストなんだと思い必死についていった。

騎士じゃない大人の人たちは従者と言うらしい。

そのうちマナーや学問だけでなく、騎士たちに剣術や体術、そして料理人から料理も教わるようになった。

学問やマナーも厳しいけど、剣術と体術は大人の騎士たちが相手で僕たちはすぐボロボロになった。
終わると身体が悲鳴を上げてギギギッと不格好にしか動かすことが出来なくなるくらいになったけど、僕たちはここで生きていくしかないと思っていたし、追い出されて元のあの生活に戻るのは絶対嫌だったし、天使の役に立たないと判断されれば元に戻るどころか死しかないと思っていたからとにかく必死だった。

それにもう一度天使に会いたいという思いを僕だけでなくみんなが思っていたのだ。

騎士、従者、料理人などがそれぞれいるけど僕たちはひと通りすべて教えられた。

僕は料理がみんなの中で一番得意になって、それにとても楽しいと思ったし、五人の中で一番上手いと言われてとても嬉しかった。

今までしたことがないことばかりで、厳しいことばかりだったけど、先生も騎士や従者、料理人たちも怖いけと、街にいた時みたいに暴力を振るわれることは一切なかった。

そのことだけでも今までに出会った大人たちとは違うと思っていたし、ちゃんと出来ると褒めてもらえた。

そしてこのテストに合格しないと僕たちに先はないと思っていたし、あの天使の為なんだと思えばどんなことにも耐えられた。

僕たちは必死に学んでいくうちにあっという間に3年が過ぎた。


3年後、あの最初に天使に出会ったところへ連れて行かれた。
そこは王宮の離宮にある謁見の間だった。

3年前と同じ場所なのに全てが違って見えた。
あの時は処刑されるんだと思っていたから美しいステンドグラスも輝く照明も豪華な床も調度品も綺麗で天国みたいだけど、恐ろしく冷たく感じていたのに今はその美しさに溜息が出そうな程だ。

僕たちも変わっていた。
3年前は座り込んで頭を下げて待っているだけだったけど、今は礼儀やマナーも覚えたのでしゃがんで背筋をピンッと伸ばし片膝を折り、右手を胸に当てて頭を下げたまま待っていた。

そこで天使がやってきて第二王子殿下だと知った。
王宮の中の偉い人だとは思っていたけど、あの天使がまさか第二王子殿下だったなんて!本当に驚いた。

第二王子殿下であるサラ様が僕たちを拾ってくれたんだと知った。 

ハント、オットが護衛騎士にメテオ、ブレイン、僕が従者兼影に正式に任命されて名前だけじゃなく爵名というか名字が与えられた。
もちろん僕たちは爵位を持たないが、第二王子殿下にお仕えするのだから当たり前かもしれないけど、孤児だった僕たちが平民でもごく一部の大商会の人間しか名乗ることが許されない屋号みたいな名字を与えられるなんて有り得ないことだった。


それからさらにあらゆる修行を続けながら怒涛の日々が始まった。




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