次こそは平和な世でのんびり気楽に生きていくつもりだったのに何でか悪役令嬢として生きていくことになってしまった!

asamurasaki

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五十四話 国王、攻略者たちと会合する ②

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俺はケングレットがそれほど俺を思い、憤ってくれることを嬉しい思う。

「ケングレットありがとう。
貴方は本当に職務に忠実で立派だわ」 

「…あ、ありがとうございます…」

するとケングレットが何だが眉尻を下げて困惑した表情をする。
それにケングレットだけでなくそこにいた面々が微妙な顔をして俺を残念な者を見る目をする。
ジョシュアなんか肩を竦めてヤレヤレとしだす。

「何?どういうこと?
わたくし何か間違ったこと言った?」

俺は何だろう?と首を傾げる。

「まあ、少しケングレット様に同情します…いや、それよりもリリアナ様ルドルフ様たちをお呼びになったのはお話があるからですよね」

ロランがケングレットに同情するとは?

「ロランがどうしてケングレットに同情するの?」
 
「い、いや、そこは気になさらないで下さい!!」

ロランが慌てて両手を振りながらケングレットやラルフを見て焦っている。

何だよ?まあいいか。
ルドルフとレアンドロに話があったし、ジョシュアにワイルとナミアのことと魔導具の進歩状況も聞きたかったんだ。

「ええと、サイアン男爵令嬢が学院に編入してきた1ケ月が経ったけど、下位貴族令息たちとも仲良くなっているようなのだけど?」

ルドルフとレアンドロを見つめながら言う。

「そうですね…あの女は相手が男でちょっと見目の良い者や平民でも大商会の子息など裕福な者たちには誰かれ構わず声をかけて擦り寄っていくので…それに王太子殿下も諌めたりもせず、それどころか自分の取り巻きが増えてると喜んでいる始末で頭が痛いです」

レアンドロが溜息混じりに話す。
王太子のことを聞いて俺も溜息が出る。
馬鹿なんだろうか?いや、間違いなく馬鹿だな。

「殿下が…まあもう殿下のことはどうでもいいわ。
でもサイアン男爵令嬢が子息に婚約者がいるいない関係なしに声をかけまくっていると噂になっているけど、それは問題ね。
婚約者の令嬢たちに不満を持っている人たちが増えてきているようだわ。
テレサ様とメリアンナ様も今は静観しているけど、きっと気分良くないだろうし不安になっているはず。
前にも言ったけど、ルドルフとレアンドロはちゃんとテレサとメリアンナとお話している?」

「もちろんです!
私にはテレサしかおりません!」

レアンドロが堂々と告白したではないか。

「あ、あの…それはですね…」

レアンドロは自分が言ったことにハッと気付いて顔を赤めて言い訳をしようとしている。

「レアンドロとても良いことよ。
というかテレサ様が婚約者なんだから当然のことだけど、それをちゃんとテレサに伝えているかしら?」

「…うっ、それは…」

レアンドロがうっと口ごもりモゴモゴして俯く。

「レアンドロ、ルドルフもだけど前にも言ったけれどもちゃんと言葉にして伝えなければ相手には伝わらないと思うの。
それは男女間のことだけではなく臣下に対しも言えることではなくて?
そうでなくとも今は貴方たちは陛下の命令で殿下の側にずっといるわよね?
テレサ様とメリアンナ様だけでなく他の生徒たちも貴方たちがサイアン男爵令嬢と親しくしていると思っているわ。
他の生徒には何も言えなくともテレサ様とメリアンナ様を不安にさせないであげて欲しいのよ。
わたくしの言ってることわかるわよね?」

俺はルドルフとレアンドロを覗き込むように見やる。

「…承知しております」

ルドルフが小さく答える。

「貴方たち二人には大変な役目を担ってもらっているのは十分承知しているわ。
本意でないこともちゃんとわたくしはわかっている。
でもテレサ様とメリアンナ様は事情を知らないの。
それをわかって欲しいの」

俺は少し威圧を込めて二人を見る。
ルドルフとレアンドロはハッとした顔になる。

「申し訳ございません」

レアンドロが謝ってくる。

「わたくしに謝って欲しいのではないわ。
面と向かっては照れ臭くて言いにくいこともあるでしょう。
二人の間のことでわたくしがとやかく言うことではないけど、テレサ様とメリアンナ様が傷ついたりするとこを見たくないのよ」

「わかりました。気をつけます」

ルドルフの言葉に俺は頷く。

「お願いね。
ところで殿下とサイアン男爵令嬢の様子はどうかしら?」

「…あの、言いにくいのですが…あの女が殿下にリリアナ様に無視されたり、他の令嬢に無視されてる。
それはリリアナ様が圧力をかけて自分を孤立させようとしているからだと言っておりまして…魔導具に記録出来ておりますが、音声はないのでお見せするのは…」

レアンドロが戸惑ったように俺を見つめる。
俺の婚約者である王太子が他の女性と仲睦まじくしている様子を見せたくないと思っているんだろう。
俺はあの二人がどれだけ仲良くしてようがどうでもいいんだけどな。

「レアンドロわたくしに配慮してくれているのね?ありがとう。
でも別に見ても殿下とサイアン男爵令嬢が親しくしている証拠になるくらいにしか思ってないわ。
音声がないから彼女が言ったことは証明出来ないけど、ルドルフとレアンドロが見てくれているだけで今は十分よ。
それにしてもわたくしサイアン男爵令嬢に今日初めて会ったのにね?」

レアンドロの話に俺は呆れてしまう。
よくそんなに簡単に嘘がつけるものだなと思う。

「私とレアンドロはリリアナ様とあの女が今までまったく会っていなかったこと、今日初めて会ったのだということを承知しておりますが、普通に考えれば殿下もわかるはずですが殿下はあの女の言うことをまったく疑わず、すべて信じ込んでいるようでして」

ルドルフがすまなそうに俺の顔を見る。

「まるで洗脳されているかのようね。
まあ、殿下がわたくしのことを嫌っているから余計なのかもしれないけど、ずっとサイアン男爵令嬢と行動を共にしてるのにね」

俺は呆れて笑ってしまう。

「しょーもないことだけど腹立つな。
とっとと消し炭にしたい」

ラルフがボソッと言う。

「ラルフ物騒なこと言わないで!
わたくしのことはいいけど、テレサ様やメリアンナ様、他の方がそんな有りもしないことで悪い噂を立てられてるなんて問題だわ。学院内も雰囲気が悪くなるし」

「自分のことはいいのかよ」

俺の言葉にラルフは微妙な笑みを見せる。

「王太子殿下のことなんて何とも思っていないし、わたくしは誰に何を言われようが気にしてないわ。
証拠を積み上げて論破すればいいことよ」

「リリアナ様はお強いのですね」

ルドルフが俺を真摯に見つめてくる。

「そうかしら?」

俺が首を傾げると。

「確かにリリアナ様はお強いです。
これからもルドルフ様とレアンドロ様には引き続き殿下とサイアン男爵令嬢を見張って頂くことになりますね。
魔導具での証拠集めも必要ですし」

ロランが言うことに俺は頷く。

「そうね。
これからもお願いするわ」

「いい加減うんざりしているので早く解放して欲しいのですが」

レアンドロが心底嫌だという顔をする。

「ルドルフとレアンドロには負担をかけているわね。
すまないとは思うけど、しばらくは我慢してもらいたいわ。
ところでサイアン男爵令嬢に何か感じたりしていない?」

「と言いますと?」

ルドルフが首を傾げる。

そこで俺はレンを見つめる。

『サラサマ、コノヒトタチニハハナシテイイトオモウ』

レンに言われたので、先日ウルヴァランと話したことをルドルフたちに話した。

「えっ?前の世界の?邪魔する存在?」

ジョシュアが目をバチパチさせながら驚きで口をポカンとさせる。
ルドルフとレアンドロも顔を強張らせて深刻な顔になる。

「わたくしも凄い情報量で混乱したわ。でもウルヴァランの言うことを聞いてサイアン男爵令嬢には想像もつかない存在が後ろついていると考えられるわ」

「ん~あの女には何か想像も出来ない力があるかもしれないということですか?」

ルドルフが眉間に皺を寄せて顎に片手を当ててう~んと唸っている。

「ウルヴァラン曰く、今のフローラには光魔法と聖魔法以外のものは持っていないらしいけど、邪魔する存在が何なのか、どんな力を持っているのかまだわからない。
だからサイアン男爵令嬢に対しても注意しなくてはならないわ」

「それは…魔法防御の魔導具を急がなくてはなりませんね…それと今セシルがもう一つ研究しているのです」

セシルティアがもう一つ研究していると?

「もう一つとは?」

ラルフがジョシュアを見やる。
ジョシュアがラルフの迫力に一瞬目を見開く。ラルフが威圧を一瞬出した。
彼の膨大な魔力によるものだ。
意識していなかったかもしれないが、その場にいた全員がそれを感じて俺も息を呑んだ。
だが、ジョシュアはすぐに気を取り直す。

「はい、それは魔導具を持っている者たちがそれぞれの位置がわかるという物です。
例えばラルフ様とリリアナ様が離れているところにいて、ラルフ様がリリアナ様の位置を知りたい時に魔導具に魔力を通せばどこにいるかわかるというものです」

「それはいいな」

ラルフがうむ、という顔をする。

「はい、僕は魔法防御の魔導具を研究していますが、ワイルさんが優秀で協力してもらっていてもうすぐ出来ると思います。
魔石を良いものを使用しているので、記録出来る魔導具の方も見える範囲を広げ音声が聞こえるようになるのももうすく出来ると思うのです。
なので、その両方を一つの魔導具にしてみなさんに持って頂ければ危険は減ると思います。
この二つの魔導具は1ケ月以内には完成させようとしています。
それが、完成すればセシルが研究してる位置を知らせる魔導具に三人で取りかかることが出来ます。
いずれはその三つを一つの魔導具に取り込めるようにしようと思います」

ジョシュアの話に俺は感激する。

「ジョシュア凄い!!」

「リリアナ様~ありがとうございます。
凄いのはワイルさんです!
ワイルさんと一緒に研究するようになって目から鱗なことがたくさんで、ワイルさんとはずっと研究していたいです~」

ジョシュアが楽しそうに嬉しそうに語る。
ワイルは本当に凄いんだな。

「ジョシュア、その魔法防御の魔導具が完成して身に付けていたらすべての魔法を防御することが出来るのか?」

ケングレットが真剣な表情でジョシュアに聞く。

「そうですね~すべての魔法攻撃を防御出来るようにするつもりです。
あっ、それで全属性魔法が使えるリリアナ様に協力してもらいたいのです。
僕は4属性を持っていますし、雷属性も使えるようになりましたが、光属性、聖魔法、闇属性を持っていませんから。」

「もちろんよ」

「リリアナ様ありがとうございます!
ただ、回復の光属性も防御出来るようにするのはどうなのかな~?と思っているんです」

ジョシュアが言うことも確かだな。
怪我をしたりした時に回復させる光属性も防御してしまうとその魔導具をつけていたら治癒出来ないことになる。

「いや、光属性も攻撃に使える魔法だ!あの女が光属性と聖魔法を持っているから防御出来るようにしておいた方がいいだろう。
もし回復しなきゃいけない時は魔導具をいったん外せばいい」

『セイマホウハサラサマトボクモツカエマス。
ツウジョウヒト二ツカウモノデハナイ。
ケド、ヒト二ツカッタバアイ、セイシン二カンショウハデキナイケド、トチ丿ジョウカナドハモト二モドスモノ。
ニンゲン二タイシテツカッタバアイドウナルカワカラナイ』

ラルフに続いてレンが気になることを言った。

「レン、聖魔法は通常人に使うものではないけど、土地の浄化は元に戻すものって…もしかしてそれって巻き戻りが関係しているんじゃないの?」

「フローラハヤッテイナイ。
セカイヲモドスナンテアノコ二ソンナチカラハナイ」

「サイアン男爵令嬢に巻き戻りさせる力はない…でも聖魔法にそんな力があるのと言うの?」

「コノチヲマモッテルボク丿ナカマタチガチカラヲアワセレバ、カノウセイハアル。
デモソレヲシテナイコトハウルヴァランサマハシッテルシ、ボクモ゙ワカルケドチガウ」

レンが言ったことを整理する。
聖魔法には土地を浄化する力をがある。
それは元に戻す力らしい。
今のフローラにはこの世界を巻き戻らせる力はない。
でも元からいるこの世界を守っているレンの仲間である神獣たちが力を合わせれば可能性はある。
けれど、この世界を守ってくれている神獣がしたことではないことはウルヴァランもレンも知っている。

ではやはり巻き戻りさせたのは創造神なのか?
















    
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